イランで再び起きた旅客機撃墜事件~PS752便とIR655便

 テヘランで8日に起きたウクライナ国際航空PS752便(Boeing 737-800)の墜落事故は、イラン軍によるミサイル誤射による撃墜事件であることが疑う余地のない状況のようである。

 思い出したのが、32年前に起きたアメリカによるイラン航空機撃墜事件である。ホルムズ海峡に展開していた米海軍のイージス巡洋艦ヴィンセンスが、バンダレ・アッバース発ドバイ行きのイラン航空IR655便(Airbus A300B2)をイラン空軍のF-14戦闘機と誤認して艦対空ミサイルSM-2を発射して撃墜し、乗客乗員290人全員が死亡した(1988年7月3日)。それから32年が経ち、今度はイランが誤認で民間旅客機を撃墜するとは、なんという因縁だろうと思う。

 被害者であるウクライナでは6年前、アムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空MH17便(Boeing 777-200ER)が反政府勢力によって撃墜され、乗員乗客298人全員が死亡している(2014年7月14日)。これも何かの因縁だろう。撃墜現場となったウクライナ東部は政府軍と親ロシア派の反政府勢力による内戦状態にあった。

 旅客機機の撃墜された事件と言えば日本人にとっては、37年前の大韓航空機撃墜事件の記憶が呼び覚まされる。ニューヨーク発ソウル行きの大韓航空KE007便(Boeing 747-200)がソ連領空を侵犯して米軍機と誤認され、撃墜された(1983年9月1日)。犠牲者269人のうち28人が日本人だった。機体の破片や遺品が北海道のオホーツク海岸に流れ着き、事件の凄惨さが伝わった。現場は米ソが国境を接する位置から直線上にあり、当時の二国間は高い緊張状態にあった。領空侵犯の直接の原因は、パイロットが自動操縦装置のモード切替を失念したものであったことが、後に判明した。

 上空1万メートルを時速800キロで飛ぶ大型旅客機と言えども、ひとたびミサイルが命中すれば木っ端微塵に粉砕され、全員死亡は免れない。数百人の命が一瞬にして失われる。そして、誤認によって民間旅客機が撃墜される事件は、非常にマレではあるものの、起こり得ることだということを、過去の出来事は示す。その背景には軍事的な極度の緊張状態が常にある。緊張の緩和、世界の平和を、祈らずにはいられない。

【Ocean Radio@2020】

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