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zoom RSS 七戸駅でレールバス体験

<<   作成日時 : 2010/05/03 23:30   >>

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画像 予定はしていなかったが、ドライブ途中の七戸町でレールバスの体験乗車をやっていると聞き、立ち寄ってみた。七戸町に入るとまず役場に立ち寄り「旧七戸駅はどこですか?」と尋ねると、当直職員が「あ、レールバスですね」。どうやら、レールバス試乗会はマチの一大イベントであるらしい。

画像 ここで言う「レールバス」とは、旧南部縦貫鉄道で使われていたキハ101・キハ102のこと。鉄道自体は1997年に運転休止、2002年に廃止されたが、鉄道ファンらによる愛好会によって車両は動態保存され、年に何度か、撮影や体験乗車のためのイベントが開かれているのだという。南部縦貫鉄道は、青森県の七戸町と野辺地町とを結ぶ20.9キロの路線で、1962年の開業から1997年の休止まで35年間、富士重工製のレールバス2両が輸送の主役として活躍してきた。開業当初から多くの乗客を見込めない線区の状況を考慮し、バスの車体構造・部品を多用して製作されたことから「レールバス」の名が付いたという。

 恥ずかしながら私は、ここに来るまで、30数年も現役で活躍したレールバスが存在したことをまったく知らなかった。レールバスは、1950年代に閑散線区に導入されたものの、定員が少なく朝夕のラッシュなど需要の波動に対応できなかったために短命に終わった・・・と認識していたが、それは国鉄型レールバス(キハ01〜03)の話。国鉄型レールバスを参考に民鉄用に作られたレールバスが長く使われていたとは・・・目からウロコの思いだ。

 イベント会場は、七戸町の中心部からはちょっとはずれたところにある、南部縦貫鉄道の七戸駅構内。ここだけ線路が残されていて、ホームを起点に駅構内を2往復、840mの区間が体験乗車のコースだ。1枚500円の「会員証」(乗車券ではない!)を買えば、イベント期間の5月2日と3日、何度でも乗車できる。なかなか太っ腹の料金設定じゃないか。1回の定員は30名に制限しているが、5分も並べばほぼOKだ。


画像  さっそく乗ってみる。前後に運転台があり、運転士がやってくると、通常の気動車と同じくブレーキレバーをセット、そしてなんと、バスと同じシフトレバーを床に差し込む。この車両の特徴の一つは、一般気動車のような液体変速(オートマチック)ではなく、機械変速(マニュアルシフト)であるという点なのだ。変速の要領は自動車と同じで、クラッチを切った上でシフトレバーで変速する。運転士は、右手でブレーキレバーとシフトレバー、左手でマスコン(自動車で言うアクセル=シフト操作が伴うのだから、まさしく「アクセル」と呼ぶのがふさわしいと思う)、さらに足でクラッチレバーと、一般気動車に比べるとかなり煩雑な操作を要求される。

 全員が乗車し、手動でドアが閉じられると、車掌に扮した保存会のメンバーが無線で保線係に安全確認。続いて運転台に付いているブザーを押して発車の合図。エンジンが軽く唸りを上げるとすぐにクラッチを切る前のめり感がカラダに伝わり1速から2速へシフトアップ。さらに若干加速するとクラッチが切られ、3速へシフトアップ。その感覚はバスそのものだ。そうこうしているうちに、駅構内の終端、車両止めが見る見る近づいてきて、車体は減速、そして停止。惰行して空気ブレーキで止まる走行感覚は、今度は鉄道。なんとも不思議な乗り物だ。進行方向が変わるため運転士が移動し、再び無線で安全確認をして、来た方向へと戻る。今度はホームの向かい側にある車庫前まで進む。そこから引き返して再び駅の終端へ。さらに方向転換し、乗車したホームに戻って、体験乗車はおしまい。3回の方向転換を含め、840mの試乗コースの所要時間は約7分だ。

画像 おもしろい。レールバスは、博物館に展示されたキハ03を見たことはあるが、動くのを見たのはもちろん初めて。こういう車両が存在し、人の暮らしを運んでいたという一つの郷土史を、こういう形で残すことはものすごく意味のあることだと思う。マニア的関心は別にしても、鉄道施設や車両は、貴重な産業遺産であり、文化遺産であるのだ。こういうのを見ると、やはり機械は動く状態で保存して、実際に動かして見せるのが最良の展示方法だと強く思う。車両の運転は南部縦貫鉄道のOBに委託しているとのことだが、車掌役や来場者の交通整理、線路上に危険が無いかを監視する運転管理者(線路上に人が入り込んで轢かれでもしたらシャレにならんことになるから、この役割はものすごく重要なのだ)、そして車両の整備などを行っているのは「南部縦貫レールバス愛好会」のメンバーたち。聞けば、ほとんどが首都圏の鉄道ファンなのだという。本州東端の青森県とは言え、首都圏から地続きになっている地の利は、こういう活動には大変有利だろう。海を越えて行かなければならないのと、列車の乗り継ぎや、頑張ればクルマでもたどり着けるのとでは、行きやすさ、集まりやすさは段違いだ。体験乗車の「乗客」が購入する会員証とグッズの売上が活動資金だそうだが、こういう活動がこれからも長く続いてほしいな、と思う。

 一方で、南部縦貫鉄道が運行休止、そして廃止に至った経緯も知りたくなった。乗客減による赤字、というのは誰でも想像はつくが、ではそれに対してどんなコスト削減が行われたのか。このレールバスの運行コストは、一見するだけなら一般気動車に比べれば相当低く見える。それでも、「鉄道車両」と位置づけられている限り、定期的な「車検」のたびに何十万、何百万もかかるなど、国の規制によってコストダウンが阻まれるということは相当程度あっただろう。また、タブレット閉塞で運行されていたようだが、そのためには閉塞起点となる駅には駅員を配置しなくてはならない。自動閉塞を導入して駅を無人化することはできなかったのか? また、全線を一閉塞区間にして、車両一両による単純往復(20.9キロだから、1時間に1本程度は運行できただろう)は検討されなかったのか? 知りたいことはいっぱいある。こうした問いへの答えは、赤字に悩む全国の地方鉄道の存続を考えるための、貴重な材料になるはずだ。事情を知っている方、記録や記憶が散逸してしまう前に、ぜひどこかに発表してください。

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イベント来場者に渡される案内チラシ。オモテ・ウラ。
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南部縦貫レールバス愛好会
南部縦貫レールバス愛好会・公式ブログ
追憶の線路を求めて 〜レールバスとあそぼう! 想い出の南部縦貫鉄道編〜
たびてつ〜南部縦貫鉄道 レールバス復活運転
旅の蔵〜レールバスとあそぼう 2010

▼YouTubeを検索したら、1997年当時の貴重な動画が出てきた。










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