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zoom RSS 我慢しても何も良いことがない社会〜”新型うつ”の背景を考えた

<<   作成日時 : 2012/06/26 13:10   >>

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 「新型うつ」の特集が、メディアで大流行だ。一月ほど前にNHKスペシャルが取り上げたのがきっかけのようで、2週間前にはAERAが特集。Googleで「新型うつ」と検索すれば、関連するメディア記事やブログがわんさと出て来る。

 中でも気になったのが、現代ビジネスの特集記事(オリジナルは「週刊現代」らしい)。「つらいことに直面したら逃げる、自分の利益を最優先する---易きに流れる人々が蔓延してることこそが新型うつの最大の原因であり、問題ではないか」という結びの一節が、ひどく引っかかった。

 そりゃ、そうだろうな、と思う。昔は、辛いことでも我慢して働いていれば、多くの人は明るい将来を見通すことができた。賃金は年功序列で上がり、定年まで勤めれば、まずまずの退職金と年金支給。少なくとも多くの労働者が、そういう将来を期待することはできた。病気で長期休職などしようものなら、人事考課や勤続年数から昇進昇級や退職金の金額にも影響してくるから、決してトクなことはない。1990年代前半くらいまでは、そんな時代だっただろう。

 それから20年が経ち、今はどうだろう。どんなに真面目に働いていても、いつクビになるか、賃金を下げられるか、会社が倒産するかはわからない世の中になってしまった。セーフティネットはまともに機能しないことも、派遣切りやネットカフェ難民が注目されたときに、いやと言うほど見せつけられた。我慢して働いたところで明るい将来はまったく見通せない。そういう様子を見せつけられながら育ったのが、今の20代〜30代前半だ。だったら、我慢なんかするだけ損、と思う者が出てくるのはごくごく真っ当なことじゃないかと、私は思う。

 「現代」の記事は、「つらいことに直面したら逃げる、自分の利益を最優先する」人々の蔓延が「新型うつの最大の原因」と述べているが、「つらいことから逃げる」ことと「自分の利益を最優先する」こととは、イコールにならない。ついらいことを我慢して働くことが「自分の利益を最優先する」ことにつながるという了解があれば、つらいことにも立ち向かうという選択肢が成立するのだ。かつての経済成長の時代は、むしろそれが「妥当な選択」であっただろう。

 資本主義は、誰もが「自分の利益を最優先」に行動することが社会全体の利益に結びつく、という仮定の上に成り立つ制度だ。社会が国民に、我慢して働いた結果得られる「明るい将来」という「利益」を提示できなくなったいま、「新型うつ」と呼ばれる若者が増えることは、十分にReasonabe(妥当)でExplainable(説明可能)な事象ではないかと思う。





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