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zoom RSS 運転手の時給892円・・・軽井沢バス事故の背景にあるもの

<<   作成日時 : 2016/01/21 23:00   >>

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画像 軽井沢で大事故を起こしたバスの運転手(死亡)の賃金は、1行程で25,000円だったのだそうだ(毎日新聞などによる)。どれだけ過酷な勤務だったかを想像してほしい。

 予定では、午後11時に東京・原宿を出発して、長野県の目的地着が翌日午前7時半。折り返しの出発が午後3時半で東京着が午後9時半だった。勤務はこれだけではない。バスの事業所(車庫)は原宿から約40キロ離れた東京・羽村市にある。一般道でバスを回送するには片道2時間、往復4時間は見なくてはならないだろう。出発前点検や帰着後の車内清掃の時間も必要だ。それらを含めれば、午後8時に出社して翌日午前0時ごろの退勤、拘束時間は28時間くらいになったはずだ。

 時給にすると、892円。最低賃金すら下回ってしまう(東京都の最低賃金は時給907円)。

 労基法上、休憩時間は労働時間に含まなくてよいので、実際の時給が最低賃金違反とまでは言えない。現地で8時間のインターバルのうち、折り返し準備や配車待機の時間を除くと、実際に休憩できるのは6時間くらいだろうから、実働時間は22時間程度と推定できる。すると、時給1136円。都内の飲食店アルバイトと同程度だ。大勢の命を預かる、過酷で責任の重い仕事が、こんな低賃金でいいの? と思わぬ人はいないのではないだろうか。運転手をこんな低賃金で働かせないと成立しないスキーツアーとは一体何なのか。

 事故を起こしたツアーの料金は、往復バスとホテル1泊にリフト券も付いて、1万3000円程度だったそうだ。この価格を見て、誰かが不当に買い叩かれている・・・そう考えた人はいなかったのだろうか。簡単な計算だ。スキー場のホテルで1泊2食なら、一部屋数人で泊まってどんなに安くても、1人5000円はかかって当然だ。リフト券も、団体割引で2日間なら6000〜7000円はするのが普通だろう。すると、バス賃はいくらか、旅行会社の事務手数料はどこから出るのか、という疑問が出て来て当然ではないか。不当な低価格を押し付けられ、泣く思いで引き受けている人がいる、ならば安全性に不安もあるのではないか。ツアーに参加した大学生は、そういうことに一切想像力が及ばずに、バスに乗り込んだのだろうか。

 この事故は、安さを求める「利用者」と、法令を守らない「バス会社・旅行会社」、管理監督の責任を放棄した「交通行政」という、共犯の三角関係が引き起こしたものと言えるのではないか。

 競争促進政策で事業者の数が増えれば、価格の低下と引き換えに、行政の目は届きにくく、悪質業者がはびこりやすくなる。当たり前のことだ。事業者の責任が最も多いのは言うまでもないが、その背景に目を向けなければ、同じ事故は繰り返される。

【Ocean Radio@2016】




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