旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

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zoom RSS 「理より情」のテレビ人間・・・みのもんた氏の引き際について

<<   作成日時 : 2013/10/28 23:00   >>

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画像 みのもんた氏の会見を見ていて、ひどく痛々しい思いがした。「息子のやったことは父親である私の責任」「番組を辞めなければならない風潮に僕は感じました」。要は、世論のバッシングに遭って自分は降板するのだ、と。そういうこと。

 成人した子の犯罪に親の責任が問われるのはおかしい。親と子が同体であるとみなすこの国は、未だに「自立した個」の存在を認めない。情は理に勝る。基本的人権の根本概念である個人主義(「すべて国民は個人として尊重される」)が貫徹されないこの国は未成熟社会である、そんな思いを私は持っていた。だから、みの氏が番組を降板するにせよ、「息子のやったことの責任をとって辞める」とは言ってほしくなかったのだ。たとえ、そうであると誰もが思っていたにしても・・・。

画像 けれども、けさの「報道ステーション Sunday」で、みのもんた会見のVTR明けの後藤謙次氏のコメントを聞いて、ハッとした。後藤氏はこう言う。「世の圧力の風潮のために辞めると言うが、その風潮を作ってきたのは自身ではないか」「自分が作った風潮のために自分が辞める、そのことに一切言及がない」。

 言われるまで気づかなかった自分が情けないが、その通りだ。

 ジャーナリストの上杉隆氏(この人の言動、スタンスには危うい部分も多いと感じているが、それは置いておこう)は、もっと手厳しい。

「そもそもの問題は、みのさんがこれまで自身の番組の中で再三、「親の顔が見たいよ、まったく」「責任取るべきでしょう、あんな子育てしてきたんだから」というような発言を繰り返して来たことにあるんですけどね」(東京脱力新聞リターンズ


画像 凶悪事件があれば被疑者の実家まで押しかけ、親にマイクを突きつける、あるいはカメラの前で謝罪をさせる。被疑者はもちろん、みの氏の子息と同じ、成人した人物。この10年ほどのテレビによる事件報道のお決まりのパターン。そういう報道をしてきた側に、みの氏はいたではないか。「責任取るべきでしょう、あんな子育てしてきたんだから」とまで言ったかどうかは証拠が入手できない(みの氏の出演番組をすべて録画保存し、発言内容を分析することなど、専門家にすらそうたやすくできることではない)が、その種の発言をするのを聞いて、いいのか、そこまで言って、と思った記憶は一度ならずある。それは、彼の出演番組を何度か見たことのある人なら、誰にでも記憶にあることではないだろうか。そう思い返すと、みのもんた氏の降板に対する私の見方も、がらりと変わらざるを得なかった。

 間違いなく言えることは、彼が、情に訴える傾向が強いとされるニュース系ワイドショー(TBSならびにみの氏のワーディングによれば「報道番組」)の司会者の中でも飛び抜けて「理より情」を説く人物であり、それによって人気を博してきた出演者だということだ。そういう人物が、「世の中の風潮のために」と悔しがって見せたところで、いまさら「情より理」を説いたところでさっぱり説得力がないというのは、後藤氏や上杉氏の言うとおりなのである。

 みの氏がTBSの朝のニュースショーに出演するようになって、およそ10年(「朝ズバツ」は2005年4月放送開始。「サタズバッ」は2002年4月開始)。氏とその番組は、「なんとなくの怒り」「根拠なき憤り」「なんでもズバッと切ってスッキリしたい」、そういうフワフワとした空気感を国民に広げることに、ひたすら貢献してきた。そのみの氏が、「成人した子どもと親は別人格」という近代社会的法理ではなく、「子の犯罪は何歳だろうと親にも責任がある」というムラ社会的情念によって制裁を受け、番組を退かなくてはならないのは、ある意味で当然の帰結であるのではないだろうか。

 そして、そのみの氏を重用したTBSと、一時期の高視聴率というカタチでそれに喝采を送った国民のことがある。国民は、彼を欲していた。理より情が優先される社会、タテマエよりホンネ、理念よりも現実、単純明快な二分法、勧善懲悪。みの氏がテレビ画面から去るいま、次に現れる人に、視聴者は同じことを求めるのだろうか、と思う。
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