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zoom RSS 山下達郎コンサートに行って来た(2017.8.19 苫小牧市民会館)

<<   作成日時 : 2017/08/20 23:00   >>

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 山下達郎のコンサートに行って来た。札幌から1時間15分のドライブで、苫小牧市民会館まで。

 タツローのコンサートチケットのハードルの高さは世間でも有名な話で、一般発売は全国どの会場も即日完売である。最近は抽選方式が導入されたので発売日初日にネットにかじりつく苦労からは解放されたが、抽選結果を待つのは、まるで宝くじの発表を待つような気分になる。東京時代に何度も申し込んだが、結果はすべて玉砕だった。この夏は、札幌・苫小牧・網走という3か所をめぐるツアーが組まれたので、倍率が低そうで、かつ札幌からも行きやすい苫小牧に狙いを絞ったら、幸運にもチケットを入手できた。タツロー歴31年にして、初のライブ参戦である。

 すごいライブだった。まず、ステージセットがすごかった。1960〜70年代のアメリカの路地裏を再現したと思われるセット。頭上にはトラスで組まれた高架線路。そして照明がすごい。特に「クリスマスイブ」で披露された幻想的なライティングは、一言「カネかけてるな」である。「地方ライブはやればやるほど赤字」とぼやいている某アーティストのライブに慣れている目からすると、「全会場満員御礼」が計算できると、これだけカネをかけれるものか、と皮肉の一つも言いたくなる。

■音質の良さはまるで「室内楽」
 イヤミはここまで。ライブの内容は、素晴らしいの一言。まずもって、音質がメチャクチャよかった。聞き慣れている某アーティスト(面倒なのでKと仮称する)も音へのこだわりはタツローと勝るとも劣らないと言われる職人肌だが、残念ながらきのう聞いた音質はKのライブより数段上、と思った。席が1階席のど真ん中、PA席の真前だったという幸運もあるが、ギター、ベース、ピアノ、シンセ、オルガン、一つ一つの音像が浮き上がるように聞こえ、演奏者の手の動きと完全にシンクロする。クラシックの室内楽を聞いているような感覚にさえなった。

 ここまで音が良い理由の一つは、楽器を絞って音構成をシンプルにしているからだろうと思う。シンプルにすれば、良い音を出しやすくなる。楽器を増やせば、派手さは出るが音のまとまりがなくなり、コンサートホールのように様々な変動要素(観客数、服装、温度、湿度等々)を抱える場所で理想的な音を出すのは難しくなる。(それでもKのライブだって、バツグンに高音質ではあるが) MCで話していたが、タツロー氏は録音音源との同期演奏は基本的にやらない主義なのだという。今回のライブでも同期が登場したのはアカペラコーラスなどごく一部のみ。同期(本人はテープと呼んでいたが、実際はコンピューター制御のメモリ音源を使用するのでテープから音を出しているわけではない)を採用しないとなると、レコードと同じようには再現できない楽曲も出てくるが、そういう曲は原則的にライブではやらないそうだ。ライブ向けにアレンジを変えたりはしない。ライブはレコードの「完全な再現」でなくてはならない、というのが氏の信念のようだ。同期を多用し「クリックに支配されている」(小林信吾氏談)とまで言われるKとは、この点が完全に異なる。

 Kのライブに関しては、せっかく腕利きのミュージシャンをバックに揃えているのだから、同期なんか使わないでシンプルにアレンジを組み直して、ステージ上で出せる音だけで勝負してほしいと思うこともあるのだが、そうすると音に派手さはなくなるし、にぎやかな音壁でガンガン攻め倒したい、という思いもわからなくはないから、ここは好みの、というより価値観の話になってしまう。

 セットリストを書き出してみると、80年代の曲が多い。そして、古い曲ほど聴衆の反応も良い。「この頃の曲はライブで再現しやすい」という理由があるようだが、古い曲を昔のままのアレンジで今もまったく違和感なく演奏できる、聞けるところに、このアーティストの完成度の高さ、があるのだろうな、と思う。そして新しい曲も、基本的には70〜80年代の雰囲気と何ら変わることがない。

 ずっと変わらないタツロー品質、プライド、パッケージ、それこそが、この人がこれだけ高い人気を保つ源泉なのだろうと思った。

 何度もKの話を出すが、彼にとって80年代は、まだまだ未熟な習作期で、ヒット作や評価の高い作品もあるけれども、今の本人からすると到底納得できるものではないのだそうだ。だから、当時のままの形を出すことには躊躇するし、そこにファンとのギャップは否応なく生じてしまう。K自身、山下達郎から大いなるインスパイアを受けて出てきたアーティストであるし、ファン層も重なる部分が多いのだが、いくつかの点で目指す音楽性に相当な違いがあることも、認識しておかなければならないな、ということが確認できたような気がする。

 「あす声が出なくなるかも知れない」「あす病気になるかも知れない」「だから、今日やれることをやる」。響く言葉だった。57歳もKも、同じようなことをしきりに言っている。もっともKは、いざとなればライブハウスでピアノ+ギター弾き語り+カラオケ(同期)でも、演奏活動をやっちゃう人。タツローさんに、そういう割り切りはない。ホールで、フルバンド編成で3時間半、その形態でしか自分の音楽を表現する手段がないという厳格さを保持する中で、体力的にいつまでそれを続けられるだろうか。不安は誰しも感じるところではあるだろう。

 次のツアーがいつになるかはわからないが、次の機会も必ずチケット入手のために全力を尽くそうと思う。Kをはるかに上回る、類い希なる音の求道者。この人の「生の姿」をもっともっと目に焼き付けておきたい。


【SET LIST】
1802 START
1. POCKET MUSIC(OVERTURE)〜SPARKLE 【FOR YOU(1982)】
2. SOMEDAY 【RIDE ON TIME(1980)】
3. ドーナツソング【COZY(1998)】
-MC-
4. 僕らの夏の夢【RAY OF HOPE(2011)】
5. 風のコリドー  【POCKET MUSIC/1986】
-MC-
6. Guilty 【鈴木雅之(1987)】
7. ふたり【FOR YOU(1982)】
8. 潮騒 【GO AHEAD(1978)/1979B】
-MC-
9. ターナーの機関車【1991/ARTISAN(1991)】 
-MC-
10. IT'S NOT UNSUAL【TOM JONES】
-MC-
11. THE WAR SONG【POCKET MUSIC(1986)】
-MC-
12. SO MUCH IN LOVE【ON THE STREET CORNER 2(1986)】
-MC-
13. STAND BY ME【ON THE STREET CORNER 3 (1999)】
14. JOY TO THE WORLD〜CHRISTMAS EVE 【1983/Melodies(1983)】
15. 蒼氓 【僕の中の少年(1988)】
16. GET BACK IN LOVE 【1988/僕の中の少年(1988)】
17. MERRY GO ROUND 【Melodeis(1983)】
18. LET'S DANCE BABY 【GO AHEAD(1978)/1979】
19. 高気圧ガール 【1983/MELODIES(1983)】
20. CIRCUS TOWN 【CIRCUS TOWN(1976)】
-ENCORE
21. ハイティーン・ブギ【近藤真彦(1982)】
22. RIDE ON TIME 【1980/RIDE ON TIME(1980)】
23. DOWN TOWN 【1975】
24. YOUR EYES 【FOR YOU(1982)】

2130 終演

【】は主な初出音源と発表年 
年号のみはシングルリリース
BはシングルB面
※CMやタイアップで「先出し」されるケースも多いので、掲載音源が完全な初出とは限りません。

 やれやれ、山下達郎のライブ感想のつもりが、半分は角松敏生のことを書いてしまった。やっぱワタシは、カドマツが一番なんですわ・・・。

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