サマータイムは寝不足になるのか?

 労働強化と並んで、よく聞かれる問題点が「サマータイムが導入されると寝不足になる」だろう。結論から言うと、これにはまったく根拠が無い。つまり寝不足にはならない。ただし、個々人が時計をちゃんと切り替え、睡眠時間をしっかり管理すれば、である。

 サマータイムは、時計を単純に1時間ずらすだけの制度で、1日24時間には変わりがない。ということは、1日何時間というそれぞれの睡眠パターンを守る限り、睡眠不足になるはずがないのである。

 たとえば、Aさんは午前0時に寝て午前7時に起きる、1日7時間の睡眠サイクルを持っていたとする。サマータイム実施で時計が1時間進んでも、時計上の午前0時(実際の午後11時)に寝て午前7時(同午前6時)に起きれば、睡眠時間は変わらない。時計をずらすのに合わせて、就寝・起床の時刻を1時間スライドさせれば良いだけの話だ。

 私はアメリカでサマータイムの経験があるが、実際これは、ほとんど苦痛が無い。海外旅行に出ても、2~3時間の時差なら体にまず影響が無いのと、同じである。

 ところが、就寝時刻は実際の時間、起床時刻は時計上の時刻、というようにすると、当然寝不足になる。Aさんの場合、実際の午前0時(時計上の午前1時)に寝て、時計上の午前7時(実際の午前6時)に起きれば、睡眠時間は6時間だから寝不足感を感じるだろう。人間の体内時計は1日25時間周期で、夜更かしの方が早起きより楽にできるように体ができている。けれども、自分の睡眠周期を時計に合わせている人、つまり規則正しい生活習慣が身についている人は、寝不足の心配はまったくない。

 ただし現実的に、特に夏は、寝不足を誘発しやすい社会的要素をかかえていることも確かだ。たとえば、夏の風物詩であり、大人も子どもも大好きな「花火大会」は、真っ暗にならないと実施できない。日没を待って、午後8時スタートとしていた花火大会は、午後9時スタートになる。すると、終わるのが9時半から10時。帰宅すると10時~11時で、小学生の子どもが就寝する時刻としては、ちょっと遅い。ここは親がしっかり、帰宅したらすぐ寝かせるなど、睡眠時間をちゃんと確保するよう促すしかない。

 それから、アメリカで、通常時間から夏時間に切り替わった翌月曜日は事故の発生件数が多い、という統計があることにも触れておくべきだろう。アメリカでは、時制の切り替えは4月第1日曜の午前2時にに行われていて(現案では、日本では3月最終日曜の午前2時に切り替え)、この瞬間に午前2時が午前3時になるから、自動的に1日が1時間短くなる。この時だけは全米の人々が1時間寝不足となり、それを引きずって翌日の月曜から仕事に取り掛かるから、事故が多いというわけだ。事故率と睡眠不足の関係が完全に立証されているわけではないが、サマータイム切り替え直後は寝不足に用心、ということは言えそうだ。

 とは言っても、サマータイムの実施期間は半年である。時計をしっかり見て、就寝・起床時刻を管理すれば、寝不足の心配はまったくない。「そんなの面倒くさい!」と言う人たちは、サマータイムが導入されなくたって、年がら年中寝不足に悩まされている人たちではないか、と思う。

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