旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

アクセスカウンタ

zoom RSS エールフランスA330の事故原因を考えてみる

<<   作成日時 : 2009/06/03 23:45   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 12 / コメント 0

画像 リオデジャネイロからパリに向かったエールフランス(AF)447便(A330-200、乗客乗員228人)の行方不明が伝えられてから、48時間とちょっとになる。日本時間のきのうには、大西洋沿岸の都市レシフェから北東1200キロで機体の破片が見つかり、墜落したことが確認された。

 事故原因について、落雷とか乱気流とか電気系統のトラブルなどが推測される・・・と言われているが、常識的に考えて、落雷や乱気流が致命的な事故に結びつくことは、まずあり得ない。落雷によって旅客機が墜落したケースが一例だけある(パンアメリカン航空214便墜落事故)が、これを機に航空機には落雷対策が施されるようになり、これ以降、落雷が原因となる重大事故は起きていない。日本でも時々落雷はあるそうだが、機体は無傷か、小さな穴が開く程度で運航に支障はない。

 乱気流に遭遇することなど、落雷よりもっと頻度が高いし、それだからこそ、着席中は常にシートベルトを締めるよう、注意喚起がされている。電気系統のトラブルが墜落に結びつくことなど、落雷や乱気流よりももっと、考えられない。故障が致命傷にならないように何重ものバックアップシステムがあるし、(可能性は天文学的に低いにせよ)電気系のトラブルで操縦不能に陥ったとしても、遭難信号は発することができる。

 こうして考えて行くと、遭難信号も出さずに突然消息を絶ってしまった理由は、まったくもって謎としか言いようがないのだが、現時点で考えられる可能性に言及するとすれば、積乱雲との突然の遭遇はあり得るのではないかと思う。

 パイロットから聞いた話だが、航空機が積乱雲に突っ込んでしまうと、身の毛もよだつ、とんでもない事態になるのだそうだ。片翼が積乱雲に入っただけでも、操縦席の計器が判読できないほどの激しい揺れに見舞われ、話すと舌を噛むほどで、乗員どうし会話もままならない状態になるという。積乱雲にまともに突っ込もうものなら、激しい上下動と落雷の連続やボール大のひょうにやられ、機体はボロボロ、運良く雲からはじき出されでもしない限り、墜落間違いなし、というような事態に陥るのだそうだ。実際、気象レーダーが開発される前の第2次大戦くらいまでの飛行機には、突然消息を絶ち、積乱雲の遭遇が疑われる例がそれなりにあるのだという。1953年には、BOAC(英国海外航空)のジェット旅客機「コメット」が、インド上空で極めて強い雷雲に遭遇して空中分解し、墜落するという事故も起きている。

 したがって、パイロットにとって積乱雲は、決して近づいてはいけない空の危険地帯。そして、航空機に気象レーダーが搭載されるようになってからは、事前に雲の位置を把握し、それを避けて飛ぶことが可能になっているから、実際に積乱雲に突っ込むような事態はまず起きないそうだ。

 しかし、積乱雲の多発地帯である赤道付近では、雲が予期せぬ動きをすることも多い。昼間なら目視で発見できるが、事故当時は夜間飛行だった。そこで、何らかの理由で乗員が気象レーダーの監視を怠ることがあれば、あるいは、離陸後に気象レーダーをオンにすることを忘れていれば(レーダーは強力な電磁波を出すため地上にいるときはオフになっている)、海面から飛行高度よりはるか上までを覆い尽くす巨大な積乱雲に不意に遭遇、激しい上下動の中で状況把握もままならないままに高度・速度を失い、やがて失速、海面に叩きつけられる、というのはあり得ないことではないと思う。

 もっとも、これもあくまで推測だ。正確なことは、ボイスレコーダー(CVR)とフライトレコーダー(FDR)を回収し、分析しなければわからない。しかし、事故現場の水深は2000〜3000メートルで、「回収はきわめて困難」と、ブラジルのネルソン・ジョビン国防相は述べたのだという。そして、フランス航空機事故調査局のアルスラニアン局長は、「原因調査は容易ではない」という見通しを、早くも示している。

 この事故は、原因の特定どころか、まともな事故調査すらもできない、大型機としては稀有な事故事例になる可能性を持っている。

関連記事「原因は速度計の異常?」(6月10日)

関連記事「ブラックボックスは発見可能・・・専門家が見解」 (6月13日)

関連記事「エールフランスA330事故・・・捜索は7月10日で打ち切り」(7月2日)

関連記事「エールフランスA330事故・・・ブラックボックス捜索はさらに続く 」(7月11日)




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(12件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
エールフランス
&nbsp;&nbsp;・清志郎さんの新曲で「RC復活」 &nbsp;&nbsp;・宮崎アナ「美人病」で全番組降板 &nbsp;&nbsp;・堂珍大喜び、双子誕生で4児の父 &nbsp;&nbsp... ...続きを見る
最新!スポーツ芸能ニュース速報
2009/06/04 07:29
エールフランスA330事故・・・原因は速度計の異常?
 エールフランス447便(A330・乗客乗員228人)の事故から、1週間以上になる。日本ではベタ記事程度の報道しかされなくなってしまったが、CNNなどを見れば、捜索や原因調査の状況が、日本のメディアよりもはるかに詳しくわかる。アメリカの航空会社やメーカーが関わっているわけでもなく(A330は欧州製)、アメリカ人が多数搭乗していたわけでもないのだが、航空大国だけに関心は高い、ということなのだろう。 ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2009/06/10 12:01
エールフランスA330事故・・・「ブラックボックスは発見可能」専門家が見解
 今月1日に起きたエールフランス(AF)447便の墜落事故の続報は、英語圏のメディアが相変わらず詳しい。特にCNNのインターネット版には、毎日のように長文の記事が掲載されている。記事の発信地も、パリであったりリオデジャネイロだったり本国アメリカであったり、多岐にわたる。航空に詳しい記者が、直接取材して書いている。現地報道をそのまま翻訳して伝えるだけの日本のメディアとは、大違いだ。前にも書いたが、本件事故は、アメリカの航空会社が起こしたわけでも、アメリカのメーカーの機体が落ちたわけでもなく、... ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2009/06/14 10:42
エールフランスA330事故・・・「リアルタイム送信への移行を」専門家コメント
 大西洋上で突然消息を絶ったエールフランス447便墜落事故(A330)から2週間ちょっとになる。1週間ほど前のブログで、「ブラックボックスが発見・回収できない事態に備え、CVR・FDRの内容をデータリンクで常時外部に送信することができないか・・・今回の事故を契機に、そういう議論も出てくるかも知れない」(「原因は速度計の異常?」6月10日)と書いたが、専門家からさっそくそういう意見が出ている。 ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2009/06/17 21:47
エールフランスA330事故・・・捜索は7月10日で打ち切り
 リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス(AF)447便のA330が大西洋で謎の墜落事故を起こしてから、1か月になる。日本では続報がほとんど伝えられないので、事故のことそのものも日本人の記憶から消えかけているのではないかと思うが、発生後10日ほどはコンスタントに長文のレポートを出していたCNNも、さすがにこの2週間ほど、散発的な記事がちょこちょこ出るだけになっている。捜索や原因調査がこう着状態で、進展がないからなのだろう。 ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2009/07/02 23:45
エールフランスA330事故・・・ブラックボックス捜索はさらに続く
 大西洋上で謎の墜落事故を起こしたエールフランス(AF)447便のブラックボックス捜索が、7月10日(つまり昨日)で打ち切られる・・・という記事を数日前に書いた。 ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2009/07/15 22:29
A330がまた墜落・・・なぜ?
 またエアバスA330が墜落した。今度はリビアのトリポリ国際空港で。アフリキーヤ航空771便(A330-200)が滑走路の手前に叩きつけられ、機体はバラバラになった。乗客乗員104人中103人が死亡したと伝えられている。去年6月にブラジル沖の大西洋に墜落したエールフランスの事故の記憶が冷めぬうちに、またしてもA330の全損事故が起きたことになる。前回は巡航中、今回は着陸人入中と、事故の形態は大きく異なり、関連性は無いと思うが、ヨーロッパ自慢のハイテク機「エアバス」に何か起きているのではない... ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2010/05/13 01:05
フランスの執念!! AF447のブラックボックスがついに見つかった
 海外ニュースのチェックに手抜かりがあったようで、重要なニュースを見逃していた。2年前、大西洋上で謎の墜落事故を起こしたエールフランス447便(AF447)のブラックボックスが、今月1日から3日にかけて発見、回収されていたというのだ。フライトデータレコーダー(FDR)、コクピットボイスレコーダー(CVR)とも重大な損傷は無く、データの復元と解析は可能なのだという。謎に包まれていた事故原因が明らかになる可能性が高くなった。 ...続きを見る
旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝え...
2011/05/27 18:27
プラダ トート
エールフランスA330の事故原因を考えてみる 旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記/ウェブリブログ ...続きを見る
プラダ トート
2013/07/10 03:11
マレーシア航空370便・・・なぜ機体が見つからない?
 クアラルンプールから北京に向かったまま行方不明となったマレーシア航空MH370便(ボーイング777-200/機体番号 9MMRO)の機体が、まだ見つからない(日本時間 9日23時現在)。到着予定時刻から40時間近くが経過しているというのに。これはかなり異常なことと言えるのではないか。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2014/03/10 02:09
マレーシア航空370便行方不明・・・錯綜する情報
 消息不明となっているマレーシア航空MH370便(ボーイング777-200/機体番号 9MMRO)の機体が、まだ見つからない(日本時間 12日23時現在)。消息を絶ってから、丸4日が過ぎた。乗客家族の苛立ちは相当なものだろう。最新のCNNのリポートを見ると、進展のない捜索状況と二転三転する情報に、取材する記者自身が相当なフラストレーションを感じている雰囲気が伝わる中身になっていた。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2014/03/13 19:48
エアアジア機の墜落について
 インドネシアで先月28日に発生したエアアジアQZ8501便(A320-200/PK-AXC)の墜落事故、2007年1月1日に起きたアダム航空KI574便(B737-400/PK-KKW)墜落事故と、同じ出発地、年末年始、LCC、悪天候など、共通点が多いことに驚く。なんと言う偶然だろう。違うことと言えば、KI574便が、製造後18年、7つのエアラインを渡り歩いてきたガタガタの機体だったのに対し、QZ8501便の機体は2008年製造でエアアジア・シングルユーザーのピカピカの機体だったというこ... ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2015/01/02 10:05

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
エールフランスA330の事故原因を考えてみる 旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる