■アメリカ1日目~睡魔との闘い

 午前7時、アラームで起きる。すっきりとした目覚め。心配していたほど時差の影響はないのかも・・・。

 7時45分、1Fのレストランで朝食・・・バイキングのようなのを想像していたが、違う。トーストとマフィンと、飲み物だけ。せめて卵料理でもあれば良いのだが・・・人件費を考えれば、無料で出せる朝食とはこんなもんなんだろう。

 8時半、ホテルを出発。他のプログラム参加者とも初めて挨拶、名刺交換。

 9時、今回のプログラムの実施主体であるMeridian Internatinoal Centerへ。国務省の担当者、Janice Brummondさんから、プログラムについて説明。「皆さんは、多くの競争的なプロセスを経てここに来ました。アメリカの税金で行われる、職業人のためのフルブライトと考えてください」と。「約70年前、南米からジャーナリストを招待したのが始まり。当時、あまりにもアメリカ国内事情に理解のない報道が見られたので、実際に呼んでアメリカ国内を見てもらおうということになった。現在は、毎年4500人を招待、そのうち450人がアジア太平洋地域から」とも説明がある。プログラム中に行われるレクチャーやミーティングは原則完オフ(完全オフレコ)であることも、改めて説明がある。

 10時半、プログラムのロジを担当するJen Anderson(20代くらいの若い女性)から、パーディアム(滞在旅費)の説明。約5000ドルがトラベラーズチェックで交付される。ひぇぇ。すべて米国民の税金だ。大金持ちになった気がするが、実はその7割がホテル代。それ以外に、食事と雑費(いわゆる日当)として、1日65ドル。結構な額に見えるが、ワシントンは物価が高いし、まともな店でまともな食事をしたら20~30ドルは平気で行く国だから、それに酒でも飲もうものならあっという間に65ドル支出してしまう。浮かせて別なことに使おうとするなら、かなり気を付けて節約しなければなるまい。「ルームシェアして、ホテル代を浮かせてもいいのか?」とさっそく誰かが質問。随行員のRobert Acker(Bob)、「そういう希望があるなら、この次の滞在先からはそれでもいい。r-無シェアのメリット、デメリットはよく理解してほしい。申し出てくれれば、ホテルと交渉はする」と。

 次のミーティングへの移動中、Janice Brummondに質問。「毎年4500人を招待となればかなりの金額になるはずだが、全体の予算はどれくらいですか?」。「詳しくは知らないが、たいした金額じゃない。国務省の全体予算の1%もない」。(国務省の全体予算は360億ドル=約3兆9000億円。外務省の年間予算は6700億円=2007年度) 「このプログラムの存在意義について、議論が起きたことはないですか?」と質問すると、「ああやって皆さんに何千ドルも渡すけれど、結局アメリカ国内で使うわけだから、形を変えた民間振興策ですよ。それに、皆さんが帰国してアメリカのことを話してくれれば、それだけ多くアメリカに人が来る可能性がある。そりゃ、もっと良い税金の使い方がある、という人はいますけどね。そういう人は、このプログラムが何でどういうことをやっているか、具体的に知らない。ただ外国人をホノルルまで連れてって遊ばせている、くらいにしか思っていない。違いますよね。私たちは皆さんを、朝から晩までスケジュール詰めにして、びっちりいろんなことを学んでもらう。非常に意義ある税金の使い方だと思いますよ。なるほど・・・。

 12時から、昼食を兼ねたミーティング。スケジュール表に出ていた「OYA」という名称が気になっていたが、なんと、日本食レストランだった。とは言っても、日本風のインテリアがアクセント程度に取り入れてあるだけで、普通のアメリカンレストランだ。メニューも、日本食をベースにアメリカ人好みにした、創作料理。豆腐の天麩羅と、サーモン・サラダをオーダー。デザートにアイスクリーム。横に座ったJen Andersonが、箸を使って天ぷらを食べているのには驚いた。聞けば、上海に1年いて英語教師をしたことがあるのだという。一度箸の使い方を覚えると、便利でやめられない、と話していた。

 昼食後、元外交官のDonald Keyserが、アジアにおけるアメリカの外交方針について約1時間スピーチ。「アジアは安定局面にあり、各国と経済的関係をより強めるのが基本方針」というのはよく理解できたのだが、このあたりから、時差による睡魔との闘い。

 Meridian Internatinoal Centerに戻り、15時半から、Dr. Lenneal Hendersonボルチモア大学教授が、アメリカの連邦制度についてレクチャー。アメリカ建国史など、ある程度知ってる内容もあるので、興味を持って聞けることは聞けるのだが、しかし、座りっぱなしで2時間(途中に休憩10分)、講義を、しかも英語で聞き続けるのは、時差ボケの睡魔に襲われている身にとっては、ほとんど拷問だ。それでも、自治体(municipality)、町(township)、村(village)、小村(hamlet)の定義について、質問した。「定義は州憲法が規定していて、州によって違う。大雑把に言うと、州政府または郡政府からcharter(許認可)を与えられているのが、自治体。そうでないのが町や村」、そんな答えだった。日本の政令指定都市とその他の自治体の違いみたいなものだろう。けれども、municipalityの平均人口は16万7000人だというから、日本の政令指定都市とは全然レベルが違う。それだけ小都市に広範な自治を認めているということか。では、市(city)と自治体(municipality)の違いは? (辞書にはmunicipalityの訳として市と自治体と両方ある) さらに質問したかったが、講義を長引かせるのも他の参加者に悪いので、やめておいた。行政系の専門家が参加者にいないせいか、連邦制度や自治制度について、それほど高い関心はない模様。

 講義ではさらりとしか触れられていなかったが、アメリカの連邦予算は3.3兆ドル(約363兆円)。州その他地方政府の合計予算が2.2兆ドル(約242兆円)だという(渡されたプリントによる)。地方自治の国だから、地方予算の方が連邦予算より多いだろうとなんとなく思っていたが、違う。そういえば、こんな話もしていた。「独立当時、各州の自治を尊重すると同時に、強力な中央政府も必要とされた。何故なら宗主国だったイギリスをはじめ、様々な外的驚異と対峙する必要があったから」。なるほど。建国の時から、戦争国家たる宿命を背負わされていたわけだね。

 ちなみに、講義で説明はなかったが、363兆円の連邦予算のうち軍事費は約47兆円(2004年度)。支出の13%を占める。日本はと言うと、83兆円(2007年度・一般歳出ベース)で、防衛予算4兆9000億円。日本の10倍の軍事費を使っている・・・のはともかくとして、人口規模が2.4倍(アメリカ=約3億、日本=1億2700万)なのに、国の予算規模は4.4倍と倍近い差がある。なぜ米国政府はこれほどの金を持っているのか。税金が高いからか、それとも借金をしまくっているからなのか、一人当たり国家予算で比較したとき、他国と比べてどうなのか・・・まだまだ質問したいことはあったのだが、睡魔には勝てない。

 5時半、講義終了。体を引きづるようにしてバンに乗り、6時前、ホテルに帰着。なんと、全館停電だという。エレベータも動かない。そういえば、そんな案内の紙が配られた覚えはあるが、よく読んでいなかった。まさか、客が戻ってくる時間まで停電はしていないだろう・・・と普通は考えるのだが。しょうがないので、6F(実際は7F)まで歩いて上がる。当然エアコンも止まっているので、暑い。復帰は午後9時だという。

 すぐに散歩に出ようと思っていたが、ソファに倒れるようにして、ウトウトしてしまう。約1時間半。

 7時半、付近を散歩。ケネディセンターから、市中心部へ。しかし、ショッピングモールやフードコートはみな8時頃で閉店。(日本のようにダラダラ開けていないのは、労働者保護の点からは立派なことです) ぶらぶら歩いているうちに、時間はどんどん経つ。ホテルから近いジョージワシントン大学周辺に、小さなパブや中華料理店、タイ料理店などが集まっている一角があった(ペンシルバニアAVE)ので、今夜はそこで夕食。レッドカレー。

 11時頃、ホテルに戻る。さすがに電気は復帰していた。シャワーを浴び、日記書き。書いておかないと、忘れてしまう。記録できることは、とにかく文字で記録する。この職業の基本中の基本である。

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