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zoom RSS 大事なお得意様には道理が引っ込む、商売では当たり前の話である

<<   作成日時 : 2012/04/19 09:00   >>

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石原慎太郎の中国嫌い、中国人蔑視は今に始まったことではないし、石原が中国や日中関係でどんな挑発的言動を取ろうとも、驚くべきものではない。それで満足する人もいるだろうし、それがまさに石原人気の源泉でもあるのはわかる。国内の不満を晴らすために外に向けて強く出ようとするのは、いつの時代、どんな指導者も同じである。

だが、ここは冷静に見なくてはならない。いまや中国は、日本にとって最大の貿易相手国である。膨大な数の日本企業が中国に進出し、何万人もの日本人が中国で暮らし、中国からモノを買い、中国でモノを作り、中国で売っている。広大な国土と巨大な人口を持ち、日本とも比較的距離が近い中国は、商売相手として世界中のどの国よりも魅力的なのだ。

だから、日本政府がこれまで、領土問題でことさらに中国を刺激せず、静観を通してきたことが間違いだったとは、私は思わない。尖閣諸島に関する中国の主張がどんなに無理筋であっても、である。政治と経済が直結する中国では、政府の胸先三寸で簡単に経済活動を制限できてしまうからだ。大事なお得意様には道理が引っ込む、商売の世界では当たり前の話である。

もちろん、なんでも無理を聞くわけではなく、いま現在日本が実効支配し、中国による侵攻奪取が原理的に不可能であるからこそ、そこに灯台を立てたり警備隊を置いたり海底資源を開発することは政治的に避けてきたわけだ。自国領である尖閣諸島を自由に使用できないのは国民からすれば面白くないが、中国を相手に商売をすることから得られるベネフィットと比較考慮すれば、それをアクセプタブルとする判断は、国民に対して説明不足は否めないにせよ、十分な妥当性を有していたと私は思う。

「あんな無茶を言う相手とは付き合うな!」
「そうは言っても、いい収益をいただいてるんだから、それくらい我慢しましょう」

商売をやっていればこんなことは、数え切れないくらい経験するだろう。

商売とは言え、ワガクニは客の無理を聞き過ぎだ! どれだけ頭を下げればいいんだ! 国民がそういう思いを抱く気持ちはわかる。しかし残念ながら日本は、アメリカのように軍事力で相手を恫喝できるわけではなく、ロシアのように広大な国土があるわけでもなく、中東諸国のように石油資源があるわけでもなく、フランスのようち核兵器で周囲に睨みを効かせれるわけでもない。加えて、敗戦国であるという理由で軍備も国際政治上の地位も制限されてきた。こうした圧倒的に不利な条件の中でも経済大国として成長できたのは、商売優先、そのためならかなりの無理筋も聞き入れる、そういう姿勢でやってきたからである。戦後半世紀以上にわたり、一度も外国に銃を向けることなく、他国で人を殺さずに、これだけの経済的地位を確保できたことを私たちは誇るべきだし、その背景にあった、他国を不要に刺激しない、関係維持のためにはある程度の道理は引っ込めるという外交姿勢に思いを致すべきだと思う。

だが、石原慎太郎にこういう理屈は永久に理解できない。カウボーイ気取りの石原は、日本が強行に道理を通して国民がスカッとすればそれでよく、それによってどんな経済的不利益がもたらされようとも、眼中になかろう。比較考慮という言葉そのものが石原の辞書にはないし、そもそも石原は、中国での経済活動など一切手を引き、経済関係を断交しても構わないと考えているフシがある。少子高齢化で国内市場が縮小する中、中国の巨大市場に活路を見出そうとする企業人のことなど、石原は金輪際考えないようだ。石原は企業経営者ではないし、選挙で石原を支持する人たちの大半は、中国ビジネスから直接的恩恵は受けていない人たちだからだ。選挙で都知事に選ばれている以上、それはどうしようもない。

しかし、都民の税金を使い、全国から寄付を募ってまで、中国との商売をやりにくくしようというのであれば、話は別だ。東京都にそんな権限も資格もないし、それは都知事や都議会が判断できることでもない。

中国とはどんな相手なのか。国民一人一人が冷静に考えるべき時期だと思う。石原の唯一の功績は、そういう議論を提起したことである。





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誰が見ても自分のモノにわざわざ看板を立てるアホらしさ
 誰が見ても明らかな自分のモノを、ことさらに外に向けて「これは自分のモノだ」と言いたてる必要がないという理屈は、第三者がそれを盗んだり奪ったりすることが不可能かつ、それをやると確実に割に合わぬほどのペナルティを受ける、という前提が成り立つ限りにおいて、筋の通る理屈ではあろうと思う。たとえば、自己の所有管理する家屋敷に「これはオレの家」とわざわざ看板など立てなくても、適切に管理をしていれば、他人に乗っ取られる心配はしなくていい。 ...続きを見る
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2012/04/19 14:34

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