制約社員と無制約社員

画像 書店をぶらぶらしていたら、驚くべき概念を提示する本が平積みされていた。「制約社員」と「無制約社員」なのだと。

 「制約社員」と「無制約社員」・・・。初めて聞く言葉だったが、何を意味するかはもちろん察しがつく。「無制約社員」とは、転勤、配転、長時間労働が企業側の思うままになる総合職男性正社員。「制約社員」はそれ以外である。女性や正社員であっても、育児や家事、夫の勤務地(転勤)に拘束されるため「制約社員」。男性正社員も、親の介護をかかえる年代になると「無制約社員」から「制約社員」になり得る、と。アルバイトやパート、契約社員、派遣社員はもちろん「制約社員」だ。

 これからの世の中、制約社員が増える一方なのだから、制約社員をうまく活用できる人事制度を持つ企業が業績を伸ばす、そう言いたいらしい(一瞬立ち読みしただけだが)。そのこと自体は、まぁそうだろう。

 けれども、社員に対し制約だの無制約だの、男性正社員は無制限に働かせて良いかのような、それ以外の社員はコストプルな厄介者であるかのような、そういう労働観がそもそも間違っている。わが国の法律では、正社員であろうとなかろうと、働き手はすべて「制約社員」だ。力の強い経営者側に搾取されることのないよう、労働条件に厳しい制約を課し、働き手を守る。先進国では当たり前の法体系である。たとえば労働は1日8時間以内、週40時間以内、超えたら割増賃金を支払う。そういうルールは雇用形態がどうであれ、みな同じだ。「制約社員」「無制約社員」などというラベリングは、経営者の都合に合わせて無限に働いてくれるような労働者の存在を錯覚させる。そういう考え方がブラック企業を助長するのだ。

 版元を見たら、日本経済新聞社。なるほど。ヒトをモノのように扱い、寝る食うの時間以外のすべてを働かせたい経済界のホンネがよくわかる。
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  • レイバン

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