
会議室で、International Program Directorから、USNA全体の説明。自衛隊の幹部養成と比較すると、その思想の違いが見えて大変興味深い。

ほとんどの学生がパイロットを目指して入学してくる。なぜなら映画「トップガン」を見ているからだと。「トップガン(1986年)が未だに高校生に影響を与えているとは信じ難いが、現実にそうだ」と話して笑っていた。
ちなみに、海軍には毎年2500人の新人士官(少尉)が供給されるが、海軍兵学校卒はそのうちの約1000人。他は、一般大学に併設されたNROTC(Naval Reserve Officer Training Corp.)から1000人、一般大学卒業生に士官教育をする士官候補生学校(Officer Candidate School = 17週間)から500人だという。自衛隊も一般大卒の幹部候補生コースがあるが、上級幹部はすべて防大卒が占める。このへんからして、事情がまったく違う。

興味深いと思ったのは、「我々が重視するのはTraining(訓練)ではなくEducation(教育)だ」と述べていた点。同席していた教授の一人がこう説明した。「訓練とは決まった形があり、それをマスターして行くこと。教育は、よりプロセスを重視する。結果がいつも同じとは限らない。テーマについてじっくり考えること。我々の目標は、Thinking Warriorを作り出すことにある」。そして、「陸軍、空軍の士官学校はより訓練を重視する。我々は教育を重視する」と敢えて述べるところに、ライバル意識が感じられた。
訓練よりも教育を重視と言うが、その中身は、1年次に入学するのはおよそ1200人。そのうち15%が最初の2年で退学すると言うのだから、生半可な厳しさではないということが、レクチャーに続いて行われたキャンパスツアーでよくわかった。
まず、学校本部のある建物で見せられた学生居室のモックアップ。2人一部屋でペアを組むのはアメリカではどこの大学でも同じだが、驚いたのがそのルール。起床後はベッドのシーツ・毛布を、ホテルのベッドメークのようにびしっと折りたたむ。服かけや物入れでは、何をどこにかけるか、どこに収納するか、靴下の畳み方まですべて決まっている。朝、昼、夕、食事の前には必ず「Formation」と呼ばれる集合・行進がある。びしっと並び、いろいろな掛け声にすべて「Yes, sir」で答える。
学生食堂があるメインホールに行ったら、昼食のためにちょうどこれをやっていて、50mほど離れた場所で、大声で叫んでいるのが聞こえた。夏休み中(もっとも、学生は洋上実習などに出るので正確には休みではないが、学期の授業はない)なのでキャンパスにいる学生は10分の1以下らしいが、それでも100~200人の学生が、あちこちで集合していた。こういうFormationを組んだ後に、太鼓に合わせてメインホールに向けて行進するのだという。
ガイドをしてくれた広報担当の士官(中尉?2002年卒業だそうだ)によると、学生は12人で1班を組み、上級生が下級生の指導に当たる。学生はその日の朝、昼、夕食と翌日の3食のメニューを暗記しておかねばならず、また、それぞれの食事のために政治、経済、スポーツの3種類の新聞記事を読んでおき、食事の席でそのサマリーと感想を述べなくてはならないそうだ。さらに、食堂内で学生は普通に歩いてはいけない。常に膝、踵をびしっと上げて行進し、曲がる時は決められたやり方で90度ターンをする。軍隊生活で、食事は数少ない楽しみの一つだと思うが、これではとても気が抜けそうにない。
来る途中に機内で読んだ「ルポ・貧困大国アメリカ」の中で、米軍のブートキャンプ(新兵訓練所)がいかに過酷かというのが書かれていた。人間性を否定し、機械のように動く人間を作り出すという点では、一兵卒も士官候補生も大差ないと思った。それは軍隊という機関が、人を殺すという本質的な人間性に反することを行動原理としているからであろう。ファカルティに半分民間人を入れ、訓練ではなく教育を主体にしていると聞いた時には、米海軍はたいそう立派な士官養成をやっていると思ったが、その本質において軍隊はやはり軍隊である。
レクチャーの最後に、ここに入るのにどれくらいの競争率なのか質問したところ、およそ10倍なのだそうだ。
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