旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

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zoom RSS 引きずり降ろし・・・ユナイテッド騒動から見えること

<<   作成日時 : 2017/04/13 23:00   >>

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 我が目を疑った。男性客が男3人に囲まれ、狭い通路を引きずられるように運ばれている。口からは血を流している。「ひどい」「なんてことするんだ」という声が通路に響く。シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行のユナイテッド航空3411便(Embraer 170/登録番号 N632RW/運航会社=Republic Airlines)で今週日曜夜(4日9日/現地時間)起きた出来事は、乗客が撮影した一部始終がネットで公開されたことで瞬く間に拡散し、大炎上する騒ぎとなった。


 報道などによれば、この便は満席で出発する間際にUAの社員4名を便乗させる必要が生じ、乗客4名を降機させることになったという。便乗する4名の社員とは、翌日にルイビル発の便に乗務する乗員だった。便の振替に応じれば400ドル、続いて800ドルの利用券を提供する旨がアナウンスされたが応じる乗客はおらず、4名をコンピューターでランダムにピックアップして強制的に降機させることになったという。オーバーブッキングなどによる強制降機はFAAの指針でも認めらた手段で、輸送約款にもその旨の記載があるそうだ。選ばれた最初の3人はすんなり応じたが、最後の1人である男性乗客が頑なに降機を拒否。そこでUA側は空港の保安当局に連絡し、3人の警備担当者が乗客を座席から引きずり出し、強制排除するに至った。男性は引きずり出される際に肘掛けに顔面を強打して出血し、鼻を骨折し、歯が2本折れた。この男性乗客は中国人の医師で「翌朝に患者を診察するアポがある」と述べて降機を拒否していた。この便は定刻から2時間遅れの午後7時40分にシカゴ・オヘア空港を出発し、午後10時1分にルイスビル空港に到着した。

 犯罪容疑者でもない乗客に降機を命じた上に重傷を負わせるとは論外の行為であることは、言うまでもない。が、当時のUA側の理屈を検討するに、こういうことではないかと思う。「オーバーブッキング等で座席が不足する場合、エアライン側が乗客に搭乗拒否または強制降機する権限を持つ。これはFAAの指針に沿ったものであり、乗客が同意した輸送約款にも記載されていることである」「現実に座席が不足している以上、誰かに降りてもらわねばならない。希望者がいない以上、コンピューターでランダムに対象者を選ぶのが最も公平な方法であり、選ばれた人は手段を選ばず降機させるのが公平な契約履行である」と。

 だからと言って、ケガをさせるのは明らかに一線を越えている。当事者の男性乗客はUAを訴える方針で、損害賠償は莫大な金額になるだろう。風評による株価暴落などを害を含め、UAは重い代償を背負うことになる。

オーバーブッキングは日本のエアラインでも行われているが・・・
 ところで、今回の件で気に留めておきたいのは、オーバーブッキングは日本のエアラインでも日常的に起きているということ。エアラインとしては、収益性を高めるためにはできる限り満席に近い状態で出発させたい。そこで、NO-SHOW(予約しても現れない乗客)を見越して座席数よりも多く予約を受ける(オーバーブッキング)わけだが、これは国交省も認めているエアラインの営業手法である。だが、読みがはずれ(NO-SHOW乗客が想定よりも少ない)て座席が足りなくなることが、実際に起きている。そのため、そういう事態で自主的に搭乗便の変更に応じる人を募るころになるが、これが「フレックストラベラー」というもの(よくわからないネーミングだが)で、同日便に振替の場合は現金1万円(または7500マイル)、翌日以降の場合は現金2万円(または15000マイル)と宿泊費というのが条件だ。JAL・ANAで条件が統一されているのは、振替条件の高騰を防止して収益を確保するためなのだろう。

画像 では、実際にどれくらいのオーバーブッキング(積み残し)が発生しているのか。国交省がデータを公表しているデータを元にまとめたのが、右表だ。これによると、オーバーブッキング等で座席が不足する割合はJALが1万人に1人、ANAは1万人に対し2.45人。確率にするとJALは0.01%、ANAは0.0245%である。これに対し自主的に振替に応じる人を募るわけだが、それでも協力者の数が足りずに強制的に搭乗拒否となるケースが生じているようである。その割合は、JALが1万人あたり0.3人(10万人に3人)、ANAが1万人あたり0.41人(10万人に4.1人)。国内線で最も座席数が多いB777-300(約500席)が60回運航して、搭乗拒否となる者が1人いるかどうか、という割合だ。しかも、自分がその当事者となる確率はさらにその500分の1ということになる。天候不良や機材ぐりなどによる欠航や遅延のほうが、はるかに確率が高いと言える。

 オーバーブッキングによる搭乗拒否に遭わないためには事前座席指定と早めのチェックイン、早めの搭乗が有効、と言われているが、国内エアラインに関しては、その心配はまずないと言って良いほどの確率の低さである。

【Ocean Radio@2017】

画像
▲定期航空便のリアルタイム追跡ができる「Flight Aware」に記録されていたUA3411便の飛行状況。


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