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zoom RSS 角松敏生〜春日大社ライブ

<<   作成日時 : 2014/09/27 23:00   >>

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画像 はるばる奈良までやってきた目的は、春日大社での角松敏生コンサート。春日大社の境内の飛火野という広大な森の中に作られたステージでの野外ライブだ。

 3人のキーボード奏者をバックにしたTRIPOD編成(別名、角松敏生鍵盤部)での演奏と発表されていたので、静かな演目が中心かと想像していた。が、ギターにベース、さらに9人編成のゴスペルクワイアまで加わった賑やかな編成。チケットが予想以上に売れたので制作費を増やしたのか、と、ついつい邪推してしまう。

画像 日中は30度近い暑さだったが、秋らしく夕方にはぐっと涼しくなった。森の新鮮な空気と虫の音色が聞こえる中での野外ライブは最高だ。13年前の台風事件以来、自主興行としての野外ライブはまずやらないカドマツである。情熱大陸のような夏フェスは別にして、彼の歌を野外で、ソロで聞ける機会は非常に貴重なのだ。ファンもそれをわかっているのか、会場はびっしりと人でいっぱいだ。「今年前半のツアーは動員にずいぶん苦労しましたが、こういうイベントになると、人ってちゃんと集まるものなんですね」と、やや自虐的な本人の弁。

 演目は、下記の17曲。総演奏時間は2時間半と、いつものホールコンサートよりは短めだったが、神社境内という場所柄、制約があるのだそうだ。予想通り、「神」を題材にした歌詞の多いアルバム「INCARNATIO」からの曲が多かった。神々しい雰囲気にぴったりの楽曲だ。ノリノリでポップな曲調とは別の、これも彼の一つの精神世界なのだろう。ただ、意外だったのは「6」。これについては、後述する。

 終盤はノリノリのナンバーを選んだと言うが、ライブでおなじみの曲は少なく、お客さんも若干おとなしめ。「世界遺産でゴミの出る曲はやれない」と話して、笑いを取った。最後は、久しぶりに聞く「PRAYER」で、本編終了。

 アンコールは、懐かしい「14」、定番の「15」、コンサートタイトルの「16」。いつもならここで出演者が全員ステージから降りてモアアンコールの拍手が鳴り響くところなのだが、時間に余裕がないからなのか、角松氏のみ降壇で、キーボードの3人はステージ上に残ったまま。ほどなくして角松氏が再登場し、これも懐かしい「17」でシメ。19:38で完全終演。

 規制退場と近鉄奈良・JR奈良駅までの臨時バスが出ている旨のアナウンスがあった。入場時に配られたチラシを見ると、20時25分発の近鉄特急に乗れば、京都で新幹線に乗り継いで東京まで帰れるとのこと。そういう客がどのくらいいたのかはわからないが、駅に向かうバスでは、近鉄奈良駅でどっと人が降りた。奈良へのアクセスは近鉄がメジャールート、ということになっているようだ。

<1706 開演>
1. Overture
2. 鎮魂の夜
3. Rain Man
4. 常世に続く川
MC
5. Get Back To The Love
MC
6. 君が代
7. Izumo
8. 氷の妖精
9. I'm Lovin' You
MC
10. リカー
11. Gaze
12. 君のためにできること
13. Prayer
<1852 本編終了>
EC 1857
MC
14. Always Be With you
15. WAになって踊ろう
16. いのち
17. What Is Woman
<1938. 終演>


画像


角松敏生と「君が代」について
 「君が代」を歌ったのには、正直がっかりした。角松敏生氏が、どちらかと言うと保守派の思想にシンパシーを持つアーティストであることは前から知っていたし、サッカーの国際試合を前に国立競技場で「君が代」を歌ったことがあるのも知っている。けれども、自身の名義のコンサートで、歌への思いや解釈を自ら語り、歌ったのには残念な気持ちがする、というのが偽らざる気持ちだ。ただ、調べてみたら、Tripod編成(キーボード3人)のライブのときにはけっこう頻繁に歌っているらしく、既にもう、彼のレパートリーの一つ、ということになっているのかも知れないが。

 歌そのものは、素晴らしかった。いつものアレとはまったく違う美しいピアノアレンジで、コード進行もポップスらしく、あれなら歌唱曲として成立しているだろうとは思う。ただ、歌に罪はないとは思いつつも、あの歌にまつわる政治性と切り離して聞くことが、私にはなかなかできない。

 彼の、あの歌に対する思い、考え方はよくわかるし、おかしなことは言っていないし、表現者として、アーティストとしてどんな考えを持とうとも、それは自由である。けれども、ああいう場所で、あれを歌うことの影響力というものに、もう少し敏感であってほしかった。今回の会場は神社境内、協賛は産経新聞社だ。あれを知った、ファン以外の人たちが、どう思うか。案の定というか、翌日の紙面には「君が代」を歌ったことが記事になっていた。「角松敏生=君が代」という色がつくこと、角松敏生の音楽なぞ一切知らず、関心も持とうとしない人たちが勝手にそういう色を付けて行くことを、心配する。

 これは歌にとっては不幸なことなのだろうが、この国で「国歌(君が代)」は政治そのものだ。それを広げようとする側も反対する側も、歴史観や国のありようについてそれぞれの主義主張を持っていて、それは鋭く対立している。そして、それぞれが「仲間」を求めている。ああいう場で「君が代」を歌うということは、それを広げようとする人たちの仲間になること、そっちの側の歴史観や国家観に賛意を示すこと、そう受け取られやしないか。

 おそらく彼は、あの歌にまつわる政治性を憂い、そういうことからはまったく離れて、あの詩にこめられた心を表現したい、伝えたい、という思いであっただろうと思う。けれども、世間はそう理解するだろうか。表現は、世に出たときから、その表現者の思いもよらぬ受け止められ方、解釈のされ方をされるのは世の常である。

 「君が代」の歌詞について、彼が語った解釈はあり得るるだろう(私には国会の政府答弁のように聞こえたが)。元々、古今和歌集に載っている作者不詳の和歌である。作詞者の正確な表現意図などわかるわけもない。しかし、明治政府はこれを中央集権と天皇支配の確立強化に、軍部は戦意発揚という政治目的に使用した。そして戦後も、愛国心の涵養という政治の道具として、この歌は使われている。氏の思いがどんなに純粋なものであっても、世間は「君が代を広げようとしている側の政治的主張に賛同する人」と見るのではないか。そうであるならば、ファンとしてこれほど残念なことはない。

 願わくば、あの歌は、あの場の一夜限りのものであってほしいと思う。CDやDVDというカタチで世に出ることは、ファンとしては耐えられない。願いは、それだけ。これからも、彼の音楽を聴き続けたいと思うから。

画像
▲コンサート翌日の産経新聞(関西版)。「ピアノの調べに乗せて『君が代』も歌い上げた」とある。こう書かれるようなことをしてほしくなかった、というのが正直な思いだ。








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