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zoom RSS 「沈まぬ太陽」批判のJAL社内報・・・「KY」とはこのことだ

<<   作成日時 : 2009/11/07 13:47   >>

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 おととい、 「映画『沈まぬ太陽』にJALがイチャモン」という記事を公開したところ、ある方が問題の社報のページを送ってくださった。許可を得て転載する。

 JALを題材にしたフィクション映画「沈まぬ太陽」に対して、JALが社内報でイチャモンを付けているというこの問題、時事通信電の記事として全国の主要紙に掲載されているが、社内報の原文は、読んで感動するほど「味わい深い」ものだった。

 「映画『沈まぬ太陽』に対する当社の考え方」と題したこの文章は「お客様のみならず、ご家族、ご友人等からの質問や問合せ等の祭の参考に」するために書かれたという。そして、フィクションとの断りはなされるものの「見る人にはあたかも全てが事実であるかのように思わせる恐れがあり」、「当社と個人のイメージを著しく傷つけるもの」と述べている。さらに、「渡辺謙氏演じる主人公は御巣鷹山事故のご遺族係をしていますが、こうした人物は実在せず、全くの虚像」であり、「あたかも主人公のものであるかのように粉飾されている」としている。

 おとといも書いたが、わかってないなぁ、と思う。こういうタイミングでこういう声明を公表することのインパクトについて、まるで想像力がはたらいていない。流行言葉の「KY」とは、このことだ。私も映画は見たが、見たからこそなおさら、そう思う。

 だいたい、実在の事件や人物、企業をモデルや題材にした映画・小説はなんぼでもある。よくあるのが、「企業の危機」とか「国の危機(戦争)」という実在の設定に架空のヒーローが現れて、華麗に危機を救ってしまうというパターンだ。歴史上の事件を丹念に再現しているように見えて、肝心の部分には大幅な脚色が加わっている、というのもよくある。そんなものに、いちいち青筋を立てていても、格好悪いだけなのだ。

 そりゃ確かに、「御巣鷹山事故と言う事実をストーリーの中心に据えているため、殆どがフィクションであるにも関わらず、事実との境目が見えません」というJALの言い分には、若干同情する。けれども、「作り話を加えて御巣鷹山事故を映像化し、商業的利益を得ようとする行為は、ご遺族のお気持ちを察すると、配慮に欠けると言わざるを得ません」とまで言うのは、どうなのだろう。だったら、何千人、何万人が犠牲になった「戦争」を題材にした映画はどうなのだ、と言いたくなる。同じ渡辺謙が主演した「硫黄島からの手紙」は、日米双方で2万7000人が犠牲となった硫黄島攻防戦を舞台に、実在した指揮官・栗林忠道(渡辺謙)を題材にした映画だが、肝心な部分にはフィクションも多く混じっている。「作り話を加えて硫黄島戦闘を映像化し、商業的利益を得ようとする行為」は、遺族に対し「配慮に欠ける」ものとなるのか? また、2700人が戦死した戦艦大和沈没を描いた「男たちの大和」に「遺族に対して配慮に欠ける」とクレームがあったか?

 そもそも、123便の遺族が映画会社に対して「配慮に欠ける」と言うならわかるが、事故を起こした当事者のJALが遺族の心情を代弁しようとするのは、おかしいし図々しい話だ。中には、映画を快く思わない遺族もいるかも知れないが、24年前の事故のことがこういう映画を通して伝わることに賛同する人だっているだろう。JALが映画を妨害することの方が、ずっと「配慮に欠ける」行為だとなぜ気づかない?

 ところで、時事通信がスクープした形の、このJALの社報記事。義憤に駆られた社員の誰かが、時事通信に見せたのだろう、と思っていた。ところが、事情に詳しいある関係者によると、社報はJALの側から時事通信に提供された可能性が強いのだという。もちろん、JALの主張を代弁させ、「沈まぬ太陽」批判の世論誘導を狙ってのことだ。またまた、わかっていない。こんなことで世論誘導が可能と思っていることが、である。

 さらにこの関係者によると、JALは時事通信とグルになり、現在の経営危機は高額な企業年金が最大の原因であり、これが解決すればすべてうまく行くかのようなムード作りを懸命に行っている疑いが強いのだという。HP以外に自前のメディアを持たない(=影響力の少ない)時事通信と組もうとしてる点でそもそも判断が誤っているが、それでも、それに影響されてJAL問題は年金一辺倒の報道姿勢にシフトして来ているメディアもあるのだそうだ。そりゃ、高給取りと思われているJAL社員やOB(地上職やCAは実は決して高給ではないのだが)は叩きやすいし視聴者・読者からもわかりやすいのだが、報道姿勢としてそれは最もやっちゃいけないことだ。

 企業にたかるチンピラ記者みたいなのが映画の中にも出てきて、それをJALが接待攻勢で骨抜きにし、都合の良い記事を書かせる場面がある。何のことはない、映画とそっくり同じことがいまだにやられている(疑いが強い)ということだ。

 「沈まぬ太陽」に、JALがここまでムキになる理由・・・それは、映画があまりにも現実の生き写しで、恥ずかしくていても立ってもいられない・・そういうことではないか。




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