ガイアの夜明け「JAL特集」・・・だまされちゃいけません!

画像 テレビ東京のビジネスドキュメンタリー「ガイアの夜明け」恒例のJAL特集が、今週放送された。経営破綻後一年の現場を追った内容だった。同番組のJAL特集は、去年7月に続いて半年ぶり。注目度の高い企業を定点観測のように長期取材を続ける姿勢は評価できるが、ドキュメンタリーとして見ると、正直言って、物足りない。

 前半は、リストラ計画を実行するために職場を追われたパイロットや客室乗務員たちの「いま」。年齢を「唯一の理由」として解雇を言い渡された人たちの無念と、それを不当として裁判を起こし、利用者や国民にアピールする様子が描かれる。「生き残るために解雇はやむを得なかった。対象者には申し訳ない」という社長の一言も、忘れない。後半は、会社に残った社員たちが信頼回復に向けて取り組む、お涙ちょうだい的な内容。お客さんのコメントが、とか、運航中のキャプテンアナウンスにどれだけ心をこめるかとか、どうでもいいとまては言わないが、枝葉の話で本丸とはかけ離れた「再生策」が延々と語られる。なんだかなー、こんなんでいいの? と首をかしげたくなる中身。まぁ、本質をえぐり出すなんてことをしないで、「頑張る企業」をなんとなくそれっぽく描けばOKの番組(なんてったって提供スポンサーは「日本経済新聞」ですよ)だから、番組としてはこれでいい、ということなんだろうな。けれども、だまされちゃ、いけません!

 税金を投入し、株券を紙切れにし、巨額の借金を棒引きにしてまで救済する以上、人員整理を含め、相当な痛みが伴う、というのはわかる。しかし番組は、破綻当時の経営陣の多くがそのまま役員として居座ったり天下りし、何一つ責任を取っていないことにまったく触れていない。また、リストラ対象者の多くが、会社と対立してきた非主流派組合の乗員たちであることにも、まったく触れていない。破綻に追い込んだ当事者が責任をとらず、現場の労働者だけに痛みを押し付けようとすれば、リストラされた側が黙っていないのは当然だ。まして、特定組合を狙い撃ちした整理解雇を行えば、裁判沙汰にまでこじれるのは火を見るより明らかで、こういうことがどれほどJALのイメージにマイナスか、まったく想像力がはたらかないところに、相変わらずのJALのダメさ加減が見て取れる。JALの整理過去問題は、国労問題(国鉄がJRに移行する際、国労組合員を新会社に採用しなかったとされる問題)と同じように、長く尾を引くことになると思う。

 前回もそうだったが、JALは頑張ってます、リストラはやむを得ない措置でした、という印象操作のような雰囲気がプンプンと漂う番組だった。まぁ、JALが二次破綻でもするようなことになれば、銀行をはじめ日本の経済界はみな困るわけで、日本株式会社の機関紙「日本経済新聞」としては、臭いモノにフタをしてでも「JALは頑張ってます」にしなければならない、という「大人の事情」もわからないわけではないが、物足りない。【つづく

【追記】
 この「ガイアの夜明け」JAL特集に関しては、ネットに感想を公開している人が結構いて、全体的にあまり評判は良くない印象。中でも、労働系のニュースを扱うレイバーネットに寄稿している松原明氏(自称メディアアクティビスト=正体不明)のコメント「ひどかった”ガイアの夜明け”AL特集」は辛辣で、「真実はガイアで」という番組のキャッチコピーは「財界の主張はガイアで」に改めるべきだと述べている。






Ocean Radio@2011


 

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  • 火種は残っていた・・・JAL航空機関士の悲哀

    Excerpt:  今月1日に放送されたテレビ東京「ガイアの夜明け」JAL特集の感想はきのう書いたのだが、中でも気になったのが、退職勧告を受けたという48歳のパイロット、宮本達也さん(仮名)の話。JALで働いた航空機関.. Weblog: 旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝える> racked: 2011-02-06 14:21
  • ここは酷い総括ですね

    Excerpt: ネトウヨにゅーす。 : 「総括」と称するリンチで仲間11人殺害、さらに1人死亡させ死体遺棄 元連合赤軍幹部の永田洋子死刑囚、5日夜に死亡 http://netouyonews.net/archive.. Weblog: 障害報告@webry racked: 2011-02-12 10:34