エスカレーター渋滞・・・アホで危険な習慣は一日も早く撲滅すべきだ

画像 東京で暮らし始めて気づいたことの一つが、駅などの上りエスカレーターの手前がひどく人で渋滞することだ。電車自体がそれほど混雑しているわけでもないのに、エスカレーターの上り口にたどり着くまでに何十秒も待たなくてはならないことがある。理由は、はっきりしている。エスカレーターの右側を歩く人のために空け、立ち止まる人はみな左側に並ぼうとするためだ。かくして、全員が左側に立って右側はがら空き、左側に立とうとする人で上り口に列ができるという妙な光景が出現することになる。だったら、片側を空けることなどせず、全員が左右に並んで立ったほうが、はるかに早く全員が上に上がれるじゃないか。

 歩く人のためにエスカレーターの片側を空けるというアホな習慣は、一日も早く撲滅すべきだと思う。理由の第1は、立ち止まりたい人の待ち時間が長くなるから。歩いて上がりたい少数のために、立ち止まって上がりたい多数の人が待たされるというのは、なんという理不尽さだろう。第2は、輸送効率が悪いから。歩いて上がるためには立ち止まるよりも間隔を空けなくてはならないから、輸送力は7~5割に落ちてしまうのだ(テレビ番組で実験をやっていた)。非効率このうえない。第3に、危険だから。早足でトコトコとエスカレーターを歩き上がるのをよく見かけるが、あの状態で足を踏み外したら・・・とか、エスカレーターが緊急停止したら・・・と考えるとぞっとする。健脚と腕力で体を支えられる輩ばかりではあるまい。勢い余って前につんのめって転倒、さらに立ち止まっている他の乗客を巻き込んで将棋倒し、というおぞましい光景が脳裏に浮かぶ。エスカレーターは、立ち止まってベルトにつかまって乗るようにできている乗り物なのだ。実際、駅などのエスカレーター設置者は「歩かないように」と掲示などで呼びかけているし、メーカーも「歩いてはいけない」という立場である。

 エスカレーターを歩いて上がることによる短縮効果は、ワンフロア分のエスカレーター(全長約8メートル)で8秒程度、2フロア分(全長約15メートル)で15秒程度なのだそうだ(これもテレビ番組で実験をしていた)。歩いて上がる人は、数秒から十数秒の利得を得ているに過ぎないのである。この時間が長いか短いかは人によるだろうが、その利得を追い求めるために立ち止まって乗る人が不便を強いられ、潜在的に危険な目に遭わされるというのは、おかしいと思う。

 中でも許せないのは、立ち止まるのと反対側(東京なら右側、大阪なら左側)に立っている人に、小突いたり「どけろ」と罵声を浴びせたりするヤツがいることだ。私はそこまでの経験はまだないが、体験談は人から聞くし、ネットにもいろいろ出ている。立ち止まるのが本来の乗り方なのに、そういう人に対し「どけろ」とは、どういう神経で言えるのだろう。エスカレーター利用者には、片手が不自由だったり荷物を持っていたり、小さな子どもを連れていたり、というような理由で「歩く側」に立たなくてはならない人もいるだろう。そういう人たちへの配慮を欠き、「数秒の利得」を求める人たちの都合が優先されなくてはならないのは、どう考えても理不尽ではないか。

 上にも書いたが、駅などのエスカレーター設置者は「エスカレーターは歩かないで」などとアリバイ程度の告知はしているが、まったく不十分だ。アナウンスなどでの積極的な呼びかけを、ぜひやってほしい。ラッシュ時のホームには、マイクを持った駅員が必ずいるのだから「混雑防止のため、エスカレーターは片側を空けずに乗ってください」「エスカレーター上は危険ですから歩かないでください」とやる。自動案内放送装置もあるのだから、同じようなアナウンスを繰り返す。ついでに電車内でも、アナウンスをすればいい。こうすることで少なくとも、「歩く側」に立たざるを得ない人の「恥ずかしさ」は解消されるし、立ち止まる人を小突いたり「どけ」と言うような非常識なヤツはいなくなるだろう。

 エスカレーターの片側を歩く人のために空ける、というのはルールでもマナーでも何でもない。知らぬ間に定着した、発祥不明の変てこりんな習慣である。アホで危険な習慣を一日でも早く撲滅するよう、メーカーも設置者も、啓発に全力を挙げてほしいと思う。

▲エスカレーター下が混み合う例(浜松町駅で撮影)
羽田空港への中継駅である浜松町は、ピギーバッグなど大きな荷物を持った客が多く、その人たちがみな左側に立とうと並ぶため、エスカレーター手前が常に渋滞する。両側に2人並んで立つようにすれば、これほどの混雑は起きないのだが。


▲エスカレーターの片側空け・東京の場合








Ocean Radio@2011

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