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zoom RSS 苫小牧沖のフェリー火災事故について

<<   作成日時 : 2015/08/01 23:00   >>

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画像 苫小牧沖で発生したフェリー「さんふらわあだいせつ」の火災事故。消化に当たった乗員1名が行方不明という大変不幸な事態になっているが、1万トン級の大型船が内部全焼、総員退船という事案の深刻性を考えれば、乗客に1人のけが人も出さずに到着できたというのは、奇跡に近い結果だと思う。船長の適切な判断・指揮と乗員の迅速な避難誘導の成果であり、それ事態は大いに賞賛されるべきである。その上で、今後検証されるべき気になる点を、いくつか挙げておきたい。

▼全乗客生還は賞賛されるべきと書いたが、これについて、船長指揮や乗員の練度などヒューマンリソースによるものと、偶然重なった幸運によるものとを、切り分けて考えるべきである。今回の件で言えば、火災発生が夜間だったら、波が高く船体や救命艇が波浪に揉まれるような状況だったら、付近を航行中の船舶がなく救命艇が長時間漂流するようなことになったら、いくつもの「もしも」が考えられる。そうなったときに、どんな被害が起こり得て、船長や乗員はどう行動すべきなのか。ちゃんとしたシミュレーションが行い、今後の教訓とせねばならない。

▼そもそも、火災はなぜ起きたのか。車両甲板積載の保冷トラックの冷凍機が疑われているが、原因は何か。機器異常による過熱か、漏電か。車両側の機器か、船側の設備の問題か。火元は激しく焼損しているだろうから特例は困難を極めるだろうが、今後のために徹底調査がなされなくてはならない。

▼火災はなぜ燃え広がったのか。初期消化になぜ失敗したのか。自動車を運ぶわけだから、火災は想定され、十分な防火対策が取られていたはずである。それが有効に機能しなかったのはなぜか。手遅れの事態になぜ陥ったのか。火災感知・消化システムが機能不全を起こしていたのか。なんらかの法令違反があったのか。それとも、そもそもの火災想定が現実と合っていない、つまり国や船会社が定めている安全基準が甘すぎだったのか。

▼こういう火災事故があった以上、現状のフェリーの防火対策に不備があるのは明らかだ。冷凍機や電源装置などの熱源には個別の火災感知器を付けるなど、追加の安全対策が早急に検討されねばならないだろう。

▼最後に、積荷のトラックや乗客の手荷物にどれほどの被害が出ているのか。どういう形で補償されるのか。命が助かったからそれでいいでしょう、という話じゃない。荷主から預かった大事な商品や、大事なマイカーやら旅荷物やら思い出の品やらが、あらかた燃えてしまったはずだ。休暇旅行で乗船していた人にとっては、たまったものじゃなかろう。輸送機関の責任と、利用者が負担すべきリスクとを切り分け、旅に潜むリスクにどう備えるべきか、メディアがきっちりと取材し、伝えるべきだろう。

以上。

 繰り返しだが、全乗客生還という結果は、世界に誇れることだ。海運立国の伝統の成果と言ってもいいだろう。けれども、その伝統の中で洞爺丸事故などいくつかの大惨事を経験し、多大な犠牲を出し、その教訓を生かそうとして来たことの結果であることも忘れてはならない。

 過去から学ぼうとしない人は、同じ過ちを繰り返す。

【Ocean Radio@2015】


画像
▲消火のため巡視船から放水を受ける「さんふらわあだいせつ」(時事通信写真ニュースより)

【追記】この事故の火災原因に関しては、1年2か月後の2016年9月、火元の保冷トラックに搭載された冷凍機内部の短絡(ショート)が発火原因で、短絡の原因は電線の不適切な結線(ねじり束ね)方法が疑われるとの中間報告書が運輸安全委員会によって公表された。同報告書は、危険物が無申告で積載されていたことや、車両を密集させた搭載方法が延焼や消火の遅れを招いたとも指摘した。また、本事故船は内部が修復され半年後の2016年2月3日に営業運航に復帰し、現在も就航中である。

苫小牧沖フェリー火災、トラック冷凍機短絡 運輸安全委中間報
 北海道苫小牧市沖で昨年7月に起きたフェリー「さんふらわあだいせつ」の火災で、運輸安全委員会は29日、出火元とみられるトラックが積んだ冷凍機内にショートの痕跡があったとする経過報告書を公表した。安全委は何らかの原因で冷凍機内に大量の電流が流れて出火した可能性があるとみて調べている。
 フェリーは昨年7月31日、茨城県の大洗町を出港した。火災は午後5時10分ごろ、苫小牧市沖を航行中に車両甲板で発生。乗客乗員の計93人は無事に避難したが、消火活動にあたった2等航海士の男性(当時44)が一酸化炭素中毒で死亡した。
 安全委によると、冷凍機を積んだトラックは車両甲板に停車。エンジン停止後、冷凍機は船本体の電源ボックスとコードで接続し、電気の供給を受けていた。
 安全委の調査によると、電源ボックス内部とコードにショートした形跡はなかったが、冷凍機は前面が激しく損傷し、内部にあるモーターの配線の一部にもショートした痕があった。
 乗員は「冷凍機前面の隙間から火と煙が出た」と証言しており、安全委は冷凍機内部のショートが原因で出火した可能性が高いとみている。
 ショートした場所の近くには配線をねじって束ねた箇所があった。安全委は「配線をねじるのは発熱しやすい危険な方法で、電気業者はまずやらない」として、ショートとの関連を調べている。
 トラックが止まった場所の一つ上の階層には、カセットこんろ用の小型ガスボンベ約1050本が積まれており、多数が破裂した。火災が拡大した要因にもなったとみられる。危険物は事前申告が必要だが、荷主は運航会社に「雑貨」と申告しており、法令違反の可能性もあるという。
 また、乗組員は消火器や消火ホースで対応したが、車両同士の間隔が狭く、うまく放水できなかったという。(日本経済新聞電子版/2016/9/29 11:13)









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