【クルマ購入記】ディーラー・三者三様

 今回の新車購入では、3人のディーラーと接触した。3者3様、同じ「クルマを売る」という仕事をしていても、いろいろな流儀があるものだな、と思った。

画像 最も接触が多かったのは、東京スバルのMさん。20代前半の女性販売員だ。最終的にはこの人から買うことになるのだが、最初の頃の彼女の対応は、さっぱりやる気が感じられない、セールスとしては最悪だと思った。最初に会ったのは2月。いま使っているレガシィのドアロック修理で東京スバルを訪ねた際に、「今後担当させていただきますので、何なりとお申し付けください」とあいさつを受けた。5月、レガシィのマイナーチェンジ版が発表された時には、カタログを送ってもらい、ショールームを訪ねて実車を試乗させてもらい、さらに新車で買う際の見積書も作ってもらった。が、見積書の内容はカタログに出ている新車価格に付属品と諸費用を合算しただけ。その程度の見積ならショールームまで行かなくても、ネットで簡単にできてしまう。「すぐ買うわけではない」「時期としては年末か年度末を目安にしている」とも話したので、目先の実績につながりそうにない客に値引きの素振りは見せない、ということだったのだろうと思う。が、私はクルマのグレードやオプションの詳細までリクエストを言って、見積を頼んでいる。そこまでカタログを読み込んでいるならば、購入見込客として相当に有望なはずであって、セールストークで早めの購買心を喚起しようと考えるのが、普通だろう。「やる気あるの?」「クルマ売りたいの?」と言いたくなるような対応だった。

 次に会ったのは、神奈川スバルのGさん。6月、飛び込みでショールームに行き、実車を見て見積を依頼した。東京スバルの担当が上記のように「やる気」が感じられないので、販社が違うと対応はどうなのか、見てみようと思った。そのとき担当に付いたのが、30代前半くらいのGさんだった。商品知識や作業の早さはMさんよりかなり良かったが、肝心の見積内容は、東京スバルとまったく同じで値引きゼロ。「エコカー補助金をお考えなら、発注・登録のタイミングから見て、今週中に決めて契約していただかないと、間に合いませんよ」と恫喝的な文言は出してくるが、私を買う気にさせるようなセールストークは無し。アンケートの住所欄には正直に東京都内居住と記入しており、東京スバルの管轄区域からの越境であることはすぐにわかる。当然、東京スバルと神奈川スバルで条件を見比べているだろう、という察しは付くはずで、「この客、取ったるで!」というセールスマインドがあれば、対応は違って来ただろう。

 真相はわからないが、首都圏のスバル販社には「一見客に値引きはしない」「他販社エリアの客を無理に取らない」、そんな紳士協定のようなものがあるのではないか、という気がした。自社やメーカーの利益を最大化する、という点だけ考えれば間違った考えではないのかも知れないが、北海道で何人も自動車ディーラーと接してきた感覚からすれば、ずいぶんやる気が感じられない対応に、ちょっと唖然とさせられた。そこまでしなくても売れるということであれば、それはそれで素晴らしいことではあるのだろうが。

画像 ボルボカーズのUさんは、まったく違った。ネットでカタログを請求すると、翌日には自宅ポストにカタログ一式と挨拶文、名刺。国産車なら、ネットでのカタログ請求に対してはメーカーの宣伝部から直送されてくるのが普通だから、わざわざ持参して来てくれたとことに、好感度アップ。さっそくその週末、ショールームにUさんをアポなしで訪問。実車を見させてもらい、クルマの特徴について一通り説明を受けた後に見積を依頼。見積書面では、いきなり車両本体価格から40万円の値引き。さらに、「ご希望の色と内装に合うクルマが1台だけあります。ぜひ今月中に決めてもらえませんか。条件面はもっと頑張りますので」と。そうは言っても、総額490万円もするクルマの購入をすぐに決めれるわけがない。「買い替えは年末か年度末くらいを考えている」と言うと、「数か月先と今ですと、下取り車の価格もずいぶん違って来ますよ。いまお決めいただければ、悪い条件は出しませんから」と畳みかけて来る。すごいな、と思った。「売るぞ!」という気迫がビシビシと伝わってくる。かと言って、しつこいセールストークという感じは一切しない。あくまで、紳士的なビジネスマナーの範囲内。なのに、売る気満々の迫力はスバルのディーラーなど足元にも及ばない、くらいに感じてしまった。

 ボルボとのやり取りには、続きがある。最初に見積をもらって2週間ほど何もリアクションをせずにいると、6月中旬、メールが届いた。「お客様だけに支店長決裁で特別の条件を提示させていただきます。今月限りです」とあり、添付された見積書は、なんと、70万円値引きである。客次第でどんどん値引き幅を広げて行くんだから、カタログ上の価格(395万円)なんてほとんど意味がないよなぁ、と苦笑いしたが、悪い気はしない。ただ、その時点ではクルマ買い替えの意志は固まっていなかったので、「今はまだ決められない。時期が来たら連絡します」とだけ、返信をしておいた。

 資金的なメドがはっきりし、妻との話し合いも決着し、買い替えの意志が固まったのは7月末だった。再度ボルボのUさんに連絡。現用車の下取り査定と試乗を依頼した。先月のメールで「今月限り」としていた70万円の値引きは、今月も「特別に」有効とのこと。その点が確認できたので、アポを取ってショールームに行き、まずは試乗。輸入車自体は何度も海外レンタカーで運転しているので、違和感がない。皮シートの質感や内装の上品さは、実際に走らせてみるとなおさら「いいな」と思う。ハンドリングや加速感も、考えていたとおり、と言うか国産車と変わらないな、という印象だった。7年前に試乗したオペル・アストラの鈍重さとは、まったく違う。もっとも、ショールームの周辺数キロ、20分程度の試乗でクルマのクセや善し悪しなど、そうそうわかるものではないが。次に下取り査定。7年落ち、走行5万キロ、全身擦り傷だらけのレガシィが、38万円だった。ちょっと驚きの高査定である。下取り車も合わせた総額は、424万円(462万円▲下取車38万円)。「今週末に決めていただけるのでしたら、もっと頑張ります」と、Uさんはやる気十分だ。話の雰囲気では、総額で400万円スレスレか、切るだろうな、と感じた。

 だが、前に書いたような理由で、VOLVO V60 DrivEは我が家の乗用車としては役不足。カーゴスペースの狭さは、きっと後から後悔するだろうと考えた。Uさんにはその夜、メールで断りの返事を送ったが、国産車とまったく違う輸入車ディーラーの売り方を体験できたのは、良い経験だった。【つづく



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