繰り返された大惨事~軽井沢バス事故について

 またバス事故、と敢えて書く。2012年4月に起きた関越道バス事故のことが、記憶に新しいからだ。このときの死者が7人だった。きょう未明に長野県で起きた事故は、現時点で死者14人。大惨事がなぜこうも繰り返されるのだろうと思う。

 「居眠りか?」と最初は思ったが、現場の国道はカーブが連続する区間で、手前のカーブを無事通過していることから、報道によると、居眠りは考えにくいらしい。①速度超過などの運転ミス ②ブレーキ不作動などの車輛故障 ③心臓発作など運転手の突然の意識不明 などが考えられる原因となるだろう。ただ今回は、運転手も死亡しているため、車両側に明らかな故障などがない限り、事故原因を確定するのは難しいかも知れない。

 それにしても思うのは、自動ブレーキや車線逸脱警報装置、居眠り監視装置などの運転支援装置が搭載されていれば、事故を防げたか、相当程度の被害軽減を図れたのではないか、ということ。4年前の関越道の事故でも強く感じたことだが、こうした装置の義務化や普及の速度は、事故の代償に比べればたいしたコストでもないのに、気の遠くなるほど遅い。関越道の事故以来、バスの運行基準や運転手の乗務制限などは強化されたが、どんなに休息を取った運転手でも事故を防げないことは、往々にしてあるのだ。安全装備の普及などもあって、自動車事故全体の死者数は右肩下がりなのに、バスなど営業車両の死亡事故は減っていない。何かが間違えているように思えてならない。

 それと思うのは、バスなど営業用車両に関しては、前方はもちろん運転手自身も常時撮影するドライブレコーダーの装備を義務化すべきだ。今回のように運転手が死亡してしまえば、原因が居眠りか、意識不明か、運転ミスなのかを断定するのは極めて難しい。再発防止のために何よりも大事なことは正確な原因特定だ。技術の進歩で、走行中の常時記録は低コストでも可能になった。事故防止と原因特定のためには、できることはすべてやるべきだ。

 技術のチカラで救える命があるのに、できることが為されていない。関越道事故の教訓が十分に生かされているとは言いがたい。そうした中で14人もの命が失われたことが、残念でならない。
【Ocean Radio@2016】



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