サマータイム「議論生煮え」はなぜ?

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 けさの北海道新聞に、「サマータイム・議論生煮え」という記事が出ている。

 「導入コストや労働強化などの議論は深まっておらず、与野党に根強い慎重論、反対論がある」とする同記事は、「議論の生煮え感は否めない」と述べ、長時間労働を懸念する公明党幹部の声や、連合がサマータイムに関して賛成か反対かの統一見解を出していないこと、札幌商工会議所が行った実験で評価が分かれたことを挙げ、「国民の理解が得られるかは不透明だ」と結んでいる。今週中に法案提出、今国会で成立という推進派国会議員の動きを勇み足とばかりに牽制する内容だ。

 そりゃ、個々の論点を挙げれば、「議論生煮え」、そりゃそうだろう。だけども、と思う。サマータイム法の国会提出が取り沙汰されるのは、この10数年で4回目だ。それだけ時間があったのに、未だに「生煮え」とは、どうしてなのか。「根強い慎重論、反対論がある」にもかかわらず、繰り返し繰り返し法案提出の動きが出てくるのはなぜなのか。まったく触れられておらず、報道として、中途半端な印象を受ける。

 この記事に限らず、サマータイム法案をめぐる報道は、どこのメディアも、腰が引けていると思う。

 影響が大きいことなだけに、「国民の理解を得られる」ことが重要なのは、言うまでもない。しかし、それならば、自分たちメディアは議論を活発化するためにどれだけのことをやってきたのか。10数年も取りざたされ続けている問題なのに、国民の多くが、サマータイムの本当の仕組みを理解していないのは、なぜなのか・・・そういうことを一切顧みないまま「議論生煮え」と言われても、鼻白むというものだ。

 私の記憶では、前回の法案提出の動き(2004~2005年)のときは、いろいろな識者談話が出たり、賛成・反対の立場からの討論記事があったり、テレビは特集を組んだりと、いろいろと騒がれていたと思うが、今回のメディアの沈黙ぶりはどうしたことだろう。「もうさんざんやり尽くした」とでも、思っているのだろうか。

 そして、最も重大な「法案成立の可能性」が、さっぱり伝わって来ない。普通は、与党なり政府提案で法案が上程されれば、成立確実と見るべきものだが、今回は与野党超党派で提出すると言っているらしいし、与党内に反対の声もあるというから、国会で審議されて成立するのかしないのか、さっぱりわからない。本当なら、メディアは「成立の可能性」について真っ先に分析し、報道すべきなのだが、それがされない。

 我が選挙区選出の国会議員が、サマータイム法案に賛成なのか反対なのか、それとも世論の風を読むべく態度表明を渋っているのか。有権者ならそういうことを知る権利があるのだが、報道されない。メディアは、国民の知る権利にこたえる役割を放棄しているとしか思えない。国会議員全員を対象に「サマータイム法案に賛成するのか反対するのか」くらいの調査をやってはどうか。

 あまり騒がれると法案に反対しにくくなるからほどほどにしてくれ・・・なのか、あまり騒がれないうちにどさくさ紛れで法案を通してしまえ・・・なのか、どうせ法案は闇に葬るのだからあまり騒がれちゃ困る・・・なのか。何かの力学がはたらいて、報道を規制しているとしか思えない。

 「議論生煮え」などと説教臭い記事を出す前に、メディアがメディアとしての仕事をしてほしい。

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