旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 海潤社「ホテルではない」〜宮の森コンドミニアム計画

<<   作成日時 : 2016/01/30 23:00   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 3 / コメント 7

 前から問題点を指摘している、札幌・宮の森でのコンドミニアム「雅殿」について、続報である。「『コンドミニアム』という名称と、開発元企業のホームページの内容からして、同物件は外国人旅行者の一時滞在施設として使われる可能性が高い。そうだとすれば住宅を偽装した宿泊施設であり、各種法令に違反する疑いが強い」と書いたところ、開発元の中国企業、海潤(ハイルン)社の担当者を名乗る方から、当ブログのコメント欄にメッセージがあった。

 端的に言えば私の指摘は誤解であり、雅殿は宿泊施設として使うことはまったく想定していない、という内容だ。いくつか引用しよう。

弊社が販売する住宅・マンション等は、ご購入いただいたオーナー様が北海道に来られる際に、ホテルではなくリラックスして生活して頂くためのものであり、いわば別荘となります。弊社が、オーナー様にご購入いただきながら、実際には、オーナー様が利用するのではなく、旅行者等にホテル代わりに利用して頂く施設として開発するものではございません。<略> 弊社ホームページに記載されていた"LONG STAY LIFE"というのも、オーナー様ご自身の滞在・生活をしていただくための物件であることを説明したものです。


 つまり、あくまで外国人が居住するためのマンションであり、居住するのは分譲購入したオーナー(区分所有者)であり、オーナーになり代わって旅行者がホテル代わりに滞在するようなことはない、ということだ。だから、都市計画法にも建築基準法にも旅館業法にも違反しない、そう言いたいのだろう。

 だが、本当にそうだろうか。別荘であれば、実際にオーナーが居住するのは、どんなに長くても年に2〜3か月だろう。それ以外の期間はどうするのか。空き家にしておくのか。そうではなく、賃貸して利益を出すつもりではないか、という疑いは残る。海外には、そういう運用を前提とした別荘が多くある。

 別荘の有休期間(オーナーが居住する以外の期間)を賃貸するケースについては国交省住宅局が指針を示しており、「知人に貸す」範囲であれば宿泊営業には該当しないが、それを超えて不特定多数が入れ替わり立ち替わり出入りするようになれば旅館業法の営業許可が必要になる。実際に去年、軽井沢の有休別荘を短期賃貸で使わせようとした旅行会社が行政から旅館業法違反を指摘され、1か月でサービス中止に追い込まれたという事例もある。だが、オーナー以外の人がかわるがわる居住する実態が生じたとしても、「オーナーの知人だ」と主張されれば、そうではないことを客観的に証明することは極めて困難だ。「知人」の範囲に明確な指標はないし、それこそネットでつながっただけでも「知人」だと言い張ることはできる。この宮の森のマンションが「別荘」だとしても、この先将来に事実上の法令違反の事態が生じる疑いを大いに含んだ、グレー物件であることは間違いないだろう。

 もう一つ、思わず笑ってしまったのは、海潤社のコメントの中の次の行だ。

弊社ホームページで用いていた「コンドミニアム」という表現がその要因ではないかと考えるに至りました。弊社としては、単に分譲マンションの意味で用いていたのですが、「コンドミニアム」には、分譲ホテルの意味もあり、むしろそちらの意味を想起させるものであることを確認しました。弊社ホームページ上の表現により混乱を招いてしまったことを深くお詫びするとともに、「コンドミニアム」という表現を訂正したいと考えております。


 つまり、「分譲マンション」という意味で「コンドミニアム」という用語を使ったことが誤解を招いてしまった、と。だが、日本語で「コンドミニアム」と言えば、家具家電やキッチンを備えて「我が家」の感覚で滞在できる宿泊施設を指すのが普通だ。日本でビジネスをやろうとする事業者がそれを知らずにコンドミニアムという用語を誤用したというのであれば、お粗末と言うしかない。けれども、真相は違うと私は思う。本当はコンドミニアム(宿泊施設)を建てる計画だったのだ。だが法令違反を指摘されて、慌てて「コンドミニアムは誤用で、正しくはマンションだ」と言い出したのではないだろうか。少なくとも、「旅行者にロングステイライフを満喫してもらう」という同社HPのうたい文句(英語)からすれば、その疑いは十分にあると言えるのではないだろうか。

 海潤社の説明が正しいという仮定の範囲であれば、宮の森の「コンドミニアム」計画は、ただちに法令違反とまでは言えないだろう。だが、相手は外国人を顧客とする外国企業である。海外でどんな営業活動をしているかを把握するのは容易ではないし、それこそ、この物件を購入した顧客に「自分が住まないときは賃貸して家賃を取れますよ」「別荘として不要になっても短期の賃貸回しで利益が出ますよ」などと触れ込んでいないとは限らない。違法行為を計画していても、それを覚知するのが困難なのだ。

 法的に合法ということであれば、住民側が取れる対抗手段は限られる。完成後の建物がどんな使われ方をしているのか、誰が住んでいるのか、違法な宿泊営業が行われていないか、実態を注意深く観察しつつ物件側と対話と交渉を持つことくらいだろう。その意味で、「面倒な相手が越してくる」ことは間違いない。

■なぜ「住宅街」に「別荘」?
 それにしても思うのは、札幌市中央区宮の森4条12丁目という、札幌市民の感覚からすればほんの少しだけハイソな雰囲気が漂う以外は何の変哲も無いごく普通の住宅地に、なぜわざわざ金持ち外国人のための別荘なぞ建てようとするのか、という点である。現地は、市民が普通の生活を営み、コミュニティを形成し、職場や学校や買物に通い、子育てや退職生活を送るようなごく普通の場所だ。そこに、自分たちとは金銭感覚がまるで違う、言葉も通じないかも知れない、しかも1年の大半が留守宅になるような外国人のための物件が建つとなれば、住民が防御的になるのは当然だと思う。周辺の住民からアンウェルカムの目で見られるようなことを、なぜわざわざやるのか。儲かるから、それだけか?

 ニセコやルスツのスキー場近くとか、洞爺湖の畔とか、富良野の農村風景の中とか、別荘向きの土地なら北海道にいくらでもある。あるいは、同じ札幌でも地下鉄沿線のように色々な人や施設が同居するような地域であれば、これほど問題視はされないだろう。そういう地域はそもそも、宿泊施設の立地が法的に可能だから、営業許可さえ取ればどうぞ、ということで済んだ話だろう。

 日本にも別荘地はあちこちにあるが、一般的にそういう場所は、「別荘だけ」が建っていて、市民が日常生活を送る地域とは隔てられている。海外でも、たいていはそうだ。市民生活の場に別荘が建つという事例は多くの人にとって「滅多に聞かない」話であることは間違いなく、それが違和感を持って受け止められるのは、当然のことだろうと私は思う。

 市民が暮らしやすい場所は、外国人にとっても暮らしやすいのだから、そこに別荘を建てたいのなら良いじゃないか、という意見もあるとは思う。一方で、宮の森上町(北1条宮の沢通りよりも山側)は持ち家率が高く、長く住むことを前提に「静穏な住環境の維持」を求める住民が圧倒的だ。都市計画法の「第1種低層住居専用地域」とは、まさにそういうマチづくりを想定した用途地域なのである。そこに住む以上は、周辺と対話し、地域のルールに同意し、コミュニティの一員となることが求められる。法的な義務ではなく、住む者のマナーとして。それを期待できない恐れのある相手には警戒のまなざしが向けられることを、海潤社はどれほど理解しているのだろうか。

 1年のうち何ヶ月も別荘暮らしを楽しめるような富裕層が、ハワイや地中海の海辺ではなく、カナダやアルプスのスキー場や湖でもなく、なぜ北海道札幌市の「ごく普通の住宅地」に別荘なぞ持とうとするのか。その疑問が解けない以上、どんな説明をされても、「ホンマかいな?」という疑いの気持ちはそう簡単に晴れるものではないだろう。

【Ocean Radio@2016】



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
海潤社・ホームページを閉鎖〜宮の森コンドミニアム問題
 先日も書いた、札幌・宮の森のコンドミニアム計画の件だが、開発に当たっている中国企業「海潤社」のホームページが、きょう午後6時現在、閉鎖されていることがわかった。開こうとしても「このウェブページにアクセスできません」と出るので、ホームページのデータごと削除してしまったようだ。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2016/02/01 18:53
宮の森コンドミニアムの何が問題なのか
 札幌・宮の森で中国企業が建設中のコンドミニアム(分譲マンション)に関する記事を掲載して以来、多くの反響をいただいている。現地では、企業側が住民の一部に非公式に説明をする機会を持つなど、動きも出ているようだ。新たにこの件に関心を持つ人も多いので、これまでの経緯と論点を簡単にまとめておきたい。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2016/02/11 01:08
宮の森中学前にもコンドミニアム計画
 札幌・宮の森4条12丁目で中国系企業・海潤社が建設中のコンドミニアム(海潤側の説明では「分譲マンション」)について何度も書いてきたが、そこから1キロほど離れたところで、まったく別のコンドミニアム計画が進行している。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2016/03/09 13:10

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
噂を聞きつけこちらのブログにたどり着きました。
まさか自分の家の側でこんなことが起きているとは。

ハイルン社のホームページが閉鎖されているということで、直接、事実確認を出来ないのですが、ハイルン社はここに俗に言うコンドミニアムを建てる事が違法と認識して、別荘を建てているのですよね?

つまり、この別荘を売り出す時に、ここは貸別荘として使う事や民泊が禁じられている地区であると、しっかりと購入者に伝えているという認識で良いのですよね?

そうなのであれば、ホームページをリニューアルする際に、その事を日本国内はもとより海外向けにもはっきり明記してもらいたいものです。

ホームページでは投資物件のように宣伝し、実際にはそのように使えない。
オーナーも地域住民をも欺くようなことがないよう、ハイルン社の誠意ある対応を期待しています。
宮の森人
2016/02/04 21:48
反社会勢力だったらどうするの?
中央区民
2016/02/05 13:33
建設現場を見てきた。
施工業者はHOP。宮の森のあちこちに家を建てていて、
宮の森の住人が、このような建物が建つことをどのように思うのかわからないのか。
下校中の子どもが歩きながら言っていた。
「栗の木もアジサイも全部取って、「森を建てよう」じゃないじゃん、壊してるじゃん」。
森の住民
2016/02/05 21:17
HOPさん
この皆さん方のコメントみていますか。
あなた方は、このような巨大な特殊な建物を建てるのに、十分な説明のないまま住民を不安に陥れたこと。
そしてこれから何十年も住む、いつかこの地に帰ってくる子供達にまで、負の遺産を残すことを。
自覚していますか。

この中国系企業と笑いながら完成を楽しみにしてるのでしょうか。
まなべ
2016/02/06 00:04
第1種低層住宅地域に建築可能な建物なのかどうか、この地域に多くの住宅をたてているHOPはどのように判断しているのでしょうか?我々の地域コミュニティを壊さない建物なのかどうか、間違いなく確認申請の用途と合致したものなのか。不特定な人の泊まる施設なら明らかに宿泊施設です。グレーな法解釈に加担して施主含む地域住民を欺くのか。ハイルン社のHP削除からして問題ないとはいえないでは?
住民
2016/02/06 21:31
住民説明会でHOPの社長さんが、私が建て主を厳選して選びました。景観に合う素晴らしい建物を設計しました。共同露天風呂は見えないように配慮しました。ニセコでも同様の建物を建てています。あなたたちは中国の方が入居するので反対しているのですか?宮の森に外国人専用の共同露天風呂付きの別荘を建てて何が悪いのですか?と言ってました。
200人近く集まった住人から呆れられていました。
HOPの社長さん、これじゃ今までHOP社で宮の森に家を建てた人に対する背信行為じゃないですか?

住民
2016/03/09 22:47
説明会の際、そんなことがあったんですね。
HOP社長の言葉、とんでもないですね。
ここは一般住宅地、小学校も近く子供達も通る場所なんですよ!
外国人、特に問題の多い中国企業の建物ができることに不安を感じ嫌がるのは当然でしょ!
「何が悪いのですか?」なんてよく言えますね!
説明会行けなかった
2016/03/10 11:33

コメントする help

ニックネーム
本 文
海潤社「ホテルではない」〜宮の森コンドミニアム計画 旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる