ススキノ十字街ビル(ラフィラ)閉館・解体へ

P200517_01.jpg ススキノ十字街ビル(ラフィラ)が、きょうで閉館した。

 札幌育ちなので、このビルにはそれなりに思い出がある。ヨークマツザカヤ時代には、祖母に連れられてレストランで食事をしたり、オモチャを買ってもらったり。店内に子ども図書館が入居していた時期もあり、そこで本を随分借りてきて読んだ。パイロットとスチュワーデスの絵本を読んで、北回りヨーロッパ路線のことやアンカレッジという地名を知ったのも、ここで借りた本だった。ロビンソン百貨店となってからは、仲間どうしの待ち合わせはたいてい、地下鉄ススキノ駅と直結したビルの地下入り口前、通称「ロビ地下」だった。駆け出しのサラリーマンだった20年ちょっと前、このビルの地下で短期間だが働いていたこともある。年齢とともにススキノからは足が遠のいてしまったが、それでも、ススキノのシンボルとしてのこのビルの存在は、脳裏に焼き付いて離れない。おそらく、多くの札幌市民が似たような感情を抱いているのではないかと思う。

 地域のランドマークであり、景観の一部となっていたススキノ十字街ビルが、1974年の開業から46年で、取り壊されてしまう。老朽化や耐震強度不足が理由とされるが、半世紀も保たずに解体とは、日本の建築はよほど脆弱な建物しか建てられないらしい、とイヤミの一つも言いたくなる。欧米じゃ内部のリノベーションを繰り返して100年以上保つ建物がざらにあるというのに、である。耐震強度のことも、百貨店の入居を前提に作られたビルであるため他の用途には使いにくいという理由も、私には「後付け」の理屈にしか聞こえない。要は、一つの建物を末永く使おうという発想自体がない、そのための技術を発展させて来なかった、そういうことではないか。今あるものを修理する、改良するではなく、日本の建築家やビルオーナーは、壊して新しく作ることしかアタマに浮かばないのだ。

 建物は景観の一部であり、それは持主の企業だけではなく、市民の財産でもある。建てて壊して、建てて壊して。わずか21年で取り壊されてしまった札幌西武の例などが典型だが、企業の都合で勝手に景観をいじくってくれるな、と私はいつも思う。

【Ocean Radio@2020】

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