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zoom RSS ANAのA380導入について・・・その2

<<   作成日時 : 2016/01/04 23:00   >>

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画像 元日の日経が抜いたANAのA380導入計画の件、読売がすぐさま電子版で追いかけ、きょうの朝日新聞にも追いかけ記事が出ていた。日経から3日遅れの後追いだが、そこそこ詳しく解説されていて、なるほど、と思う中身になっていた。各社の経済部記者がこの短期間に裏取りでき、記事を発信できたということは、ANA社内ではA380の導入は既定路線、正式発表も間近。それを新年のお年玉代わりに日経に抜かせた(社公認で誰かが日経記者に喋った)ということだろう。よくある話である。

 それにしても、各社が報じるA380計画の中身には、いくつか疑問に思えることがある。3つ指摘しておく。

1. なぜ3年後なのか
 各社の報道では、導入時期は2018年度となっている。実質今から3年後だ。なぜ、こんな先の話なのだろう。Fly Team が報じたように、スカイマークがキャンセルした機体を引き取るのであれば、機内仕様や塗装の変更など、数ヶ月あれば十分なはずである。乗員や整備士も、ANAで導入済みのA320の要員を充てれば、数ヶ月で済むはずだ。同メーカー間の資格の共通性がエアバス機のウリだ。要員確保に何年もかかる話じゃないだろう。

 もちろん、エアラインにとって新しい機材を入れるというのは、クルマを買うのとわけがちがい、何年もかけて導入準備をするのが普通だ。B747をやめ、中型機を中心にフリートを構成してきた機材計画にいきなり超大型機を入れるとなれば、投入路線をはじめサービスや販売面で大幅な変更を強いられることになり、PBBや誘導路拡幅などの空港整備も必要(特に羽田)、その体制構築には時間がかかる・・・という話もわからなくはない。が、3年は時間がかかり過ぎではないか。

 もちろん、まったくの新造機を発注するのであれば受領まで3年程度かかるのは普通だが、そうだとすれば逆に「カタログ価格の半額程度とみられる」(朝日新聞)との情報と整合性がない。スカイマークが放り出した機体を格安で購入できるからこそ、できた決断ではないのだろうか。

 新造機かキャンセル機(エアラインで就役したわけではないから中古機ではない)か。導入時期は。わからないことが多い。

2. なぜ3機なのか
 報道されている3機という導入機数も、ANAというエアラインの規模から見れば疑問だ。B777やB787を数十機単位で揃えるエアラインである。たった3機のために要員や交換パーツを準備し、地上設備を建設するというのは、どう考えても効率が悪い。

3. なぜホノルル線か
 A380の導入対象とされる路線がホノルル線と報じられているのも、疑問だ。確かに需要は見込めるし、JALに対して供給過少なのも事実。片道が7〜8時間だから、1機で1日1往復でき、機材効率もいい。だがしかし、ホノルル線のようなリゾート路線は乗客の圧倒的多数がエコノミー利用だ。季節変動も大きく、オフシーズンには運賃を大幅に下げなければ席が埋まらない恐れがある。JALがホノルル線をB747で運航していた時代、搭乗率は年間を通して高かったが、オフシーズンは破格の団体運賃で乗る客が多くを占め、収益率は非常に低かったとされる。その轍を踏む危険性はないのだろうか。(市場に合った運賃で乗せて収益を上げられないエアラインに問題があると書いたことがあり、その考えは今も変わらない。が、日本のエアラインはそもそも「豊作貧乏」に陥りやすい体質を抱えていることは確かで、JALもANAも大型機の投入路線を厳選しているのは、それを警戒してのことなのだ)

 A380のような超大型機の投入路線は、普通に考えれば、ニューヨークやシカゴ、ロンドンやフランクフルトといった、欧米のビジネス路線だろう。こうした路線は、キャビン面積の4分の3を上級クラスが占めるほどの高収益路線だ。運航距離が伸びれば伸びるほど、乗員のやりくりや地上ハンドリングの点で、機材を大型化して便数を絞るメリットが出てくる。たとえば、成田発1日2往復のニューヨーク線をA380で羽田発1日1往復にするようなやり方だ。アクセスのよい羽田なら、1日1往復になっても利便性は下がらないし、地方発でも同日乗り換えが可能だからだ。

 A380の経済性ならホノルル線でオフ期に運賃を下げても収益を確保できるとか、日本人乗客なぞあまり重視せず、北京や上海発の旅客を羽田・成田乗り換えでハワイへ大量輸送する、などという戦略を描いているとしたらたいしたものだが、そういうことが可能なのかどうかは、よくわからない。

 以上ざっと見たように、ANAのA380導入報道にはよくわからない点が数多い。正式発表がいつになるかはわからないが、その段階で驚くような事実が出てくることも十分あり得ると思う。

 新型機をいち早く手に入れたがるANAが、今頃になってのA380導入である。その真意は、そう簡単にはつかみかねるというのが、誰しも思うことではないだろうか。

【Ocean Radio@2016】


【追記】
 上記の3つの疑問に対して、Aviation Wireは「なぜANAはハワイ路線にA380を導入するのか」という記事を掲載し、疑問を解こうとしている。簡単に言えば「A380を“引き取る”となれば、ハワイ路線くらいしか選択肢がないという状況でもある」ということ。こんな消極的理由で本当に「世界一の大型機」を導入するというのだろうか。やはりよくわからない。そこまでムリをしてでもスカイマークを傘下に入れたかった。そういうことか。


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