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zoom RSS 出張で「マイル禁止」・・・じゃ、飲食サービスも辞退しますか?

<<   作成日時 : 2008/06/15 23:00   >>

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画像 中央省庁の役人が、出張で飛行機を利用する際のマイレージ取得を「自粛」するのだという(右記事)。居酒屋タクシーなどの批判を受け、税金による出張で職員個人が特典を受けることはまずかろう、ということになったらしい。

 それにしても、国民に対するポーズなのだろうが、意味のないことをやるなぁ、と思う。「自粛」ということは禁止じゃないし、マイレージ口座は個人のものだから、その人がどれだけマイレージを貯めているかなんて、本人じゃないとわからない。「出張ではマイル付与を受けていません」なんてウソを付くことは、やろうと思えばできる。それとも役所は、個人に届くマイレージサマリーをすべてチェックし、出張でマイルを貯めていないかチェックでもするつもりなのだろうか。

 もっとも、こんなことは「居酒屋タクシー」が問題化した昨今に、急に出てきた話ではない。公費出張によるマイレージ取得に対する疑問の声は、航空会社がマイレージサービスを始めた10年以上前からあった。「公務員」「出張」「マイレージ」などというワードでネットを検索すれば、やれ「グレーゾーン」だの「横領の疑いが濃厚」だの、そういう書き込みがわんさと出てくる。

出張による「マイル取得」をどう考える?
 マイレージの個人取得を問題視する人たちの理屈は、ある種非常にシンプルだ。「マイレージ付与は運賃の実質的な割引である。出張で支払われる運賃の原資は税金なのだから、割引分は国に還元されるべきである」、あるいは「税金で出張しているのに個人的なサービスを受けるのはけしからん」というものだ。

 けれども、航空会社からすれば、理屈はかなり変わってくる。マイレージ付与は運賃の割引では断じてない、と航空会社は主張する。その証拠に、「マイレージはいらないから運賃を割引せよ」と言っても、そうはならない。一部の格安運賃には最初からマイレージがつかないものもあるが、出張で使うような変更・取消が自由な利便性の高い運賃には、必ずマイレージがつく。あれはあくまで利用者個人に対するサービス、飲み物や食事のサービスと同じ、というスタンスだ。飛行機で飲み物や食事のサービスを受けるのがけしからん、と言う人はいないだろう。食事も飲み物もいらないから運賃を割引せよ、なんて理屈は絶対に通らない。それなのに、マイレージ取得が批判の対象となる(批判を気にする)のは、飲み物や食べ物のような消えモノとは違って個人に残り、しかも貯めれば無料航空券になるという、換金性が極めて高いサービスだからなのだろう。

 「居酒屋タクシー」がずいぶん非難されているが、私は、民間人の長距離客にも同様のサービスが為されているという前提なら、缶ビールやおつまみ程度は、堂々と受け取ればいいと思っている。連日深夜、長距離をタクシーで帰宅せねばならないという仕事のやり方や交通費の支出方法が問題なのであって、事業者である個人タクシーが、ビールをサービスするくらい、何の問題もない。独禁法は、「景品は商品総額の10%以内」とわざわざ規定しているのだから、その範囲なら自由にやって良いはずだ。だから、マイレージの個人取得が問題とも、まったく思わない。マイレージを自粛せよというのは、国際線の機内で食事もアルコールの提供も受けちゃいかん、と言っているのと同じ次元の話じゃないかと思うのだ。

役所がマイレージを一括管理することは可能か?
 マイレージは国に還元できるよう制度を改めるべき、とか、法人マイレージカードのようなものを認めて、会社や団体単位でマイルを貯めれるようにすべき、という意見は、航空会社がマイレージサービスを始めた当初からある。が、航空会社からすれば、そんなんならマイレージサービスをやる意味がまったくない。あの制度は、個人のリピーター獲得。つまり、出張で利用した客に「マイレージをあげますから次回プライベートで乗るときもウチを使ってくださいね」というのが、そもそもの目的なのだ。国や会社にマイレージを付けてしまえば、会社単位の利用は増えても、その社員が自分で航空会社を選ぶ動機付けにはまったくならない。

 出張によるマイレージ取得が絶対にダメ、と言うなら、出張した職員には取得したマイレージをすべて自己申告させ、出張による獲得分だけで無料航空券相当分が貯まったら、次の出張のときにそのマイルを使わせる、ということをするしかない。けれども、マイレージには有効期限(日本の航空会社は取得から3年)があるし、運賃の種類や利用クラスによって取得するマイレージも違う複雑怪奇なシステムになっている。カードの上級会員になれば追加マイレージが取得できるし、自費で上級クラスにアップグレードした場合の追加マイレージはどうするか、なんてことも問題になる。職員1人1人の出張によるマイレージ取得残高を有効期限とともに管理するのは至難の業である。そういう仕組みを作ったとしても、上に書いたようにウソを付き通すこともできる。

 実は、今のようなマイレージサービスが導入される前から、頻繁に利用する客に対する特典サービスというのは存在した。ポイントを貯めて景品と交換できるというもので、国内線で年に20往復もすれば、カバンやら腕時計やら、けっこう金目のモノが手に入った。マイレージサービスというのは、交換対象が景品から無料航空券に変わっただけで、たくさん乗った個人に対して特典を与えるという本質はまったく変わらない。エアラインにとっては、自分の会社を(しかも正規料金で)「選んで」乗ってくれる「リピーター」というのは、それだけ貴重なのである。

 高い運賃で乗ってくれる企業や役所の出張客が収益の柱、というエアラインのビジネスモデルが変化しない限り、マイレージサービスも個人への特典付与も無くならない。ちゃんと仕事をしているという自覚があるなら、マイレージくらい堂々と受け取ればいい。




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2009/11/03 01:10

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