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zoom RSS JR北海道という会社

<<   作成日時 : 2013/07/12 23:00   >>

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 意外と知られていないが、JR北海道という会社は、企業体として相当に特殊である。

 何が特殊かと言うと、その収益体質だ。

 同社は、連結ベースで約1800億円(2012年度)の売上がある、北海道屈指の企業グループである。ただしこれは、不動産事業等、諸々の子会社、関連会社、の売上を含めたグループ全体の数字。鉄道事業と旅行業を行う本体会社の売り上げは、半分ちょっとの821億円。ここまでは普通だが、特殊なのはその中身だ。

 鉄道事業による収入は776億円なのに、1112億円の営業費用がかかっている(2012年度)。1対1.43。100円稼ぐのに143円の費用がかかるという、べらぼうな赤字体質なのだ。それでも、本体で13億円、グループ全体で40億円の最終利益を出せているカラクリが、国鉄から分割民営化される際に国から手切れ金として渡された6900億円という巨額の経営安定基金の運用益である。これにより2012年度は、鉄道事業収入の4割にも相当する311億円の営業外収益を稼ぎ出し、鉄道以外の事業から得られる若干の利益も足し合わせて、トータルで黒字にしているのだ。

 つまりJR北海道は、本業である鉄道事業での黒字化の見通しが未来永劫見通せず、べらぼうな赤字を出し続けるにもかかわらず、それで経営が傾く恐れは皆無で、国の手切れ金を元手に本業収入の半分に迫るほどの不労所得を得ているという、民間企業としては到底あり得ないような、特殊な事業体なのである。どんなに赤字をこいても、経営は安泰。給料が極端に下がったり遅配になるような心配はしなくていい。そういう企業において、社員のモラルやメンタリティがどのようになるか、想像してみてほしい。

 もちろん、この会社にも素晴らしい技術者や営業マンがいるし、厳しい気象条件や線形の中で高速化を実現し、日本最速のディーゼル特急を実現した、誇るべき技術と伝統があることは知っている。しかし悲しいことに、どんなに技術の粋を集め、どんな優秀な列車を走らせたところで、鉄道事業は絶対に黒字にならない。それは、輸送密度が極端に低い長大な「超赤字」線区が全体の半分近くを占めるという、北海道ならではの事情に起因しているのだが、それを抱えている限り鉄道事業は永久に赤字である。そういう状況にあって、例外的に意識の高い一部の鉄道マンは別にして、平均的な社員のモチベーションが、上がるわけがないと思う。何をやっても黒字にならない代わりに、何をやってもつぶれない。そんな環境で、多くの人が高い意識を持って仕事にのぞめるわけがない。

 火災や煙にまつわるトラブルが相次いでいることに関して、こないだ書いた「この会社の奥深くに潜むもの」とは、まさにそれではないかと、私は思っている。

 平均的な社員の、意識の低下。権威主義と事なかれ主義。問題や改善すべき点が見つかっても、報告しない、意見具申しない、面倒くさい。小さな一つ一つのことを、放置してよし、改善しなくてよし、だってしょうがないじゃない、それで済ませてしまうようなムード。

 大勢の人の命を預かる企業で絶対にあってはならないような「病」が、この会社の奥深くに、静かに確実に、広がっているのではないだろうか。

 正確に調べたわけではないが、「トホホ」と言いたくなるようなしょーもないミス、トラブルは、5〜10年のスパンで見ると、確実に増えているのではないか。(トラブルはなんでも公表するようになったこととも関係しているが)

 次に何が起きうるか。勘がはたらく人なら、そう難しい想像ではないだろう。

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