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zoom RSS 山岳救助でのヘリ運航がどれだけ危険か

<<   作成日時 : 2010/08/02 23:00   >>

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 下に貼り付けた映像を見ていただきたい。これは、きょうの北海道内ニュースで放送された、日高山系ヌカビラ岳でのヘリにより救助活動の様子だ。高さ100メートルはあろうかという谷間にヘリが降下してホバリング(空中停止)し、要救助者を次々とホイストで吊り上げて機内に収容している。ヘリの地上高度は15〜20メートル程度だろうか。谷間の沢筋なので広い空間があるわけがなく、ヘリは、メインローター(主回転翼)が今にも立木に接触しそうなほどの場所にホバリングしている。突風にあおられでもしたら、ヒヤッとする事態になるだろう。パイロットは、風向・風速を読み取り、機体が風に流されないよう、舵やエンジン出力を細心の注意で調整しているはずだ。固定翼と異なるヘリの最大の特徴は空中で停止できることだが、一点に機体を静止したままにしておくためには、高度な操縦技術が必要になる。山岳地帯での、ヘリの救助活動がどれほど危険を伴うものであるかが、よくわかると思う。

 埼玉県秩父市の沢で、先月25日に起きた防災ヘリの墜落事故は、5人が死亡する大惨事となった。その後、現地に向かった日本テレビ記者の遭難死事故もあったため、さらに注目を集めることになったこの墜落事故だが、そもそも、山岳での救助活動は危険と隣り合わせであることを、よく理解しておく必要があると思う。突風の恐怖と、迫りくる山肌の中でヘリを降下させ、そこでホバリングさせることは、どんなベテランパイロットでも、危険が伴う。危険と判断すれば引き返しを決断するのもパイロットの重要な役割だが、すぐ下に助けを待つ要救助者がいる中で、教科書通りの決断が非常に難しいことにもまた、想像力が及ばなくてはならないだろう。

 要救助の事態に陥らないのが一番だが、不幸にしてそうなってしまった場合、危険を承知で現場に向かってくれる救助隊に、感謝するしかない。

画像  ちなみに、この日ヌカビラ岳に出動したのは、北海道の防災ヘリ「はまなす2号」(JA6775・ベル412EP)だった。北海道防災航空室に所属し、運航は朝日航洋に民間委託、同乗する救助員は道内各自治体の消防本部から出向した消防隊員で編成されている。北海道内での山岳救助の出動優先は、おおむね「防災ヘリ」「道警ヘリ」「自衛隊ヘリ(知事の要請があった場合)」となっており、山での救助活動で最も見かける機会が多いのが、JA6775だ。


■埼玉県防災ヘリの墜落事故は「セットリング・ウィズ・パワー」ではないかと言われているが・・・
 ところで、埼玉県防災ヘリの墜落事故原因は「セットリング・ウィズ・パワー」ではないかと、あちこちの新聞に出ている。原因調査がようやく始まったばかりで、調査官の現場入りすらできていないというのに、こういう専門用語が報道に出てくるとは、相変わらずの「飛ばし」傾向だと思う。
 この「セットリング・ウィズ・パワー」という聞きなれない現象については、西川渉氏「航空の現代」2000年6月4日付の「パワーセットリングの解明」で、ある程度まとまって説明されている。これによれば、「セットリング・ウィズ・パワー」(または、「パワー・セットリング」)というのは英語または米語を話すパイロットたちの俗語だそうで、正式な航空用語では「ボルテックス・リング・ステート」(渦輪状態)と言うのだそうだ(そんな俗語を、どこの記者が聞きつけてきたんだか)。この「渦輪状態」は空力学の教科書にちゃんと出ており、降下率・降下角度・降下速度などから「こういう場合は危険」という図式まであるのだという。最近のヘリは、設計上この渦輪状態に陥る危険性は少なくなったようだが、救助任務に従事するパイロットがこういうことを知らないとは考えにくい。事故原因がそれだとしても、どういう理由と経過で渦輪状態に入ったのかがきちんと解明されなければ、再発防止のための教訓は得られないだろう。北海道福島町でのセスナ機(JA3902)墜落事故と同様、搭乗者が死亡し、CVR・FDRが搭載されていない以上、それは非常に困難なことではあろうが。







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