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zoom RSS 「急行はまなす」最後の旅【4】・・・はまなす廃止で不便になる札幌〜本州往来

<<   作成日時 : 2016/02/12 23:30   >>

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画像 急行はまなすが、道央・道南と北東北を往来するのに非常に便利な列車だったことは、さきほども書いた。残念ながら、夜行便の廃止でこのルートを往来する利便性は大幅に後退してしまう。

 夜行はまなすの利用を前提とした場合、午後10時に札幌を出て青森着が6時19分。ここで普通列車で新青森に移動して新幹線はやぶさ8号に乗り継げば盛岡着が7時54分。秋田に10時24分。東京にも10時28分に着く。東京はともかく、盛岡までなら航空機と比べても利便性が高いと言えるだろう。しかし夜行列車が使えないとなると、札幌発午前6時のスーパー北斗2号を使うほかなく、新函館北斗で新幹線はやぶさに乗り継いでも新青森着が10時37分、盛岡が11時44分、東京が午後2時4分だ。はまなす利用よりも3〜4時間到着が遅くなってしまう。夜行移動の体力的なキツさは置いておくにしても、青森や盛岡で朝から動き回りたい人にとっては、不便になることは間違いないだろう。


画像 札幌〜青森の夜行列車の存在意義はそれなりにあり、だからこそ28年間、はまなすは堅調な需要に支えられたわけだが、廃止により移動手段を失い不便を強いられる人たちがそれなりに発生することになる。

 はまなす廃止の代替として札幌〜函館の夜行運転(かつて「快速ミッドナイト」が運転されていたので、正確には「復活」)を期待する声もあったが、札幌〜東室蘭のはまなす代替として札幌発午後10時の特急すずらんが新設されたのみで、札幌〜函館の夜行復活はなかった。札幌〜函館であれば、昼間の「北斗」に使われるディーゼルカー(キハ183/キハ281/キハ261)を走らせればよく、技術的なハードルはまったくないはずだが、それでもやらないと言うのは、乗務員のやりくりや車両のメンテナンス、ディーゼルカーを昼夜連続運用させて走行距離がかさむことによる寿命の短縮(更新時期の前倒し)など、経営上の理由があるのだろう。  

 残念ながら現在のJR北海道は「需要があるから」「必要とされているから」という理由だけで列車を維持できるような企業ではなくなった。鉄道事業で慢性的な赤字を抱える会社である。特に2011年以降、特急列車のトンネル火災やレールのメンテナンス偽装発覚などが相次いで発生し、安全投資の増大のため赤字金額が営業収入の半分を超えるなど、鉄道単体の経営はとても立ちゆかない状況にまで来ている。2014年度の鉄道事業単体の収支は、756億円の収入に対して1171億円の経費が発生し、414億円という大赤字だ。加えて、北海道新幹線で年間48億円の赤字を背負ってしまう。

 こういう経営環境の中では、道内在来線に関して、特に札幌圏以外に関しては、最小限の投資で公共交通として最低限の役割が果たせればそれで良い、サービスダウンもやむを得ない、そういう判断に至ったのだろう。新系列の高性能特急車両(キハ285)の開発が中止され、安価なキハ261の増備で代替されることも、寿命がとうに到来していると思われるキハ183を使い続けることも、道内特急の最高速度が130km/hから120km/hに下げられて到達時分が伸びていることも、地方線区での減便や駅の廃止を続けていること、路線廃止の話がぞろぞろ出て来ていること、デュアルモードビークルによる地方線区維持の計画が断念されたこと、これらはすべて、そういう経営判断の結果と言えるだろう。もはやJR北海道は、サービスアップのニーズに答えることは絶望的と言っても良い経営状態なのだ。(ちなみに北陸新幹線/長野〜金澤は年間31億円の赤字が出るとされているが、鉄道事業で3180億円<2014年度>の黒字を計上しているJR東日本とは比較にも何もならないと言うべきだろう)

 そう考えると、北海道民にとって(莫大な赤字とセットの)新幹線開業が本当に喜ぶべきことなのか、と思えてくる。


【Ocean Radio@2016】



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「急行はまなす」最後の旅【3】・・・「はまなす」が廃止される本当の理由
 はまなすの廃止は北海道新幹線開業によるものと説明される。具体的には、青函トンネルを含む海峡線(木古内〜蟹田)の電圧が新幹線電車用に昇圧され、JR北海道が保有する現在の電気機関車(ED79)では運転できなくなる点だ。トンネル自体は在来線との共用のため客車の通過には支障がないが、機関車だけは新型が必要になる。同じくトンネルを通過する貨物列車を運行するJR貨物は新型式の電気機関車を導入するが、はまなすだけのために新車を導入できる余裕は、JR北海道にはない。JR貨物にはまなすの牽引を依頼したもの... ...続きを見る
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2016/02/14 12:59

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内 容 ニックネーム/日時
はまなすの廃止はもったいないと個人的には感じる。JR北海道の営業戦略で北海道新幹線開業はどうなのかと予想するのは私だけではないはずだ。はっきり言って北海道庁の無能役人の勉強不足にはとんでもない大馬鹿者が多いのはともかく、見栄っ張りの国会議員が勉強不足を棚に上げて馬鹿の人覚えのように新幹線を要求するのだから始末に終えないで、北海道民は在来線の保線費用の増額が本音なのに北海道の過酷な温度では線路の保線に
手間がかかると知人からきいた。しかし鉄道関係の予算が少なく鉄道の特定財源が皆無に等しく個人的には国土交通省の新しい特定財源を新設してほしいのが本音である。道路特定財源とその他の特定財源を統廃合すればよいのであってはっきり言って道路整備費用なんて年度末の無駄工事を廃止すれば捻出できるのである。足りない費用は道路整備を目的とした宝くじを発行すればよいのであるとみんな思っているはずだ。本当に北海道新幹線は必要なのか?貨物列車の速度がはっきり言って遅すぎる110kmの速度なんて時代遅れであるし最低でも130kmはほしいところだモーダルシフトを前提にするのならこの速度は必要であるし130kmの速度があればトラック運転手の苛酷な運転環境が改善できるのは明白である。
こんな劣悪な(トラック運転手達の)環境にしたのは国労の馬鹿で自己中心な行動が元凶である。
キサラヅEF200
2016/09/07 19:33

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