旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 女性の就労促進のために、必要なこと

<<   作成日時 : 2014/05/20 23:00   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 女性の就労を促すために政府が配偶者控除を見直そうとしていることに対し反対論が強い・・・という記事を産経ビジネスで読んだ

 配偶者控除とは、専業主婦がいる家庭の税負担を軽くする制度で、妻の所得が103万円以下ならば夫の所得から一律38万円が控除され、それに対応する所得税や社会保険料が免除される仕組みだ。年収が600〜800万円くらいの世帯であれば、所得に占める税・社会保険料の割合はおおむね17〜18%(東京都財政調査会の資料による)だから、38万円が控除されると払わなくて良くなる税・社会保険料はおよそ66000円。それなりの金額である。しかし、夫の課税所得が38万円減額される。この「103万円の壁」が女性の働く意欲をそいでいると長らく指摘されており、いま政府は本気で廃止を議論している。少子高齢化が進むにつれ働き手が不足するから、女性にもっと働いてもらわなければならない・・・そんな狙いもあるからだ。

 女性の就労を促進し、男女の賃金格差を解消するという意味で、私は配偶者控除の廃止は基本的には賛成だ。ただし、そのためには重要な前提条件が二つある。正社員を含む全労働者の「8時間労働厳守」と「有給休暇の完全消化」である。

 上記の記事にも書かれているが、女性が「働きたくても働けない」理由の多くは、男の働き過ぎ、働かされ過ぎなのである。同記事は、「残業や休日出勤の多い家庭では、子育てをしながら妻がフルタイムで働くのはとても大変だ」という会社員男性(36)の声を紹介し、「子育てをしながら共働きできる環境の整備が伴わなければ、制度の見直しは単なる増税になりかねない」「共働き家庭では男性の家事や育児への参加が求められ、企業では長時間労働の見直しや産後も女性が働き続けられる仕組みが欠かせない」と述べている。その通りだと思う。夫が残業や休日出勤に追われる中で、妻もフルタイムで働けば、子育てどころか家事もままなるまい。(それでも夫婦共働きをしている家庭が、私の周りにも大勢あるが) 女性の就労を促進するというのであれば、女性が働くことで手薄になる子育てや家事を、男も分担する。そういう仕組みが整わなければ、女性は安心して働けるわけがない。

 とは言っても、難しいことをやれと言っているのではない。考え方はきわめてシンプルだ。労働基準法は、1日の労働時間を最大8時間、週最大40時間を上限としている。さらに、年10〜20日(勤続年数による)の有給休暇付与も労働基準法に規定がある。これを厳格に適用すれば良いだけだ。それを担保するために、時間外賃金は「懲罰的に」引き上げる。基準賃金の2倍くらいまで引き上げれば、アホらしくて残業を命じる経営者などいなくなる(代わりに人を雇ったほうがはるかに安い)。そして、時間外手当不払に対する監視の目を強化し、違反した企業は厳罰とする。さらに、有給休暇の完全消化を制度化し、どうしても消化できなかった休暇は企業に買い取り義務を課す。「1日8時間以上は働かない」「休みはしっかり取る」こういう習慣が定着するように制度を整備することが、女性の社会進出のためには何よりも必要である。

 1日8時間労働なら、通勤の往復に2時間、睡眠時間が7時間だとしても、自宅で過ごす時間は7時間も確保できる。食事や余暇の時間を除いても、2〜3時間はたっぷり、家事などに充てることができるのだ。年20日の有給休暇をフルに使うことができれば、週休と合わせて10日程度の連休を2回取った上でなお、家族の病気などに備える予備日を残すことができる。こういう労働環境であれば、夫婦が共に働きながら家事・育児を分担して生計を維持することが十分に可能だと、私は思う。(ついでに言っておけば、「女性の社会進出が少子化を招く」なんて主張は、根拠不明の妄想にすぎない)

 アメリカで暮らした経験だが、午後5時になるとオフィスビルから一斉に人が出てきて、5時半を過ぎるとがらんとして誰もいなくなるのが普通である。ヨーロッパもおおむね同じと聞く。それに比べて日本は、なんと遅くまでオフィスに人が居残っているか。深夜の電車が、通勤帰りのサラリーマンでなんと混雑していることか。欧米人に比べて日本人は勤勉だから、としたり顔で語るヤツがいるが、冗談じゃない。きっちり午後5時で終わるように仕事の段取りを組み、帰宅したら家事や子どもとの関わり、ボランティアや地域活動などに励む彼らの方がずっと勤勉だ。その証拠に、日本の労働生産性は主要先進国の中で最低で、製造業を除いたホワイトカラーのみの生産性ではさらに差が開く。生産性を上げる努力をすれば、日本だって「8時間労働」は可能なのだ。

 もちろん、こういうことをやれば、社会はいまより確実に「不便」にはなるだろう。オフィスは夕方以降誰もいなくなり、ビジネスのスピード感は今より鈍るのかも知れない。(なんてったって、夕方届いた重要案件のメールに「明日午前までに」返答を求められるような国柄である) 深夜や休日に閉店する店も増えるだろう。しかし、現在のように「男中心に24時間働くことが当たり前」の仕組みで支えられている便利さと、それと引き替えに男女が共に働きながら家庭経営を分担する世の中と、どちらが望ましいのか。それに、「スピード」と言ったって、欧米のホワイトカラーたちは9−5時の働き方を守りながら、スピーディに判断し、レスポンスし、ちゃんとビジネスをやっている。やれないわけはないのである。(8:00ごろから働き始める人も多いのは事実だが)

 女性の社会進出の話は、男の働き方をどうするか。私たちの社会の見かけの便利さをどうするか。そういうことと、切っても切れない話なのである。


配偶者控除見直しに不満噴出 戸惑う家庭「実態分かってない」
 女性の就業拡大を目指す安倍晋三首相の指示を受け、専業主婦がいる家庭の税負担を軽くしている配偶者控除の見直し論議が本格化している。女性の社会進出を促すことが政府の狙いだが、控除を受けている家庭からは「実態を分かっていない」といった批判や戸惑いの声も上がっている。ただ、超少子高齢社会の道を歩んでいる日本の生産年齢人口は約50年後に半減するとの予測もあるだけに、働き手の確保は喫緊の課題。女性の社会での活躍を支えるために真に必要な施策が問われている。
 「安倍さん、早まっているよ」。京都府城陽市に住む3人家族の主婦、藤永真由さん(36)=仮名=は、配偶者控除見直しのニュースを見てつぶやいた。大学卒業後に就職した会社は土日勤務が当たり前で、育児休暇の取得などは論外だった。結婚と同時に退職し、その後は配偶者控除の適用上限内でパートや自宅でのウェブ制作の仕事をしながら、幼稚園に通う4歳の子供を育てている。
 配偶者控除は専業主婦が圧倒的に多かった1961年に導入された。主婦の年収が103万円以下の場合、夫の課税所得が38万円減額される。この「103万円の壁」が女性の働く意欲をそいでいると指摘されて久しい。
 もっとも現実的には、子育て中の限られた時間で年収が103万円を超えること自体が容易ではない。「幼稚園は午後2時半に終わり、祖父母が近くにいて子供の世話をしてくれないと正社員はまず無理。都心でないとパートの時給は900円に満たず、103万円以上を得るのは難しい」と藤永さんは言う。
 大阪市に家族を残し、東京に単身で赴任した会社員の男性(36)は「配偶者控除が縮小・廃止されても、主婦は仕事を増やさないのではないか」と疑問を投げかける。男性の妻は出産後、年収103万円以内で働いてきたが「夫が単身赴任の場合だけでなく、残業や休日出勤の多い家庭では、子育てをしながら妻がフルタイムで働くのはとても大変だ」と指摘する。
 配偶者控除の見直しは「男女の活動の選択に中立的な税制、社会保障制度に改めるべきだ」との考えから、過去十数年以上にわたり何度も浮上しては結論が先送りされてきた。安倍政権下で再び焦点が当たったのは、労働力不足への強い危機感が背景にある。国立社会保障・人口問題研究所は日本の生産年齢人口(15〜64歳)が2060年に10年比でほぼ半減すると推計しており、女性の就労促進の成否は日本の将来を左右しかねない。
 主婦たちが「働きたくない」わけではない。子供の教育費の確保や老後に備え、家計収入を増やしたいという思いは強い。「専業主婦ができる仕事は40歳を境に減り、50歳を過ぎるとほとんどなくなる」。富山市在住の三田百合子さん(53)=仮名=は、関西の大学に通う娘と高校生の息子がいる。子供2人の学費と仕送りのため事務系の仕事で再就職先を探しているものの、選択肢が極端に少ない。
 これまでの就職活動では、週3、4回の勤務、1日6時間程度の相場は時給700〜800円。収入アップには勤務が比較的長い介護か掃除などの「肉体労働」を選ぶか、ファミレスやコンビニエンスストアで深夜に働くしかない。「大学を出て出産まで会社勤めだった女性には抵抗がある」(三田さん)。知り合いの主婦たちは「それだったら夫の給料を節約し、やりくりする」との結論になったという。
 日本の共働き家庭の数は1990年代半ばには専業主婦がいる家庭の数を超えた。内閣府の幹部は「世帯によって痛みが生じるのは確かだが、専業主婦に誘導するような制度を残しておける時代ではない」と指摘する。労働力不足で経済力が弱くなれば家計にも跳ね返ってくる。
 配偶者控除は企業の給与体系にも影響を及ぼしている。内閣府の調査で年換算で平均17万4000円にのぼる企業内扶養手当の多くは、103万円の配偶者控除に連動。それによって「103万円の壁」を厚くしている。
 ただ、子育てをしながら共働きできる環境の整備が伴わなければ、制度の見直しは単なる増税になりかねない。保育所の拡充だけでなく、共働き家庭では男性の家事や育児への参加が求められ、企業では長時間労働の見直しや産後も女性が働き続けられる仕組みが欠かせない。
 ニッセイ基礎研究所の松浦民恵主任研究員は「見直し論議を専業主婦と働く女性の対立構造にすべきではない」とした上で、「労働力人口の減少で男性中心の日本型雇用システムは立ち行かなくなりつつあり、税制上の損得ではなく女性の働き方の見直しという観点からも先延ばしは許されない」と指摘する。
 配偶者控除の見直しは、超少子高齢化が進む日本をいかに継続可能な社会にするかといった課題への回答の一つにもなる。痛みも伴う変革を乗り越えるためには、社会全体で取り組む覚悟が欠かせない。(滝川麻衣子)







スポーツ - フィッシング
スポーツ - フィッシング

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
女性の就労促進のために、必要なこと 旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる