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zoom RSS 自衛隊機LR-2墜落事故・・・原因は操縦ミス

<<   作成日時 : 2017/09/14 23:00   >>

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 今年5月に起きた陸上自衛隊機の墜落事故、自動操縦装置が誤って解除されて機体が降下し、警報も無視して地面に激突した、という調査結果が発表された。無線交信中に誤って自動操縦の解除ボタンが押されたが、コクピット内の誰も、機体の異常降下に気づくことはなかったのだという。

 事故発生の直後に私は「機長も副操縦士も気づかぬまま機体が降下の状態に入り、そのまま山腹に激突」と予想したのだが、ほぼ予想通りの事故原因だった。

 実は、これとよく似た要因、自動操縦装置の意図せぬ挙動と警報の無視、による事故、事故に至らぬまでのヒヤリハットの事例は世界中に数限りなくと言ってよいほどたくさんあり、これらの事例が陸自の航空部隊でどれほど教訓として研究、注意喚起されて来たのかな、というのが一つ目の感想。

 意図せぬ自動操縦の解除が墜落に至った例として最も有名なのが、1972年12月に起きた、イースタン航空401便墜落事故だ。前輪のギアダウン確認ランプが点灯しないことに乗員が気を取られているうちに、機長が肘で操縦桿を押したために自動操縦装置が解除され、機体は降下を始めた。自動操縦で水平飛行していると思い込んでいた乗員は墜落直前まで機体の異常降下に気づかなかった。今回のLR-2と瓜二つだ。操縦システムの設計上、自動操縦の解除方法はいかにあるべきか、解除しやすくすべきか、解除しにくくしたほうが安全なのかは様々な議論があり、誰もが納得する答えは出ていない。イースタン航空の事故から45年経っても同種の事故が起きていることに、機械と人間の結節点(マン・マシン・インターフェース)を最適化することがいかに難しいことか、考えさせられる。

 もう一つ、訓練をしていないといくら警報装置が付いていても役に立たないものだな、と思う。今回の事故、報道に拠よればGPWS(対地接近警報装置=墜落警報)が鳴動してから墜落まで、わずか6秒だったそうだ。これだけ切羽詰まっていると、警報と同時に瞬時にエンジン出力を全開にし、機首を大きく引き起こさない限り、墜落は免れない。(そういう操作で回避可能だったかどうかは、シミュレーターによる検証が必要だろうが) ヒトは「正常性バイアス」というのを持っていて、自分に不都合な情報は「誤報でないか?」「間違いであってほしい」と思い込むクセがある。切迫した事態にそれは命取りになる。警報=即行動、というのは日ごろから訓練を積んでいないとできることじゃない。

 実は、今回問題となっているGPWSに対処する訓練は、エアラインでも十分には行われていないことを、元JAL機長の杉江弘氏が著書で指摘している(「空のプロの仕事術」2015)。おそらく、自衛隊でも十分には行われていないのだろう。陸上自衛隊の航空部隊はこれを機に、GPWSの対処訓練を徹底する方針らしいが、民間でも、GPWSの訓練を見直す契機とすべきだと思う。

 これは飛行機に限った話ではなく、私たちの身の周りにも言えることだ。命に係わる警報は意外にたくさんある。津波警報、緊急地震速報、火災警報、ガス漏れ警報。衝突防止警報装置が付いた自動車も増えてきた(Jアラートだけは無用の長物だというのが私の見解だが)。警報が作動した時、即座の対処ができますか? 考え込んだり状況を確認しようとする間に致命的なことになりかねない、という認識がどれだけ共有されているだろう。

 警報装置は対処訓練とセットでなければ意味がない。この事故から得るべき教訓は大きいと思う。




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