電気自動車は「夢のクルマ」か?

画像 子どもたちを連れて赤坂~六本木~青山あたりを散歩していたら、電気自動車で有名な新興メーカー(米)テスラモーターズ・ジャパンのショールームがあったので、立ち寄ってみた。

 展示車は、日本カーオブザイヤーでイノベーション部門賞を受賞したTesra Model S。日本流に言えば大型スポーツサルーン。未来的なデザインに加えて広い座席やトランクなど実用性も高く、中でもスイッチ類をほぼタッチパネルに収容した運転席は、これぞ未来のクルマ、という感じ。高級感が漂う皮シートも素晴らしく、大変魅力的なクルマだと思った。が、技術的な説明を聞いて、思わずうなってしまった。

 約500kmの航続距離を得るために、積んでるバッテリーの重量が700kgもあるというのだ。我が家のレガシィは満タン65L(約50kg)で1000kmは走る。500km走行なら33L(約25kg)。同じ距離を走るのに、重量ベースで約28倍のエネルギー源を携行しなくてはならないという、効率の違い。頭がクラクラしてくる。

画像 もちろん、モーターとエンジンだけを比べれば、モーターが圧倒的に小型軽量だし、変速装置や補助バッテリーも電気自動車では不要だから、全体として見ればそこまで極端な重量差にはならないはずだ。とは言え、主機(エンジンまたはモーター)、補機、熱源(ガソリンまたはバッテリー)を含めたパワートレイン全体では、電気自動車はガソリン車の何倍も重たいのもまた事実。当然だが、その重たいパワートレインを載せて走るためにモーターは余計なエネルギーを消費してしまう。

 電気自動車は排出ガスゼロの「夢の自動車」のように言われるけれども、エネルギー効率をマジメに考えたときに、本当にそうなのかね? という気がしてならない。排出ガスをゼロにするために、ガソリン自動車の何倍もの重たいパワートレインを搭載することが、無駄ではないのだろうか? それに、排出ガスゼロというのは自動車として走行する時だけで、電気を作る発電所では当然、CO2を出す。そのために危険な原発を動かすというなら、それこそ本末転倒ではないか。日本の自動車の、たとえば3割が電気自動車になった場合、発電所の個数でどれくらいの電気を消費するものなのか、マジメに計算してみてはどうだろうか。

 自動車のように小型でどこでも走るような交通機関の場合、内燃機関(ガソリンエンジン)の優位性はこの先も変わらないのではないかな、と個人的には思う。それに、ガソリンエンジンを効率的に回す(より省エネにする)ための施策は、まだまだやれることはあるのではないか。アイドリングストップやクルーズコントロールの普及と使用のための啓蒙、そして渋滞抑制などだ。

 ちなみに、このTesla Model Sというクルマ、700kgのバッテリー重量をカバーするために構造材やボディパネルにはチタニウムやアルミ合金など、高価な素材を使いまくっている。それでも車両総重量は2.1トンと、大型SUV車並のヘビー級だ。素材が高価なせいもあるだろうが、価格も800~1000万(グレードによる)と、超高級だ。

 まぁ、ポルシェやマセラティを買うくらいならテスラを買ってみたいとは思ったけど、ムリですわ・・・。

【Ocean Radio@2016】




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