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<<   作成日時 : 2014/04/18 23:00   >>

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画像 4月になって、取引先に電話をかけると一瞬で「新社会人」とわかるような若者が応対するようなことが増えてきた。オフィスに配属されたら、まずは電話の応対を覚える。基本でしょうね。電話は年次の若い順に取れとか、1コール以内で取れ、とか、いろいろ方針はあるだろうけど、社外のどんな企業のどういう担当者が社内の誰に用件があって電話をかけて来るか。これを覚えることは仕事のフローを覚えることで、チームで働く上では基本中の基本だろう。

 でもね。毎日毎日電話を職場で電話を取りながら、思うわけですよ。「○○さん、××様よりお電話です」「○○は外出中でございます。戻り次第お電話差し上げますよう、申し伝えます」なんちゅうやりとりをするために、日本じゅうのオフィスでどれだけの時間が浪費されているだろう、と。これって、大いなる無駄なんじゃないの? と。

 簡単なシミュレーションをしてみよう。電話が鳴り、受話器を取り、「お世話になっております。○○会社でございます」などと名乗る。ここまで、5秒。続いて、相手方がしゃべる。「お世話になってます。△△商事の××と申します。恐れ入りますが、□□様おいでになりますでしょうか?」ここまでが、さらに5秒。「□□ですね? 少々お待ちいただけますでしょうか」と応じ、保留ボタンを押して受話器を置き、「□□さん、△△商事の××様より外線です」と取り次ぐ。ここまでが、5秒。合計で15秒。もちろん、早口でしゃべる人やもっと簡素な応対を採用している場合はこれより少しは短くなるにせよ、1回の電話応対に要する時間は、最短でもこれくらい。けれども、目的の人物が常に在席して電話を取れる状態にあるとは限らない。打合などで席をはずしていたり、別な電話の対応中だったり、外勤中であることもある(職場によっては、こっちのケースの方がはるかに多いこともある)。その場合は、「申し訳ございません。□□はただいま不在ですので、ご用件を承ります」などと申し述べ、相手の用件を聞き、自席を立ってその人の机にメモを置かなくてはならない。どんなに手早くやっても、1分くらいは簡単に経ってしまうだろう。電話の目的人物の在席で電話に出れる可能性が50%のオフィスがあると仮定すれば、電話対応に要する平均時間は1コールあたり約40秒。この簡は当然、自分の仕事が出来ない。さらに無視できないのが、電話を取ることによって中断した仕事に再び取りかかり、元のペースを回復するまでの時間だ。パソコンで仕事をしていたなら、作業画面に視線を戻し、目的の位置にマウスやカーソルを戻し、自分がやっていた作業を思い出し、続きに着手するまでには、時間がかかる。書類に向かう仕事でも、そう。クルマや自転車が、停止状態から巡航速度まで加速するのに時間がかかるのと同じだ。こういうペースリカバリーに、電話のために作業を中断した時間の半分程度はかかるとすると、1コールあたり1分(在席時と不在時が半々だとしての平均)は、仕事を邪魔されることになる。

 仮に、1時間に20回外線が着信する職場があったとして(体感的に1時間に20回はかなり少ない方だと思うが)、それを若手社員2人がもっぱら取るとすれば、1人1時間あたり10分、1日8時間労働だとして1時間20分もの時間が電話対応、それも自分本来の仕事には直接関係ない、「同僚社員への電話をただ取り次ぐだけ」に費やされていることになる。1日の労働時間の、実に6分の1だ! これは労力のムダだ、という考え方がどうして広がらないのだろう、と思う。

アメリカのオフィスは「1人1番号」が基本
 1990年代、交換留学のためアメリカで1年間暮らしたことがあるが、あっちのオフィスでは「電話は1人1回線」が基本だった。ダイヤルインで直接相手の席上につながることもあれば、代表番号にかけて内線番号をプッシュする方式もあるが、目的の人物以外が出て取り次いでもらったことは、ほとんどない。そして、電話はほとんどがボイスメール(電子式の留守番電話装置)付き。相手が出なければそこにメッセージを吹き込む。「電話があったことをお伝えください」なんていう無意味な用件を伝えるために同僚の手を煩わすことがないように、できている。なるほど、アメリカのビジネス社会は合理的、能率優先なのだな、日本もいずれこうなるだろうな、と思って帰国したものだ。が、あれから20年経つが日本の企業は相変わらず、数人、あるいは十数人、時には20人以上もが働く職場で外線番号は1本だけ。「○○さんいらっしゃいますか?」「△△はただいま不在でございますので、用件を承ります」という生産性ゼロのやりとりのために、日々膨大な時間が費やされているのだ。日本のホワイトカラーは欧米に比べて生産性が低いと言われるが、こんなことをやっていては、ムリもないと思う。生産性の低さは、長時間労働というカタチでしわ寄せが行く。

「電話取り次ぎ」は膨大なエネルギー損失だ
 もちろん、「電話取り次ぎ」に有用性もある。冒頭に書いたような、新人教育。「どこの誰が」「自分の職場の誰に」「どんな用件で」連絡を取ろうとするかを把握することは、自分の会社の仕事を覚えることそのものである。また、新人ではなくても、同僚にかかってきた電話を取ることで仕事の流れを把握したり、急ぎの仕事を代行したり、異常に気づいてミスを防止したり、という効果はあるだろう。けれども、1日の勤務時間の6分の1とか7分の1とか、そういう単位の時間を割くほど価値のある効用かと問われれば、そこはもっと議論があって良いと思う。

 同じことは、電話を掛ける側にも言える。電話を掛け、相手が出るまでの取り次ぎ、保留の時間はバカにならない。最短でも15秒、長いと1分は待たされる。平均30秒かかるとして、1時間に3本電話をかけるとすれば、1時間で90秒、8時間で12分が電話を掛けた際の「待ち時間」だけに費やされる。社員1人1人に直通番号を割り当てている会社が日本にも少数ながらあるが、そういう会社に対しての方が、明らかに用件の通りが早い。

 不思議に思うのだが、メールや携帯電話がこれだけ普及しているのに、オフィスにかかってくる電話や自分が掛ける電話の回数が「減った」という実感をまったく持てないのは、どうしたことだろう。一人一人に負わされる業務が増えたということがあるかも知れないし、通信手段が発達した分だけ、「より丁寧な」作業が必要とされ(典型的なのが、重要案件のメールを送った後に相手に電話で受信確認するような行為・・・あんなことは、メールソフト上で「開封確認送信」を設定しておけば良いだけなのだが、どういうわけか「開封確認付き」でメールを送るのはビジネスでは失礼とされているようだ)、それが電話の回数を減らす方向にはなっていないということなのだろう。ビジネスの連絡手段として「固定電話」が非常に有用だということは、今も昔も変わらないと言うことなのだろう。

 であるならば、電話による用件伝達はもっと効率よく出来るようにならないものだろうか。せめて、オフィスの電話は一人1番号、取り次ぎ不要、保留不要、不在の場合は留守電が対応、こうふうに早いとこなってほしいと、切に願う。

 くどいけど、経営者の皆さん、オフィスで働く従業員が電話の取り次ぎに費やす時間というのは、1日でトータルすると膨大なものですよ。生産性を言うのなら、これを考え直すべきではないだろうか。




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