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zoom RSS 「F-XはF-35に決定」との情報操作記事〜またしても疑惑の選定が繰り返される

<<   作成日時 : 2011/12/13 16:54   >>

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画像 午後のニュース速報を見て、びっくり仰天した。「次期戦闘機、F-35で決定」とある。例によって、ニュースの出元は「政府は」となっており、ソースを明示しないリーク記事だ。報道の世界ではこれを”ヌキ”とか”特ダネ”とか言うが、当局のスピンコントロールに加担する形でこんな記事が飛び交うこと自体が、そもそもおかしい。

 きのうから各メディアが報じているとおり、F-X(次期戦闘機)は防衛省内の機種選定調整会議と政務三役会議を経て、16日に開かれる安全保障会議(議長=野田総理)で正式決定となる。きょうの段階で「F-35に決定」とメディアに出るということは、機種選定調整会議に上程される機種案か、同会議の決定が「F-35」だったということだろう。政務三役会議と安全保障会議は調整会議の決定を追認するだけなので事実上の決定、ということなのだろう。だが、どのレベルの決定なのかも情報ソースも明示していないこの記事を読む限り、正式決定前にメディアに情報を流して外堀を埋めてしまおうという、空自あるいは防衛省筋の情報操作のニオイがプンプンする。ネットで各紙のサイトを見る限り、このネタ蒔きに乗ったのが朝日新聞北海道新聞(共同通信)。てっきり二紙の「抜き」かと思っていたら、この日の読売朝刊にデカデカと出ていた。朝日や共同は、読売を追いかけて午後になって出してきた、ということのようだ。いずれ発表されることをどこが最初に書くかなんて、あまり意味はないのだが。

画像 予想できたこととは言え、あーあ、やっぱりこうなっちゃうんだな、というのが第一報を見ての感想。メディアも、防衛省も。F-35という高級オモチャがどうしても欲しいと駄々をこねてる側のプロパガンダに乗っかって、どうしてこういう記事を無批判に書けてしまうのだろうと、まず思う。

 F-XとしてのF-35の問題点は多くの人が指摘しているし、当ブログでも書いてきた。だから私は、「F-35を選定するために、状況が整うまで結論は先送りされるだろう」と予想した。なので、現時点で、あれだけダメなF-35をわざわざ選ぶことは、意外でもある。実機の完成も引渡し時期も不明、価格も不明、そして国内の防衛産業への貢献と製造技術の伝承はまず絶望的。ただただ「高性能」なだけ、それもカタログスペックだけで、実際に「高性能」かどうかは実機が完成していないのでわからない。そういう戦闘機に莫大な税金を投入しようと決断するなんて、結局のところ防衛省の役人も自衛隊の高級幹部も「安全保障の素人」じゃないか、と思う。

 きょうのリーク報道、もっと深読みをすれば、こんな見立ても成り立つ。一川防衛大臣、あるいは官邸サイドは、自らの政治決断として、「F-35以外」を選定する腹づもりだったのではないか。それが側近から防衛省内や空自幹部に漏れ、どうしてもF-35を買いたい空自側がその動きを封じるために「F-35で決定」と情報を流したのではないか・・・。

 今回の報道が安全保障会議の決定を正確に前打ちしたものであるか否かは、16日夜にはわかる。土壇場でどんでん返しがあるのか、粛々と「F-35採用」のプロセスが進められて行くのか(たぶん後者だろう)。いずれにせよ、メディアが声を揃えて再三求めていた「選定プロセスの透明性の確保」とはほど遠い、「疑惑の選定」となることは間違いない。

次期戦闘機はF35、政府決定へ 12年度予算で4機取得
 政府は13日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に、米国主導で国際共同開発中の最新鋭ステルス戦闘機F35を選定する方針を固めた。16日に安全保障会議(議長・野田佳彦首相)で正式決定し、2012年度予算案に4機分の取得費を計上。最終的に約40機(2飛行隊分)を取得する。
 F35は候補の3機種のうち、レーダーに探知されにくいステルス性能を備えた唯一の次世代(第5世代)戦闘機で、最新のレーダーや僚機と情報共有する「データリンクシステム」を備えている。性能面で最有力視されたが、開発が遅れ、空自が求める16年度中の納入が不安視されていた。(12/13 10:33)

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次期戦闘機、F35選定で最終調整 米ロッキード社製
 防衛省は航空自衛隊が導入する次期戦闘機(FX)について、米ロッキード・マーチン社が製造主体の「F35」を選定する方向で最終調整に入った。近く省内手続きを終えて一川保夫防衛相が最終決定するとともに、14日にも野田佳彦首相に報告する方針だ。
 選定作業ではF35に加え、米ボーイング社製の「FA18」、英BAEシステムズ社などによる「ユーロファイター」の3機種が最終候補になっていた。防衛省は(1)コックピットの操作性など性能面(2)メンテナンス面(3)価格(4)機体を国内生産できる割合――を細かく点数化。「性能重視ということに尽きる」(一川氏)という観点から、配点の多い性能面で高得点のF35が最有力になった。
 性能面でF35はレーダーに映りにくいステルス性を備えた最新鋭の「第5世代機」であるとともに、高い運動性が重視された。電子戦や、地上や海上のレーダー情報と連動するネットワーク中心の作戦に適している点も高い評価を得た。

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産経新聞はきょう未明にこんな記事を配信し、F-35の開発が遅れ米軍での運用開始もできない状況を伝え、「日本政府がFXを選定するのは事実上不可能」としている。こういう中で、敢えて今「F-35に決定」というリークが飛び交うこと自体が、理解に苦しむ。



F35開発延長 FX選定見直し必至 空白埋める代替案必要
 【ワシントン=佐々木類】米国防総省がF35の調達計画を2年延長させる見通しとなり、大詰めを迎えた航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の選定作業の見直しが必至だ。米統合参謀本部副議長らがメンバーである国防調達委員会(DAB)の結果を見極めないまま、日本が年内に結論を出すことは「無計画のそしりを免れない」(日本の防衛産業関係者)ためだ。
 DABは、国防予算を管理するナン・マッカーディ法の規定で設置が義務付けられており、連邦議会には当初予算比25%以上増額した計画を中止にできる権限がある。DABは来年1月の会議で、F35の2年間の開発延長を決める見通し。
 これを受け、国防総省が2月、統合執行運営会議を開くとともに、米空軍、海軍、海兵隊が初期運用能力を決定、実戦配備を進めていく段取りだ。こうした米国の運用見直しを待たずに日本政府がFXを選定するのは事実上不可能だ。
 米シンクタンク、新アメリカ安全保障センターのクローニン上級顧問は「米国側に不確定要素が増しており、日本のF35選定後、価格高騰や遅延が判明すれば、野田政権の選定責任が浮上する」と語っている。
 日本側には、仮にF35を選定する場合、(1)DABの結果を見極めるためにFX選定を延期する(2)F35を選定した上で、(3年間近く生じる)実戦配備までの力の空白を埋めるための措置をとる−という代替案としての“プランB”の策定が不可欠となってくる。
 FX候補でもある米海軍の主力戦闘攻撃機FA18について、飛行隊長を務めたフィル・ミルズ氏は「第5世代というビジネス用語を戦闘機に持ち込むことから最新型のFA18に旧式という誤解が生じる」と指摘。欧州4カ国で共同開発したユーロファイターの英BAEシステムズは「制空能力に加え攻撃力もあり、F35に引けをとらない」と強調する。
 米軍はF35について「主力戦闘機として他に選択肢はない」(パネッタ国防長官)との立場。日本にも将来的な配備は不可欠だが、延期で生じる空白をどう埋めていくかが焦点だ。(2011.12.13 01:59)


 NHKは「今の段階で特定の機種が決まっているということではない」という一川防衛大臣の談話を伝え、「「F35」が、最も有力だという見方が強まっています」と抑えた表現にしている。朝日や北海道新聞(共同通信)が「スクープ」を飛ばした後に放送されたニュースだから、「F-35で決定」とのウラは取れないのだろう。
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