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zoom RSS 参院選の結果は、民主党への「退場宣告」だ

<<   作成日時 : 2010/07/13 23:00   >>

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 「選挙によって、これだけはっきりと民意が示されたにもかかわらず、総理を続けるということは、選挙による国民の審判は何の意味があるのか。意味が無いのではないか」。

 参院選での敗北が明白になった直後、中継画面に現れた総理に、キャスターがこう迫った。 総理が、暗記したメモを読み上げるかのように答える。「選挙の結果を厳粛に受け止めながら、国民の声に耳を傾け、協議すべきは協議しながら国づくりを進めていかなければならないと思う」。 総理は安倍晋三、問いかけるキャスターは筑紫哲也。2007年7月29日の参院選挙の夜のことだ。

 与党・民主党の大敗から2日が経ち、今後の国会運営・政策実現の困難さが繰り返し報じられる中で、3年前のこのやりとりを、改めて聞き返してみた。「私たちが今までやってきたこと、これからやろうとしていることを訴えてきた。この選挙において国民はこのような審判をしたが、私たちが進めてきた基本路線については多くの国民において理解いただいていると思う。今後はこうした結果を謙虚に受け止めながら責任を果たしていかなければならないと思う」。やっとのことでこう答える安倍晋三の姿が、私には管直人にだぶって見えてしまった。

 与党が負けたのに、総理は辞めない。参院選挙は政権選択選挙ではないという居直り。この点で、安倍と管は見事な相似形にあると、私は思う。筑紫哲也が生きていたら、安倍に対するのと同じように、管直人に厳しく退陣を迫っただろうか。

 どういうわけか、3年前のような声高な総理退陣論は、今回は聞こえてこない。朝日新聞は、「(参院敗北による首相交替)は腰を据えた政策の遂行を妨げ、国際社会での存在感を著しく損なってきた。もう卒業すべきだ」と、随分と「優しい」社説を掲げている。さらに、選挙後に行った世論調査では、73%が「首相辞任は必要ない」と答えたのだとか。

 同じ「与党敗北」でも、その「負け方」に大きな違いがあるという言い方は、一応はできる。3年前の選挙で自民党は改選前から27議席を失ったのに比べ、今回の民主党が失ったのは10議席だ。しかも比例区では民主党の得票が上回り、第一党の座もかろうじて保った。前回の選挙結果は自民党へのレッドカード、今回は民主党へのイエローカード、という見方は、数の上からは成り立つだろう。

 安倍晋三が10ヶ月間総理をやっていたのに対し、管は1か月ちょっっとしか在任していないから辞任論が広がないかと言うと、そういうわけでもない。1989年7月の参院選挙のとき、当時の宇野宗佑総理は惨敗の責任を取らされ、就任69日で総理の座を降りた。このとき自民党が失ったのは、33議席だった。今回、与党敗北を受けての総理退陣論が、3年前のように広がらないのは、そういう「負け方」のひどさ加減があるからなのは明らかだ。

 だが、スポーツに例えるなら、1-0も10-0も負けは負けだ。負けた側には重い敗戦責任がのしかかることに変わりはない。与党が参院で過半数を失い、衆院で3分の2を持たない以上、民主党の政策実現は風前の灯火だ。やろうとするなら、野党の要求を丸飲みしてでも法案を通すしか、方法がない。そうなれば、民主党内閣は死に体内閣と化す。参院で過半数を与えないということは、与党に対する退場宣告に等しく、その意味で参院選は、衆院選と同等の効力を持つ「政権選択選挙」であるのだ。

 わずか2年弱(衆院選・参院選の平均間隔)で国民の審判とは短すぎるじゃないか、という意見はとりあえず置いておくにして、民主党にこれだけ厳しい審判を突きつけておきながら、国民の多くが「管総理は辞める必要が無い」と答えるというノーテンキさは、はっきり言って理解を越えている(朝日新聞以外の調査でも似たような結果が出ている)。一方で退場宣告、一方で続投支持という支離滅裂ぶりは、この国の国民は、気分でテキトーに投票したり世論調査に答えるだけで、選挙結果がもたらす政治停滞の重大さを何も考えていないのではないか、と思えて来る。

 比例代表では民主党が自民党の得票を上回ったように、国民は民主党を完全に見捨てたわけではないのだろう。しかし、憲法が定める国会制度は厳格だ。参院で過半数を持たない民主党は、原案のままでは何一つ通すことができない。野党がガチンコでぶつかって来れば、何も決められない政治の停滞という、自民党末期の惨状が再現されるだろう。そのとき世論は、民主党や管政権に対し、どのようなカードを突きつけるのか。政権の不安定化は、誰も望むはずはないのだが、選挙で示された民意が「退場宣告」であり、野党の目的が政策実現ではなく「政権奪回」にある以上、 それは仕方のないことなのだろう。「民度以上の政治は無い」のだ

 参院惨敗が判明した後、すかさず続投宣言した安倍晋三は、そのわずか2か月後に、何もかも嫌になって政権を放り出してしまった。あの光景が再来する可能性は低くはないと、私は見ている。 混沌とした、何一つ前に進まない政局の季節が、当分続く。





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