東京モーターショーでスバル・レヴォーグを見てきた

画像 東京モーターショーで、レヴォーグを見てきた。レヴォーグは、スバルが現行のレガシィ・ツーリングワゴンの後継として来春から販売する新型ワゴン。レガシィ・ワゴンの国内販売中止と後継車名が発表されたのが今月の上旬。それに続いてシルエットや車名のエンブレム、ヘッドライトなどの「チラ見せ」画像がWEBやテレビCMで公開されるようになり、今回のモーターショーで完成車の公開だ。スバルの看板車種、しかも日本でのワゴンブームの火付け役となった「レガシィ」の後継車公開は、今回のモーターショーでの最大の見所の一つと言っていいだろう。

 私が行ったのは、一般公開初日の23日(土)。けれども、前日までの報道公開でレヴォーグの写真やスペックは新聞やネットメディアのWEBにアップされていたので、およそのイメージはつかんでいて、実車を見るのは「最終確認」のような感じだ。レヴォーグの寸法は、現在発売されているレガシィツーリングワゴンよりも全長が10センチ短く、全高が5センチ低い。現行型が北米市場のニーズに合わせて大型化したことが売れ行き不振の理由の一つと言われていたため、こういうサイズになったのだろう。ただし全幅は現行型と同じ1780ミリ。これには「意外」「幅広過ぎ」という受け止め方もあるようだが、居住性と安全性を、あの全長・全高で実現しようとすると、これくらいの全幅は必要になるということなのだろうと思う。実際、現行型レガシィで都内の狭小路を運転してみて「大きすぎる」と感じることはまずないのだが。

画像 スラリとして精悍、スピーディな雰囲気になったな、というのが実車を見ての最初の印象。現行型の外観が、大ぶりでマッチョで、いかにもアメリカ人が好みそうな雰囲気をかもし出している(それはそれで、私は気に入っているが)のと比べると、だいぶイメージが違う。むしろ、先代レガシィ(4代目・2003~2008年度モデル)を進化させてフルモデルチェンジしたらこうなりました、という感じだ。荷室部分のテールのラインが丸みを帯びて後ろに落ち込んでいるのは、最近の流行だろう。VOLVO V60でも見られたデザインで、雰囲気がぐっと精悍になる。

画像 このクルマを「レガシィ」として売り出せばいいじゃないか、というのが次に来る感想。レガシィの主戦場北米では、セダンのB4とSUVのアウトバックしかモデル展開しておらず、ツーリングワゴンはどのみち国内専用車種なのだ。だったら、北米と別なクルマを「レガシィ」として売ったところで、何の不都合もあるまいに。トヨタもホンダも、海外と国内で違うクルマを同じ名前で売るようなことを平気でやっている。LEVORGなんちゅう読みにくい名前をわざわざ付けずに、伝統のあるLEGACY、それでいいじゃないか、と、同車種を2台乗り継いでいる私は思う。

画像 整理券方式で車内の公開もやっていたが、列の長さにあきらめて、内部は配られたパンフレットにある写真で観察するにとどめた。ぱっと見ての大きな違いは、運転席と助手席の間のスペース。現行型は飲み物カップが横二列に並ぶが、レヴォーグは縦二列。あれ? 横幅は現行型と同サイズなのに、車室は狭くなってるんじゃないの? エアコンなどのスイッチ周りはボタン式からダイヤル式になって、なんだがグレードが下がった感じだ。インプレッサのパーツ流用だと言うのが一目でわかる。10センチ短くなったという全長が車室・荷室のスペースにどう影響しているかは、実車外観と内部写真を見ただけでは、よくわからない。荷室スペースはVDA法で現行型を上回るスペースを確保したとなっているが、タイヤハウスの張り出しを抑えるなどして容量をかせぎ、実際の奥行きが短くなっているのであれば使い勝手は悪くなる。このへんのところも、実車をよく見ていないとわからない。

 このクルマを日本市場がどう評価するのか。4代目並に売れるようになるのか。成り行きを注視することにしよう。レガシィユーザーとしては、25年続いた車名が消えることがまず残念だし、このテのクルマは、バカ売れせずに、真に価値のわかる人だけが乗っている、ある種の希少性を担保していてほしいと思うものなのだが、メーカーの思惑は別のところにあるというわけで、これはこれで、クルマが芸術作品ではなく工業製品である以上、致し方ないところか。

【追記】
 後にディーラー氏から聞いた話だが、レヴォーグのベースはやはりあくまでインプレッサ。現行型レガシィと横幅が同一なのはフェンダーの張り出しによるもので、ピラー間の車室スペースは現行型より3センチ狭くなっているのだと。また、10センチ短縮された全長の影響は、主として後席スペースの縮減。4代目以前に、文字通り「先祖帰り」したクルマになっているそうだ。現行型も走らせてみると見た目ほどには大きさを感じないものなのだが、サイズだけを見て「こりゃダメだ」と言うレガシィユーザーは多かったのだと。「BR型(現行型)を5年売って、代々のレガシィを乗り継いで来た人たちの買い替えを促すことができなかったわけですから、メーカーがそういう判断をしたのもやむを得ないのでしょう」とディーラー氏。

 けれども、レヴォーグの具体像が発表されて以後、現行レガシィへの関心が逆に高まっているらしく、駆け込みで買おうと進んでいる商談が少なくないのだと。現行型レガシィの注文をいつまで受け付けるかは未定だが、レヴォーグに完全に切り替わった後には、現行型は希少性、プレミアム性が出てくるであろうことは間違いなさそうだ。現行型オーナーとしては、それはそれで悪くはないや、と思う。

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▲どうでもいいことだが、展示車の横に容姿端麗なモデル女性を立たせるというのは、どういう理由によるものだろう。国内、海外メーカーを問わず、どこのブースでも共通。東京モーターショーに動員されるモデル女性は相当な数、それこそ東京じゅうのモデルを集めて来てるんじゃないか、とさえ思う。そして、その女性を目当てにカメラを向ける人が大勢いるのが、はっきり言って気持ち悪い。クルマの写真を撮るならよくわかるが、キミたち、何しに来てんの? と言いたくなる。

▲スバル開発者の公式インタビュー。リポーター役のオネーチャンがあまりにヘタクソなのはご愛敬としても、コメント欄に寄せられているコメントがけっこう辛辣なのには、逆の意味で笑えてしまう。



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