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zoom RSS 北朝鮮ロケットを「ミサイル」と呼び脅威を煽った日本メディア

<<   作成日時 : 2012/04/13 18:00   >>

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 ついに北朝鮮が、ミサイルなる飛翔体の発射を強行した。しかし打ち上げは失敗。報道によると、飛翔体は打ち上げ後1分ほどでバラバラになり、黄海に沈んだ。韓国政府の予測によれば、打ち上げに要した費用は8億5000万ドルで、これは北朝鮮国民の一年分の食料を買える額だそうだ。

 ところで、今回のこの飛翔体の発射で、前から気になっていたことがある。日本のテレビや新聞は、なぜ「ロケット」ではなく「ミサイル」と呼ぶのか。試しに海外メディアの記事をざっと見て見たが、英語で書かれた記事は例外なく、rocketまたはlong-range rocketという言葉を使っている。たとえばAP通信の記事は、今回の発射がミサイル技術をテストするための挑発的行為だとする米韓政府の見方を伝えつつも、記事自体はロケットという表現で通しており、発射されたものがミサイルだったとは一言も言っていない。他の英語メディアも、ほぼ同じトーン。

 日本のメディアが「北朝鮮が人工衛星と称するミサイル」などというまわりくどい表現をわざわざ使い、飛翔体がミサイルであるとの断定表現で通すのは、日本政府がアレをミサイルと呼んでいるので、それに合わせているだけで、深い意味はないのだろう。しかし、ミサイルという言葉を使うのはアメリカ政府も同じだ。にもかかわらず、メディアはロケットと呼んでいる。北朝鮮の飛翔体の実体、作用、脅威の度合い、言葉の影響力を総合的に考慮した結果なのだろう。

 言うまでもなく、メディアは政府の広報機関ではないし、そうあってはならない。政府のワーディングをメディアがそのまま採用する必要性は皆無であり(「被疑者」「容疑者」のように、行政用語とメディア用語が異なる例はいくらでもある)、自分たちの価値観と受け手への影響力を慎重に考慮して適切な言葉を選ぶのは、メディアが本来的に持つ役割と責任である。それなのに、政府と調子を合わせてミサイルと連呼するのでは、メディアが政府と一体になって危機感を煽っていると批判されてもしょうがない。

 恐らく、日本メディアの記者たちはもちろん、デスクや編集幹部のほとんども、危機感を煽ってやろうなどという意識は皆無だろう。しかし、彼らの報じる事実の一つ一つ、ワーディングの一つ一つが、根拠なき架空の脅威への恐怖心を高める方向へと作用してきていることは間違いない。無意識のうちに、世の中が望まぬ方向へ転がっていくことほど、怖いことはない。【つづく





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まるで戦時体制ゴッコ
 まるで戦時体制じゃないか、と思う。北朝鮮が発射するミサイルが落下する可能性があるという、沖縄の話だ。自衛隊がイージス護衛艦や迎撃ミサイル部隊を展開し、ミサイルが発射された場合、子どもたちは屋内退避。沖縄への修学旅行も中止する学校が現れ、観光客も激減しているのだそうだ。 ...続きを見る
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2012/04/13 20:50

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内 容 ニックネーム/日時
ミサイルと呼ぶ情報統制(プロパガンダ?)のおかげで、政府は「望まれる」形で、パトリオットを沖縄諸島に持ち込むことに成功しました。
挙げ句の果てにロケット発射に失敗しているので、政府は「北朝鮮さまさま」でしょう。
普天間のこじれた問題も、ほつれると良いのですが。
皮算用
2012/04/13 19:03

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