道新~エープリルフールで「お騒がせしました」

画像 「札幌に発寒区誕生」「時計台・世界遺産へ」などのウソ記事を4月1日に掲載し、大いに笑わせてくれた道新が、「お騒がせしました」という釈明記事を掲載した。「エープリルフールです」という断りが目立たず、記事を真に受けた読者から苦情が相次いだのだという。やれやれ・・・エープリルフールのウソに釈明するなんて、そっちの方がジョークじゃないか。ユーモアがわからない人たち、何でも人のせいにしたがる人たちが多いのか、つまらん世の中だなぁ、と思ってしまう。

 「4月1日の紙面について」と題した記事(6日掲載)によれば、1日からの5日間に読者センターに寄せられた意見は約100件。大半が「誤解を招く」「遊びとは思えない」などの批判だった。また、札幌市役所にも約50件の問い合わせがあったのだという。

 150件というリアクションの数が、多いのか少ないのかは道新の内部の者ではないので想像するしかないが、こうしてわざわざ釈明記事を載せるということは、予期しない反響だったのだろう。けれども・・・と思う。こういう記事に「騙された」と怒りまくる人たちの神経が、私には理解に苦しむ。そりゃ確かに、「今日は4月1日、エープリルフールです」という断り書きは紙面の最下段の目立たない位置にある。記事を最後まで読まなければ「断り」に気づかないかも知れないが、そんなことはたいして重要じゃない。あの4月1日のウソ紙面は、見出しも記事の中身も、すべてウソ。本当っぽいところもあるにはあるが、常識のある大人であれば、中身をすべて読まなくても「ウソ=エープリルフール」とわかる程度のものだ。そういう他愛のないウソ、ご愛嬌に対して怒り出す人たちの気持ちが、なかなか私にはわからない。

 道新に苦情を寄せた100人のうち「記事を信じた」と怒る人と、「あんな記事を載せるのはけしからん」と怒る人たちのどちらが多かったのはわからない。札幌市役所に問い合わせた人が50人いたというのだから、本気で信じた人たちも相当数いたのかも知れない。ただ、そういう人たちに共通しているのは「新聞がウソを載せるなんてとんでもない」「新聞は間違えてはいけない」という新聞の無謬信仰ではないだろうか。

 冗談じゃないぜ。新聞は毎日毎日、ウソばっかり載っけていると言ってもいいくらい、間違いだらけなんだ、本当は。誤字だの事実関係の誤りだのと言った低レベルな間違いはさすがに少ないが、誤った見通し、妙な視点からの論評・解説、本質に迫っていない出来損ないのルポ記事(結果としてウソ)、そんなものが溢れているのが、毎日目にする新聞だ。中でも道新は「飛ばし記事」が大好きで、「見出し」で伝えた見通しがその通りにならず、結果としてウソになった例など、数えきれないくらいある。

 けれども、敢えて言うなら、それが新聞(と言うよりジャーナリズム)なのだ。世の中に、絶対不変の真理などそうあるものじゃないという視点からすれば、新聞に出ていることなど、しょせん、その時点での記者なり編集者なり社なりの立場・視点の反映にすぎない。そこにはウソもあれば、誤りもある。また、ある人にとっては正しいことも、別な人には誤りだったりもする。大事なことは、受け手が誤りを見抜く力を持つことなのだ。新聞に出ていることは正しいなどと思わず、その記事の意味を自分で考える習慣を持つことだ。(最近ではそういうのを、メディアリテラシーと言うらしい) 乱暴に言うなら、ウソは信じる方が悪いのだ。新聞に出ていることはウソだらけ・・・日頃からこう思っていれば、エープリルフールで堂々とウソ記事が出ていたからって、怒り出すようなことじゃないでしょうに。

 エープリルフールのウソ記事に怒った人が多かったというのを読んで、あーやっぱり、新聞の読者のレベルってこんなもんだったんだなー、などと思ってしまった。そういう読者に合わせていたら、新聞もつまらねーはずだよなー、とも思う。

 新聞は、しょっちゅうウソが出ているくらいで、ちょうどいい。道新サン、これに懲りず、来年の4月1日も期待してます。




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