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zoom RSS マレーシア航空MH370便はどこへ消えた・・・?

<<   作成日時 : 2014/04/17 23:00   >>

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 韓国で起きたフェリー沈没事故に世界のメディアの関心が集中し、MH370便の事故がすっかり影が薄くなってしまった雰囲気がある。クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空MH370便が姿を消して、1ヶ月以上が経過した。同便が墜落したと考えられるオーストラリア西方の南インド洋では、今も捜索が続行されている。衛星が機体の破片と見られる物体を探知したとか、それらしきモノを捜索機が視認したとか、ピンガーロケーター(ブラックボックスが水没後に被探知のために発信する音波信号)らしき信号音が探知されたとか、断片的に情報は伝わるものの、機体の破片などを含め、墜落の確実な証拠は何一つ見つかっていない。

 おかしい。いくらなんでも、おかしい・・・。そう思うのは私だけではないだろう。


 こういう状況は、世の陰謀論好きの想像心を刺激する格好のネタであることは間違いなく、私も、あちこちでMH370便のことが話題になるたびに、いろいろな話を耳にしている。どの話もスリルとサスペンスに満ちていて(何百人も亡くなっている可能性が高い事故にこういうことを言うこと自体が不謹慎ではあるが)、小説であれば、大変おもしろい。

 たとえば、つい先日、仕事先の自称「飛行機好き」が話してくれたのは、こんな筋書きだ。

▼あれは、旅客機を使った自爆テロが直前に悟られ、対空ミサイルで撃墜されたものに違いない。パイロットは、自分が操縦するB777の進路を変え、インド洋のディエゴガルシア島に向かった。そこの米軍基地に自爆テロを実行しようとしたが、米軍は対空ミサイルで撃墜した。その被害を隠蔽するために、マレーシア政府にニセの情報を流して捜索の目を南シナ海に向けさせた。その間に米軍は、中部インド洋一帯に散乱した機体の破片をあらかた回収。南シナ海で手がかりが一切ないことに各国がイライラし始めたころに、突如捜索海域を南インド洋に変えるようマレーシア政府に指示。またしても、核心地域から各国の視線を逸らすことに成功している。一時期、ピンガーロケーターらしきものが相次いで捉えられたのも、アメリカの工作に違いない。もう数日、捜索機を南インド洋に釘付けにしておけば、ピンガーロケーターの電池切れ(バッテリーの寿命は1ヶ月程度)で機体位置の特定は困難ということで、捜索終了となる公算が高い。そうなれば、アメリカによる非人道的行為は永遠に闇に葬ることができる。ディエゴガルシア島の領有権者であるイギリス、運航国のマレーシア、乗客の多くが乗っていた中国の首脳は、このことを知っている。知った上で「総合的判断」の下に、アメリカの芝居に協力している。特に中国は、テロへの反撃とは言えアメリカが百何十人もの中国人を殺したことが公になれば国民の対米感情は最悪になり、制御が利かなくなる恐れがある。米中の政治的関係が良好とまでは言えない中で、国民まで反米に大きく傾くようなことは得策ではない。中国政府としては、今回の隠蔽工作に協力し、アメリカに「貸し」を作る方がメリットがある・・・。

 これに似た想像話はほかでも聞いたし、ミステリー小説の筋書きや居酒屋談義としてはおもしろいが、現実的にはあり得ないだろう私は思う。

 まず、アメリカが撃墜を隠蔽しなくてはならない理由がない。米軍が民間旅客機を撃墜した事例としては、1988年のイラン航空撃墜事件がある。このときは、イラン側にも非がある(イラン空軍の戦闘機は民間機を偽装して米軍艦艇に接近することがあった)と主張はしたものの、撃墜の事実自体は速やかに公表した。またアメリカは1983年8月、大韓航空機007便がソ連戦闘機によって撃墜されたときに、日本の自衛隊が傍受録音したソ連軍の通信を基に撃墜の事実をいち早く世界に公表し、国連安保理でソ連の非人道性を糾弾した。こういう国柄である。隠蔽が後に発覚したことによる世界からの批判の方が、アメリカにとってはるかにダメージが大きい。テロ攻撃を受けてやむを得なかったのであれば、それを世界に向けて公表するのではないか。アメリカに「貸し」を作るために中国は撃墜の隠蔽に協力しているという話も、中国のしたたかさを考えればありそうな話ではあるが、アメリカにとっては、これほど大きな「借り」を中国に対して作るメリットがない。

 こういう、おもしろくおかしい陰謀説が飛び交う背景には、あれだけ探しても破片一つ見つからず、まったく手がかりがないのはおかしいじゃないか、という思いがあるからなのだろう。私も、それはそれで、確かにそのとおりだとは思う。けれども、だからと言って陰謀説を支持するような気にはまったくなれない。墜落したとされるインド洋南部は、世界的に見ても最も海象条件が厳しく、未知の要素が多い海なのだそうだ。オーストラリア大陸からもアフリカ大陸からも遠く、通れば遠回りになるため航行する船がほとんどない。南極大陸から猛烈な風が吹き付け、波高は平時でも 5m前後。1万2000トンの砕氷艦しらせが、30〜40度傾斜するほどの波浪に揉まれるのだそうだ。しかも、南半球はこれから冬に向かう。冬の北太平洋がどれほど過酷かを想像すれば、それに輪をかけて厳しい海象条件がどのようなものかは、なんとなくわかるだろう。こういう海域で、墜落した飛行機の破片を探すというのは、砂の中の針を探すよりもなお困難な話だろう。曇りがちの天候であれば視程は下がる。捜索機が上空から破片らしきものを視認したとしても、それを捜索船が回収することが、そもそも難しい。座標を伝えて捜索船を向かわせるにしても、海の広さからすれば到着するのは最短でも何時間も後。その間に物体は波浪と海流で遠く流されてしまう。物体の上空で待機して捜索船を誘導しようにも、燃料の制限で捜索機が活動できるのは2時間が限度だ。船が来るのを待っていたら燃料が切れてしまう。物体を直接回収できるヘリや飛行艇は、航続距離が足りず捜索に参加できない。飛行艇は、参加できたとしても波が高すぎて着水できない。「あれだけ探しているのに何一つ見つからないのはおかしい」と私も思っていたが、ああいう過酷な条件では、見つからないことも十分あり得るのだということが、いろいろな記事を読んでようやくわかってきた。MH370便がインド洋南部に墜落していたとしても、破片が見つかるのは何ヶ月も先、オーストラリア西岸やアフリカ大陸の東岸に流れついた場合ではないだろうか。それも運が良ければの話で、条件によっては南極大陸まで流されて雪氷に覆われ、永久に見つからない、ということもあるかも知れない。

 いろいろ言われている墜落原因だが、乗客やパイロットが関与しているのであれば、その背後を徹底的に洗う中で、何かの痕跡は出てくるだろうと思う。事件から一ヶ月以上経つ中でも何も発表されていないところを見ると、その線は薄くなりつつあるように、私は思う。機長が自宅に持っていたというシミュレーターだって、ニュース報道の画面を見る限りは、PCの表示装置数台とオモチャのような操縦装置(操縦桿やスロットルレバー)を組み合わせた簡易なもので、20〜30万もあれば誰でも作れそうなものだ。あれで自爆テロの練習をしていたというのなら、そして報道されているように直近1ヶ月のデータが消去されているのであれば、データの復元で何かしらの痕跡が出てくるように思うが、発表はない。

 私は、事故原因は、悪意によるものと言うよりは、何らかの不運の連鎖により破滅的状況に陥った可能性の方が高いと考えている。それも、わかってしまえば「な〜んだ!」と思うような、あっけない、初歩的な要素。大韓航空機撃墜事故の原因は、自動操縦装置がHDGモードからINSモードに切り替わっていないことに乗員3人がそろって気づかず、航路逸脱のまま飛行を続けたことだった。エールフランスのAF447便墜落事故は、ピトー管が氷結して自動操縦装置が機能しない中で、3人のパイロットが揃って適切な操作ができなかったからだ。「え? まさか!」「どうして?」「な〜んだ!」というようなことが壊滅的な事故の引き金を引いた事例は、いくらでもある。少なくとも、テロや犯罪や陰謀よりも、そういう不運な偶発の連鎖の方が、割合としてはるかに多い。

 今回のMH370便の事故も、ブラックボックスが発見・回収され、原因調査が進めば、誰もが思ってもいないような、いとも「簡単な」ことが事故の引き金を引いていたことがわかってくるのではないだろうか。私は、そう思う。

 そんなことよりも、本当に機体やブラックボックスは見つかるのか。手がかりが見つからない中で、捜索はいつまで続行されるのか。そして、莫大となる捜索費用をいったい誰が負担するのか。気になるのは、そちらの方である。





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