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zoom RSS 徴兵制ではなく「兵役格差社会」がやってくる

<<   作成日時 : 2014/07/13 23:00   >>

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画像 最新号のAERAに、右のような記事が出ていた。徴兵制が導入され、自分の子どもが招集されるんじゃないか、と本気で心配する親がいる・・・という話。似たような話は、他でも何度も聞いたことがある。集団的自衛権が行使され、自衛隊が海外の戦争に介入するようになると、自衛隊の志願者が減るため徴兵制が導入されるだろう、というロジックだ。

 それは「ない」と、私は思う。理由は二つ。


 一つ目。現代の戦争は兵器も戦術もハイテク化・専門化が進み、徴兵で渋々集められ、2年やそこらで除隊するような若者が来ても、役に立たない。そんな兵隊なぞ足手まといになるだけである。世界的にも徴兵制は廃止の方向にあるが、そういう理由が大きい。

 二つ目。徴兵なんていう手段で兵隊(自衛隊員)を集めると、権力者(政府)は自衛隊をかえって動かしづらくなる。我が子が兵隊に取られるかも知れない、実際に自分の子どもや友人が徴兵されて就役しているとなれば、いくらなんでも世論は自衛隊の動向に今よりは敏感になる。無茶な戦争に介入し、大きな犠牲が予想されるとなれば、世論は猛烈に反対するだろう。それでも強行して犠牲が出たとなれば、内閣が倒れるどころの騒ぎじゃなくなるだろう。そこまで行かなくても、世論の関心が高くなるということは、国会審議や党内調整などの段階から野党どころか身内からも厳しく追及され、派兵の法案が通らなかったり、撤退の議決が出たりとか、権力者には都合の悪いことが起きてしまう。徴兵制の軍隊は、派兵にしても戦闘参加にしても、志願制よりもハードルが高くなるのだ。だから、「彼らは志願して入隊したんです」「自らの意志で戦地に赴く覚悟を持っているのです」というエクスキューズは、絶対に手放したくない。

 とは言え、いつ戦地に送られて戦わされるかわからない、となれば、ただでさえ隊員が集まりにくい自衛隊が、ますます不人気で志望者が減ることは間違いないだろう。

 そこで考えられるのは、インセンティブ(志願者への優遇措置)による「事実上の徴兵制」だ。陸士や海士を一定年限勤めれば、大学進学の奨学金がもらえるとか、公務員や民間企業に就職しやすくなるとか、そういう類いの措置である。公務員に自衛隊経験者を優先採用する枠を設けたり、自衛隊経験者を採用すれば法人税を減免するとか、そういう措置はやろうと思えばすぐにできる。より危険度の高い任務に、より長く就役すれば、よりよい優遇が受けられるような制度設計も、当然なされるだろう。奨学金ローンの返済に苦しむ若者や、生活比を稼ぐために勉強そっちのけでアルバイトに精を出さなくてはならない大学生の数から見て、親の経済力だけでは大学進学が成立しない若者は、現在でも、相当な割合に上るだろう。この先、その比率は間違いなく上がる。「経済的理由で大学に行けない若者」は、格好の兵隊のターゲットとなる。かくして、所得や学歴の低い人ほど自衛隊の、それも危険な任務に長く従事する可能性が高まる、という「兵役格差社会」システムができあがる。アメリカは、かなり前から、そうなっている。

 憲法第18条(奴隷的拘束を受けない・意に反する苦役に服させられない)があるから、徴兵制の導入はムリだろう、という意見の人もいるが、逆に言えば、そっちの方こそあり得ない。「兵役は、憲法が禁止する意に反する苦役に該当しない」と閣議決定すれば済んでしまうことだ。そんなムチャクチャが可能であることは、ついこないだ、安倍晋三が「憲法を変えずに集団的自衛権を行使可能とした」証明済みである。もはや、憲法の条文は総理の胸先三寸で簡単に変えてしまえるような、軽いものとなってしまったのだ。

 上の二つの理由により、徴兵制はないだろうと私は思う。あり得るのは、徴兵なんかよりもずっとずっとタチの悪い、「兵役格差社会」である。




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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
>親の経済力だけでは大学進学が成立しない若者は、現在でも、相当な割合に上るだろう。この先、その比率は間違いなく上がる。

そんなことはありません。アベノミクスの成功で経済が回復しているので、減っていくでしょう。
N
2014/09/13 03:23

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