MRJついに初飛行…これからが長い道のり

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 きょう午前、MRJの初飛行をテレビでライブで見ていたが、感動した。感動した、なんていう扇情的でダサい言葉はあまり使わないようにしているのだが、日本メーカーにとっては前人未踏の商用ジェット旅客機の開発である。それが初めて大空に舞った絵には、航空ウォッチャーの1人として論理を超えて単純に「感動した」と告白せざるを得ない。

 けれども、「感動」はここまで。あの飛行機が置かれた状況、取り巻く環境を理詰めで冷静に見て行かないと、本質を見誤ることになってしまう。3つのことを、指摘しておきたい。

 1つ目は、型式証明取得、エアラインへの納品、そして商用運航開始まで、これからが「茨の道」であるということ。
 当たり前のことだが、航空機の初飛行は、その機体が「空を飛ぶ」ことができることを示すためのデモンストレーションにすぎず、それが機体の完成を意味しない。自動車にたとえれば、走って曲がって止まれるだけではダメなのと同じで、エンジン出力や騒音、排気ガスレベル、ブレーキ装置や変速装置、エアコンやヘッドライトなどの電装系、ラジオやカーナビなどの電子系など、すべてが正常に作動し、定められた基準値をクリアして、初めて完成と言えるのだ。飛行機は、自動車の何百倍もの検査項目がある。当然、飛ばしてみたら予定と違う、ということも起こりうる。むしろ、試験飛行で問題点が山積するほうが普通だ。経験の無い日本にとって、噴出した問題点を解決し、一つ一つ検査項目をクリアし、初号機引き渡しまで1年半というスケジュールの中で完成した飛行機に仕上げるのは、相当な難問なのである。

 2つ目は、オプションを含め現状407機という受注機数を伸ばして行くのは、相当に難しいことだということ。

 3つ目は、MRJが順調に受注を伸ばし(そうすること自体が大変難しいことだが)たとしても、国内の航空産業への波及効果は言われているほど大きくはない、ということ。

P151111_news2.jpg 旅客機の開発・製造・販売というのはそれほどまでに困難な事業であり、だからこそボーイング・エアバス・ボンバルディア・エンブラエル(製造国をアルファベット順に並べてABCE)の寡占化が顕著なのである。そこに割って入り、ABCEJとすることは、一般に思われているよりもはるかに過酷なチャレンジなのである。けれども、それは挑戦する意味のあるチャレンジである。20~30年後、MRJプロジェクトが広い意味での成功を成し遂げたと評価されるようになれば、日本の産業地図が大きく塗り替わり、世界の中での競争力が高まっていることが予想できる、チャレンジである。

 この先が、楽しみだ。それだけは言える。
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【Ocean Radio@2015】

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