スエズ運河で立ち往生の貨物船「Evergiven」離礁に成功

 スエズ運河での貨物船座礁による航行不能事案、「時間がかかるだろう」なんて記事を書いたばかりだが、きのう23時すぎ(日本時間)、「貨物船が離礁に成功」というニュース速報がiPhoneに入って来た。難航していると伝えたわりには、意外にあっさりと引っ張り出すことができたな、というのが感想。石狩湾座礁事故で3週間かかったことが記憶にあるので、もっと長くかかるものと予想していた。
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 もっとも、石狩湾に座礁したドンフォン号はたかだか5000トン。エバーギブンは22万トンの巨大貨物船だ。現場に滞留することによる損失も比較にならないし、スエズ運河が航行不能状態になっていることでも、1日16億円にもなるというから、1日も早い離礁・通航再開のために世界最高レベルのサルベージ部隊が投入されたのだろう。どれくらいの費用がかかったのだろうか。

 エジプト政府は、今回の事故処理に要した費用、運河が通行不能になったことによる損失は、船主に「厳然と賠償を要求」する方針だそうだ(30日・読売新聞)。エバーギブンの船主は愛媛県今治市の正栄汽船である。船舶の場合、たとえ船主に責任がなくても、所有船舶が事故を起こした場合の責任は船主が負うものなのだそうだ(無過失責任)。サルベージ費用に1日16億円もの通航料損失となれば、いったい賠償金額は何百億円になるのか、果たして正栄汽船に支払い能力があるのか、気になり始めるが、船主側も無過失責任のルールは承知して保険に入っているので、賠償金の支払いで経営が傾くような心配はないのだという(M&A ONLINE「スエズ座礁コンテナ船の所有会社とは?実は国内最大手企業の傘下」)。焦点は、損害金額の算定と保険会社の負担割合、ということなのかも知れない。

 賠償問題だけでなく、事故原因も気になる点だ。ここ数日の報道では、不可抗力と言うより人為的要素(操船ミス)の可能性が高いというニュアンスが漂い始めている。コトのてん末を、メディアはしっかりフォローしてほしいと思う。
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【Ocean Radio@2021】

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