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zoom RSS 大道芸「投げ銭」の相場について

<<   作成日時 : 2013/03/03 23:00   >>

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画像 子どもたちを連れて、久しぶりに横浜に行ってきた。みなとみらいにある「横浜みなと博物館」を見学して、大道芸を見て帰って来るのが、いつものコース。この日もそうした。

 午後4時すぎ、ランドマークタワー下のグランモール公園円形広場に行くと、やってるやってる・・・炎が燃えたぎる松明をぶん投げるジャグリング、クライマックスは高さ3メートルはあろうかという一輪車に乗って、松明と短剣をジャグリングしながらリンゴを食べて見せる。最後は短剣の先にリンゴを突き刺してフィナーレ。大道芸に特別詳しいわけではないのだが、あのアクロバティックさは、見事な技術であり、芸術の領域だ。相当な訓練、修練を積んでのことだろう、とは思う。

 さて・・・見終えていつも軽く悩んでしまうのが、パフォーマー(大道芸人)への「投げ銭」をどうするか、ということ。もちろん、パフォーマンスを見て楽しんだなら現金を置いて行くのがマナー、というくらいのことはわかっている。問題は、金額をいくらにするか。

 大道芸文化が発達しているヨーロッパとは異なり、日本では、投げ銭という習慣すら知らない人が少なくないらしい。だからなのか、パフォーマンスの途中で芸人は、「最後にお金を置いて行ってください」ということを、けっこうあからさまに言う。この日私たちが見たのはイギリス人のポール氏だったが、達者な日本語で、こんなことを言っていた。

 「ボクのパフォーマンス見て、良いと思ったら、ぜひ皆さんの気持ち、置いて行ってくださいね。気持ちというのは、現金ですよ。これ、ボクの仕事、これで生活してます。だから、折りたためる、紙でできているヤツね。アメリカでもイギリスでも、お金と言うのは紙でできてますからね。5円玉とか1円玉ぱっかりだと、重たくて持って帰る袋の底が抜けちゃうからね。それにアルミの1円玉だとボク金属アレルギーだし・・・」

 折りたためる紙の現金、つまり1000円以上払ってくれ、というのが彼の「言い値」である。そこで、こんな計算をしてみる。1回約30分のパフォーマンス(私たちは途中から見たが)。時間は短いが、かなり危険なこともやるし、ケガでもしたら治療費がかかるし、完治するまで稼ぎがなくなる。あれだけのパフォーマンスを遂行するだけの技量を維持する練習時間、ケガなどのリスクまで考えたら、1回3万円くらいは欲しいだろうな。大道芸だけで生計を維持するとするなら、土日で1回3万円のパフォーマンスを3回やって9万円、週末が4回あるとして9×4=36万円くらいの収入がないと、生活費や諸々の経費を捻出するのが厳しいだろう。そこまで考えて、観衆を見回してみる。見た感じざっと100人。3人に1人が1000円払ってくれれば3万3000円。ファミリーなら1組で1000円、カップルなら2人で1000円払ってくれても、だいたい3万円になるだろう。そこまで計算すると、「言い値=1000円」というのは、根拠を欠いたボッタクリとは言えないだろう。

 が、逆の立場になって、自分にとって1000円の価値があるかどうか、となるとかなり微妙。この日は途中から見た、ということもあるし、そもそも大道芸を見る動機が、通りかかったらやっていた、面白そうだから腰を下ろして見て楽しんだ、その程度だ。私は、音楽の生演奏(ライブ)は大好きだが、サーカス系のパフォーミングアーツに音楽ほどの高い関心はない(大道芸が音楽ライブより劣位だと言ってるんじゃないぞ)。そのアーティストが好きでスケジュールを調べてライブに出掛けたというのとは本質的に異なる・・・そういうたぐいのショーの料金として1000円が妥当か。新書一冊分(約800円)以上の価値があるか。ちょっと豪華なランチと等価と言えるか。私の中では・・・そうではない。仮に、集金係がいて観衆から1000円ずつ集めて回っていたらどうだろう。そこまでして見ないよ、と即座に立ち上がって観覧を中止すると思う。

 もちろん、1000円の価値があると思う人は払えばいいし、「1000円の価値はないから見ない」と立ち去るのも、アリだと思う。けれども、大道芸というのは、公共の場で誰でも見て楽しむことができるはずのものだ。「投げ銭」はそれを見た観衆が各々の支払能力、価値観、金銭感覚に応じて行えば良いもので、何も支払わずに立ち去っても責められる筋のものではあるまい。「観衆による値づけ」と「芸人の値づけ」にギャップが生じるのはその性質上どうしようもなく、見た後に任意で鑑賞料金を支払うという大道芸は、観衆に有利な仕組みである。芸人当事者が「グループあたり1000円は払ってくれないと生活できません」と言いたい気持ちはわかるが、芸人の言い値を払う人しか見てはいけない、見るべきではない、というモラルや不文律が支配するようになってしまったら、それはそれでずいぶんつまらないことになってしまうだろう。だから、演じるアーティスト自身が、観衆が支払うべき金銭についてあからさまに言及することは、決してスマートだとは思わない。

 ちなみにこの日、私はどうしたかと言うと・・・サイフから100円玉を複数枚取り出して、2人の子どもたちに持たせて投げ銭させた。金額は、書きません。相場観が形成されるのに手を貸すのは嫌なので。
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大道芸人たちの技術レベルの高さは、完全にアートのレベル。アーティストたちが、「相応の報酬」を期待する気持ちはよくわかるのだが・・・。
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500円札を復活させてほしい!
 前項でも書いた大道芸人のポール氏だが、「イギリスでもアメリカでもお金というのは紙でできています。みなさんの気持ちを、ぜひ紙で、置いていってくださいね!」と言っていたのには、ちょっと苦笑いしてしまった。(本人としても、笑いのネタで言っているつもりなのかも知れないけれど) ...続きを見る
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2013/03/06 19:22

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お子様と見たのですよね?
とすると家族3〜4人で千円は決して高いお金ではありません。ひとり頭250円ですよ。

なんやかんや理屈をおっしゃっていますが、結局のところはケチケチ根性が根っこにあるような気がしてなりません…。
うーん
2017/07/22 20:48
色々理由つけて1000円払いたくないだけだろ。
ポールは、そうはいうものの小銭でも喜んでもらってくれるし、何より小銭だから子供に投げ銭に行かせること自体、大人として恥ずかしい。
べんぞう
2017/10/08 16:10

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