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zoom RSS 短期滞在でも「賃貸契約」・・・違法の疑いが強いウィークリーマンション

<<   作成日時 : 2016/02/09 23:00   >>

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画像 ホテル不足でウィークリーマンションに泊まる人がいるが、旅館業法違反施設である可能性が高い・・・という話を先日書いたのだが、気になったので少し調べてみた。現時点でわかる範囲では、「ウィークリーマンション」「マンスリーマンション」と呼ばれる物件の少なくとも一部は、旅館業法上必要な営業許可を受けていない違法宿泊施設である疑いが強いと、私は思う。

 一例を紹介しよう。

 ネットで「ウィークリーマンション 札幌」などと検索すると、宣伝を含め、いろいろな情報が出てくる(画面右)。そのトップに表示される「グッドステイ」というサイトをクリックすると、全国の地図が表示され、希望の地域から希望の物件を選ぶことができるようになっていた。不動産サイトの賃貸物件探しと同じだ。試しに、札幌市の中心部・地下鉄大通駅で検索すると、3件の物件がヒットした。

画像 入居に際しては、空室確認・予約した上で、メールまたはFAXで送られてくる入居申込書に必要事項を記入して返送し、入居期間分の賃料を前払いする。入居申込書は必ずプリントアウトして郵送またはFAXしなければならないとのことなので、署名・捺印する欄があるのだろう。「契約者」「入居者」「連帯保証人」の名前、住所、性別、生年月日、連絡先、勤務先情報、契約者との続柄を記入せねばならず、運転免許証、パスポートなどの顔写真付の公的身分証明書の写しも添付しなくてはならないというから、ホテルのチェックインなどに比べ書類上の手続きはずっと厳格だ。しかし、書類審査にパスした時点で「定期建物賃貸借契約」が締結されたことになり、入金さえ確認されればその後の段取りは極めてシンプルで、鍵の受け取るための暗証番号が伝えられ、物件に直接行けばいいらしい。オフィスなどの窓口に顔を出す必要は無く、書類さえ揃えば申し込みから即日入居が可能らしい。入居は7日間から364日までで、7日以上であれば1日単位の契約も可能とのことだ。


■1か月未満のウィークリー契約は旅館業法の適用対象
画像 あれ? と思ったのは、最短7日という短期の利用が可能だという点だ。利用期間が1か月未満のウィークリーマンション等は旅館業法の適用対象とされる、という話を聞いたことがあったからである。詳しく解説しよう。

 一般的に、住宅施設(賃貸契約)か宿泊施設(宿泊営業)かを区別するポイントは次の4つとされていて、これら全てに当てはまる場合は、旅館業法の営業許可を受けなくてはならない。

@ 宿泊料を受けていること 
A 寝具を使用して施設を利用すること
B 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること
C 宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること


 まず@だが、これは「宿泊料」という名目でなくとも、「賃料」「リネン使用料」「暖房代」など、施設使用の対価と見られるものなら、すべて該当する。Aの寝具は、ホテルのように営業者(施設側)が提供するものだけでなく、利用者が持ち込んだものも含まれる。Cの「生活の本拠を有さない」は、そもそも出張客や旅行客を対象とし、住民票を置くことも断っているくらいだから、生活の本拠ではないことは明らかだ。グッドステイのような営業形態は、@ACには該当することが明白だ。

 微妙なのはB。「施設の衛生管理上の維持管理責任」とは、リネンを交換するとか室内を清掃するとか、そういうものを指す。グッドステイの場合は、リネン交換や室内清掃を行わず、「日々のお部屋のお掃除に関しましては、掃除機をお部屋に設備として完備しておりますので、ご入居者様自身にてお願いしております」とすることで、衛生管理上の維持管理責任は営業者ではなく利用者にある、ということにしているようだ。しかしこれについては、1988年の厚生省生活衛生局の課長通達で、「一〜二週間程度という一月に満たない短期間のうちに、<略>不特定多数の利用者が反復して利用するものであること等、施設の管理・経営形態を総体的にみると、利用者交替時の室内の清掃・寝具類の管理等、施設の衛生管理の基本的な部分はなお営業者の責任において確保されていると見るべき」[通達;昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知])との通達が出され、以降これが行政上の定見となっているのである。つまり、短期間で入居者が入れ替わる施設の場合、入退去時の清掃点検が頻繁に行われることから、施設の衛生管理上の維持管理責任は営業者にある。

 「利用期間が1か月以内のウィークリーマンション等は旅館業法の適用対象」というのも、このときの通達に「一月に満たない短期間のうちに」という言葉があることが根拠となっているらしい。つまり、グッドステイのような営業形態のうち、少なくとも契約期間が7〜30日のものは@ABCすべてを満たすことになり、住宅施設のホテル転用と言える。旅館業法の営業許可を受けなければ旅館業法違反(6か月以下の懲役または3万円以下の罰金)となる疑いが非常に強いのではないだろうか。

 たまたま、検索トップに出てきたグッドステイを例に挙げたが、1か月未満の短期滞在で旅館業法の営業許可を受けずに「ウィークリーマンション」などと銘打って営業している施設やサービス業者は、みな法令違反だろう。例に挙げたグッドステイは、東京都知事の免許(東京都宅地建物取引業協会会員 東京都知事免許(5)72267)を受けた、れっきとした宅地建物取引業者だ。このようなサービスを始めるに当たり、法理面をどのように検討したのか。もしかしたら私の不勉強で、1か月未満の短期滞在も宅建業法で可とするような例外規定があるのか、知りたいところだ。
 
■背景はホテル不足
 とは言え、本稿の趣旨は、こういう違法ウィークリーマンションを見逃すな、取り締まりを強化せよ、と主張することではない。このような違法サービスが出てくる背景に、日本中の都市部で起きている慢性的なホテル不足があることは間違いなく、それに対して有効な手立てを打つことは行政上も急務だと思うのである。そうでなければ、訪日外国人をはじめとする旺盛な旅行需要を取りこぼし、消費の伸びを鈍化させることになりかねない。とは言え、ホテルの数を急に増やすなんてことはできることではなく、既存住宅の有休物件などを宿泊施設としてうまく、合法的に活用して行く以外に方法はないのではないかと私は思う。

 しかし、なし崩し的に現状行われている住宅のホテル転用を認めてしまえば、厳しい規制を守って営業許可を受けているホテルや旅館から不平不満が出る。第一、利用者が施設側と一度も面談せずに居室に出入りできるような構造は、治安の点でも風紀の点でも良くないだろう。契約上の居住者(宿泊者)以外が出入りして居着くことを、どう防止できるのか、ということである。

 たびたび例に挙げるが、前述のグッドステイの場合、滞在先として用意される施設は「ご利用いただくお部屋以外のお部屋では、一般賃貸としてご入居されている方や、分譲マンションとしてご購入してご入居されている方も多くいらっしゃ」るのだそうだ。入居人集めに苦労している賃貸マンションのオーナーや、自分が住まなくなったマンションを高収益で運用したい区分所有者が、グッドステイに部屋を提供しているのだろう。あるいはグッドステイ自身が、「ウィークリーで貸せば高収益でっせ」と営業をかけ、マンションを建てさせたり買わせたりしているのかも知れない。生活の本拠としている一般居住者や区分所有者から苦情が出ないのか。そもそも、旅行者向けの短期回しがマンションなどの管理規約とどう折り合うのか、これも気になるところだ。個人的には、住所を定めて普通に暮らす住民と、1〜数週間で出入りを繰り返す旅行客とが一つの建物に、まして同じフロアに混住するのは、どう考えても不自然で無理筋だと思うが。
画像

 安全性や風紀の維持を担保した上で、既存の宿泊営業者も不公平感を抱かぬよう、住宅のホテル転用を認めて行くためには、かなり高度な議論が必要だ。が、外国人向けの民泊問題ばかりが注目され、足下で日本人向けに堂々と行われているウィークリーマンションに関する議論は、ほとんどされていないと思う。まずは、違法の疑いが強いマンションの短期(1か月以内)賃貸営業が多くの業者によって広く行われている現状認識が、何よりも必要ではないかと思う。
【Ocean Radio@2016】






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