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zoom RSS フランスで起きたエアバスA320機墜落について

<<   作成日時 : 2015/03/26 21:30   >>

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 フランスで起きた独エアバス機の墜落事故、報道されている情報を総合すると、機体はコントロールされた状況下、一定の速度と降下率をほぼ保ちながら、アルプス山中に激突した可能性が高くなっている。Flightradar24が公開している飛行データから、それがわかる。発生当日のテレビや翌日の新聞では、破壊や爆発、操縦不能や失速ではああいう落ち方にならない、という点で専門家の見方も共通している。

画像 すると、どうして? という疑問がさらに強まる。両エンジン停止の可能性に言及している人がいたが、であれば滑空でできる限り飛行距離を稼ぐために、もっとゆるやかな降下率になるはずだ。「パイロットが操作、制御しないとああいう高度の下げ方はしないだろう」と解説する専門家もいた(塚原利夫氏・日本ヒューマンファクター研究所/3月25日TBS「NEWS23」)。このコメント自体、「ある可能性」を強く示唆するものだと思った。


 15年前にアメリカで、整備不良のため尾翼の昇降舵が機首下げ位置から動かなくなり操縦不能で墜落した事故があった(アラスカ航空261便墜落事故/2000年1月31日⇒映画「フライト」の題材にもなった)。10分にわたる降下(機首下げ)という点で、一瞬この事故との類似性を感じたが、この事故では機体は最終的に失速・錐揉みに入り、墜落している。今回のFlightradar24が示すようなきれいな航跡を示しながら山に激突するというのは、不自然と言うほかない。

 現場が高山地帯のため捜索が難航と伝えられているが、海中に水没したのに比べれば捜索ははるかに容易だ。ブラックボックスの発見にそう長くはかかるまい。事実、ボイスレコーダー(CVR)は翌日すぐに見つかった。フライトデータレコーダー(FDR)はきょう現在捜索中というが、発見は時間の問題だろう。すると、墜落に至るプロセスのほとんどが、明らかになるものと思う。

 高山地帯への墜落と言えば、123便事故を思い出す。今回も、事故機は700km/hを超える高速で衝突しているから、ありとあらゆるものがちりぢりに飛散し、現場は凄惨を極めていることだろう。犠牲となった16か国の乗員乗客150人の方々に、手を合わせよう。

■副操縦士の操作で墜落・・・という衝撃的事実
 一方、きょうの昼になって、事故原因につながる大きなニュースが入ってきた。ニューヨークタイムスがフランスの事故調査当局筋として伝えたもので、事故機のボイスレコーダー(CVR)には、パイロットのうち1人が操縦室外におり、ロックされた操縦室扉を開けようとしたり壊そうとしたりする音が録音されていたのだという。驚いた。これが事実なら、発生直後に日本の専門家が示唆した「ある可能性」が現実のものとなる。パイロットの1人がパートナーを操縦室外に出した上で扉を施錠し、自ら飛行機を墜落させた可能性、である。パイロットの意図的な操作であれば、あのような墜落の仕方(させ方)は、すべて説明がつく。地上に対して緊急事態宣言などが一切なかったことも、合点が行く。

 さらに夜になって、「副操縦士が意図的に機体を墜落させた」という、さらに踏み込んだ内容がフランス検察当局の情報として報じられた。何らかの理由によるパイロットによる自殺墜落であることは、確定的と見てよいようだ。

 それにしても、普通であれば情報がなかなか出てこなくてやきもきさせられるのが常の航空事故なのだが、今回はひどく情報が速い。これを書いている26日午後9時(日本時間)の時点だと、ボイスレコーダー(CVR)の発見・回収から36時間程度しか経過していないはずだ。CVRを調査機関のラボに搬入し、定められた厳格な手順に従って開封、さらに音声データを吸い出して「パイロットの一人が操縦室外にいた」と伝えられたきょうの昼の時点では、CVRの録音内容聴取が始まってから24時間も経っていなかっただろう。拙速と呼んでもいいくらいの情報公開(あるいはリーク)の速さだ。どうしたことだろう。ここからは推測になるが、フランス当局は「事故の責任はエアバス機の設計や機体特性に起因するものではない」ということを、一刻も早く世界にアナウンスしたかったのではないだろうか。A320は去年12月にインドネシアでも墜落事故を起こしたばかりで、6年前には大西洋でも、同じメーカー製であるA330が墜落事故を起こしている。どちらも比較的安全とされる巡航飛行中に起きた墜落事故で、専門家の中にはエアバス機独特の自動操縦システムの複雑さ、理解しづらさが原因と指摘する人もいたことは事実。(インドネシアの事故の原因は特定されていないが、自動操縦システムの理解不足によるパイロットエラーが強く疑われている) 今回の事故も、大西洋やインドネシアと同じ巡航飛行中であったため、発生当初は、パイロットの誤操作やそれを誘発したとされるシステムの複雑さへの言及はあった。エアバスの製造元であるフランスとしては、こういう疑いを一刻も早く払拭し、エアバスの設計思想には何ら問題が無い、ということを表明したい意図があった。一連の素早い対応を見ているて、そのように思う。

 副操縦士が飛行機を意図的に墜落させたという衝撃的な事実。同様の事例が過去にもあった(エジプト航空990便墜落事故・1999年/シルクエアー185便墜落事故・1997年/日本航空350便墜落事故・1982年)とは言え、航空先進地のヨーロッパで、フランス・ドイツという二大国を巻き込んで起きたことのインパクトは計り知れない。今回の事件は、操縦室の扉の管理やパイロットのトイレ等での離席の基準、さらに航空機のシステム設計の思想にまで、広範な議論を呼ぶものと思う。

<つづく>【Ocean Radio@2015】






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