旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

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zoom RSS 札幌ドームと札幌市営地下鉄

<<   作成日時 : 2016/10/21 23:00   >>

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 前例の無い方式を採用し、開業当初は大いに自慢し、各方面から称賛されたものの、年数が経過してみると維持費がかさみ、デメリットがあらわになって苦悩する・・・「日本初」(そして地下鉄道としてはいまだに「日本唯一」)のゴムタイヤ案内軌条方式を採用した札幌市営地下鉄と、どこか似ている話ではないだろうか、と思う。札幌ドームの話である。同所を本拠地とする北海道日本ハムファイターズが、自前の球場建設の候補地として北広島市を検討していることが報道された。


 札幌ドームの最大の特徴は、サッカーと野球、両方の試合が開催可能なことだ。そのために、天然芝のサッカーグラウンドをドーム内に引き入れて回転させる「ホバリングサッカーステージ」という複雑で非常に高価な機構が導入さている。さらにサッカー場に転換させるためには野球用の人工芝をすべて巻き取らねばならず、芝の傷みも早いのだという。また、その人工芝は巻き取り収納が可能なショートパイル式しか採用することができず、選手たちが身体への負担を訴える理由にもなっている。(プロ野球の本拠地球場でショートパイル人工芝が採用されているのは札幌ドーム以外にナゴヤドームと千葉マリンスタジアムだけ) 

 今年5月、球団が札幌ドームからの本拠地移転を構想していることが明らかになった当初は、「あり得ない!」と思った。どこに移るにせよ、ドーム建設には巨額の建設費と維持費がかかる上に、ドーム球場ほどの大規模施設になれば立地も限られ、札幌ドームほどアクセス条件が整った場所は見つかるまいと思ったからだ。利用者からすれば、札幌ドームのアクセスが決して良いわけではないのだが、札幌に住む者からすれば地下鉄で行けるという利便性に優るものはない。球団が自前で新球場を作るにしても、ドームよりはアクセスに劣る立地にならざるを得ず、そうなると観客動員数は大幅に減ることが目に見えており、そういう選択はとてもできないだろうと思ったのだ。

 ところが、その後いろいろ報道されているのを読むと、球団側のドームに対する不満には相応の合理性があるように思えるようになってきた。中でも元凶は、サッカーと野球のハイブリッド方式に起因する人工芝の質の悪さや野球場としての使いづらさにあるということであれば、日ハム球団にドームに残ってもらうためには野球専用に施設を作り替える以外にない。札幌ドームのフィールドには何度か立ったことがあるが、確かに人工芝の地面は硬く、ここで跳んだりはねたりは身体に負担だろうな、というのはよくわかる。が、ドームでサッカーをやらないというのは、ドーム建設の理念そのものを、捨て去ることでもある。

サッカーW杯会場として計画された札幌ドーム
 そもそもの話をすると、あのドームはもともと、2002年のFIFAサッカーワールドカップを誘致するために建てられたものなのだ。その際に、単独のサッカー競技場としては経営的に成立しないので、野球を含む多目的施設とした。コンサート会場や中古車展示会場としても使われている。札幌ドームにとっては、メインはサッカーであり野球は後付けだったのである。実際、2002年のW杯会場として新設されたサッカー場が軒並み赤字に苦しんでいる中、札幌ドームは黒字経営を続けている。だが、球団としては多目的施設であることがそもそも不満だ。野球専用にしてくれ、でなきゃ自分らで作って出て行くぞ、と言っている。

 日ハム球団がなぜ北海道に来たかと言えば、ドームを安定的に使ってくれる顧客として札幌市が営業をかけ、それが功を奏したからである。その球団が出て行くと言い出せば、全力で引き留めなくてはならない。かと言って、ドームを野球専用にしてしまうと、Jリーグのコンサドーレ札幌の試合会場として使用できなくなる上、国際試合が可能なサッカー会場が北海道からなくなってしまう。コンサートなどのイベント会場としての使用も制限されるだろうから、有名アーティストのコンサート会場確保が今よりさらに難しくなるだろう。もう一点。球団はドーム使用料年間13億円が「高い」と言っているようだが、球団が出て行ってその収入がなくなればドームは赤字経営となり、その赤字は札幌市民が税金で負担しなくてはならない。

 この話は、1990年代から始まるドーム建設構想とサッカーワールドカップ誘致という、20数年の長い時間軸の中で見ないと全体像が把握できないことなのだ。簡単な話ではないが、市民として、納税者として、関心を持とう。

【Ocean Radio@2016】


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