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zoom RSS 緊急シンポジウム「朝日バッシングとジャーナリズムの危機」

<<   作成日時 : 2014/10/15 23:00   >>

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画像 「朝日新聞バッシングとジャーナリズムの危機」というタイトルの集会が緊急開催されるというので、仕事を定時で切り上げて会場に行ってみた。場所は、文京区民センターの大会議室。開会ギリギリの午後6時半少し前に到着したが、既にほとんどの席がいっぱいになっていた。聞けば、イスは470人分用意してあるそうだ。

 似たようなテーマの集会が同じ会場で6月に開かれたときにも来ているのだが、東京でこの手の集まりが企画されると、集まる人数は確かにすごい。東京新聞などで一言告知するだけでも、これだけ集まるようだ。(私はいつも、関係者のブログやFBから情報を仕入れているが) 問題意識を持った市民がそれだけたくさんいる、ということなのかも知れないが、そういう市民のための学習の場が、それだけ限られているということでもあるだろう。東京の人口規模からしたら、こういう集会が連日連夜開かれるくらいじゃないと、危機感が共有されているとは言えないと思う。

画像 びっちり約2時間半。パネリストは13人。これだけ登壇者が多いと、一人一人の話す時間が短くて内容が散発的になってしまい、それぞれの話をもっとじっくり聞きたいは思ったのだが、気になった発言をいくつか挙げておく。

●野中章弘さん(アジアプレス代表)
 朝日新聞は防波堤。朝日が陥落したら、次は東京新聞、そして沖縄の新聞がダメになる。そして民主主義を支えるメディアは総崩れになる。

●下村健一さん(元内閣官房内閣広報室内閣審議官)
 朝日新聞を守れと言われるが、何を守るのか。過剰な安全第一体質が温存されては、何もならない。行き過ぎの経営体質を守れということではあってはならない。守られるべきは、記者であり、自由な気風でなくてはならない。

●青木理さん(ジャーナリスト・元共同通信記者)
 慰安婦問題の続報が出てこないところを見ると、朝日新聞は本気で戦う覚悟がないのではないか。

●武田肇記者(朝日新聞・大阪社会部)
 続報は用意していたのだが、実現できなかった。「見合わせた方がいい」という判断がどこかではたらいた。続報をまったく打てないことによって、いろいろなことを歪めてしまった。朝日新聞は戦えない組織になっている。

●辰濃哲郎さん(元朝日新聞記者)
 以前はその日のデスクに任されていた紙面作りが、2001年ごろより編集局長室が全権を掌握するようになり、記者やデスクの思いを伝えづらくなった。

 野中さんが指摘したのが、朝日新聞の右旋回に対する危機感。下村さん、青木さん、辰濃さん、武田記者が指摘したのが、朝日新聞の経営問題、内部統制の問題だ。

 「朝日新聞バッシングとジャーナリズムの危機」という大命題だが、これは突き詰めると朝日の社内問題なのではないか、という気が全体を聞いていて強くした。

 知る人はずっと昔から知っていることだが、朝日新聞という会社は決して一枚岩の組織ではない。「表現の自由」「権力の監視」を金科玉条とする、左翼的、反政府的言論機関でもない。そう思っている人もいるかも知れない(何せ週刊誌や、最近は日刊全国紙までもが「反日」だの「国賊」だのという最大級の蔑称を投げつける会社である)が、それはあくまで対外的な演出。政府寄りが露骨な読売新聞・日経新聞との差別化で、政府に厳し目の姿勢を保ったほうが読者受け、広告主受け、さらに海外メディアからも受けがいい、そういう経営判断の結果にすぎないと、私は思っている。

画像 確かに、ジャーナリズムの役割をちゃんと認識した、良心的な記者や編集者は多いと思う。けれどもこの会社に、救いがたい官僚主義とエリート主義、横並び主義が巣くっていいることもまた、事実だ。永田町で政治家とつるみ、国を動かすことが本懐であるかのような勘違い記者と、それらを重用する経営陣が影響力を持っているという現実。この事大主義は、自分たちを「日本を代表するクオリティペーパー」だなどと思っているから、読売や産経よりもずっとタチが悪い。竹下内閣を退陣に追い込んだリクルート報道(1988年)を、政治部が必死に押さえ込もうとしていた、というのは有名な話だが、それに似た話、現場の記者がつかんで来たヤバイ話を上層部がつぶそうとするケースはしばしばあると、私は聞いている。現に、上記武田記者(朝日の現役記者!)が指摘したように、慰安婦問題の続報が上の意向で出せなくなったということは、起きているのである。辰濃さんからもこれに近い話があったし、下村さんからは、福島原発の吉田調書スクープに疑義を唱える社内執筆者の記事が4回もボツになったという報告があった。これでは記者の士気が上がるはずがない(例外的に志の高い記者がそれでも多くいることは救いだが)し、権力に対して本気で戦えるはずもない。

 それでも、ジャーナリズムの組織たろうとする意識が残っているだけまだマシ、という指摘もあった(青木さん)。NHKでは、そういう意識はほぼ根絶されているらしい(永田さん)。その良心が組織と経営の論理にどれだけ持ち堪えられるのか、それは残念ながら外のチカラではいかんともしがたく、こういう局面でどういう会社経営をして行くのか、現経営陣の、ジャーナリストとしての資質の問題、ということになるのではないかと思う。従軍慰安婦報道を検証する第三者委員会の人選に重要な疑義があることや、そもそも社内検証ではなく社外の人間に検証させることに疑義を持つ意見が複数のパネリストからあったことも、付記しておく。

 現状の朝日新聞が「良い会社」「立派な言論機関」であるわけではない。しかし、朝日の紙面がさらに後退してしまうと日本のジャーナリズムは今よりも確実に息苦しくなる。

 コンクリートは朽ち果てて崩壊寸前、それでも防波堤は守らなくてはならない。そういうことなのだろう。





 

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