ニーズの無いオーバースペック商品は売れるはずがない・・・インドネシア新幹線輸出計画が頓挫

画像 新幹線をインドネシアに輸出しようというプロジェクトが、インドネシア側の心変わりで頓挫した、というハナシがきのうからそこそこのバリューで報じられているが、さもありなん、と思う。

 前にも書いたことがあるが、日本の新幹線は多くの国にとってはオーバースペックで、費用もかかり過ぎるのだ。なんてったって、1時間あたり3万人超という桁外れの輸送力である。こんな輸送需要が存在する国は、世界広しと言えども日本の東海道地区くらいのもので、高速鉄道を計画する多くの国は、そこまでの輸送力は求めていない。単純に速い列車を1時間に1~2本でも走らせれば、それでいい。人口密集地を通らないから、騒音なんていくらでも出していい。だったら、新幹線のように車両から線路から信号システムから駅のプラットフォームまで何から何まで新しく作り直すようなシステムなんて必要がない・・・という事実を、日本のメディアはなぜかあまり指摘しない。と言うか、したがらない。記者が無知なのか、イケイケムードに水を差すと批判されるのを恐れているのか。「世界に誇れる日本の技術」と自己陶酔でイイ気持ちになりたい人がそれほど多いということか。

 記事の最後に「良いものなら買ってもらえるというほど甘くない」という商社のコメントが出ているが、その通りなのだ。

【Ocean Radio@2015】

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計画白紙、新幹線売り込み実らず インドネシア高速鉄道
 【ジャカルタ共同】インドネシア政府は4日、ジャワ島に高速鉄道を導入する計画を白紙に戻し、受注を競った日本と中国のいずれの事業案も採用しないと日本政府に伝えた。日本は車両が採用された台湾に続き2例目の新幹線技術の輸出を狙ったが、実らなかった。
 新幹線をはじめとするインフラ輸出拡大を成長戦略の柱とする日本は、経済関係の深いインドネシアで冷や水を浴びせられた格好だ。財政的に厳しい発展途上国での大型案件受注の難しさも浮き彫りになった。
 財政赤字に悩むインドネシアは、総工費数千億円に上る高速鉄道計画で財政負担をゼロにし融資の返済保証もしないとの立場を崩さなかった。(2015/09/04 19:28 【共同通信】)



<参考記事>新幹線は売るのに向いていないから売れないのだ




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この記事へのコメント

皮算用
2015年09月06日 14:07
ナルホド。
エンジン故障ですっかり分が悪い、JR北海道のディーゼル特急の方が、ずっと商品性が高そうですね。
電化も不要、部分改修した線路個所から高速運転が可能と、経済に余裕のない国向けの、コンパクトな商品。

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