生前退位は官邸の「ご意向」、狙いは「改憲」・・・ではないのか?

 きのう夜NHKが、「天皇陛下 生前退位の意向」とスクープした。テレビ・新聞とも、すぐさま後追い。案の定、きょうのテレビは「生前退位」一色と言っていい状況だ。あれほど話題の都知事選も、すっかりかすんだ感がある。

 それにしてもわからないのは、天皇の「ご意向」とやらを、いったい誰が、どのように公にし、それは誰の意を受けてのものであるのか、ということだ。メディアもどうして情報源を追及しないのだろう。自身の立場を十分にわきまえているはずの天皇が、あのような意向が公になることを本当に望んだのだろうか。


 宮内庁幹部が裏で流していることは予想が付くし、それを宮内庁長官も官邸も表向き全否定するのも、天皇が政治的権能を持たない憲法の規定から言って、当然だ。ならば、平成改元のように秘密裏に検討して結論だけ公表すれば良いこと。それをわざわざ、あのように公にし、国民の関心を惹起する意図は何か。

 思うに、これは天皇本人ではなく官邸の意向ではないのか。生前退位を強く望んでいるのは、政権側ではないか。天皇の権威強化を狙いたい自民党としては、慶事から災害まで、全国津々浦々ありとあらゆるところに天皇を派遣し、沿道を日の丸で埋めさせ、多くの国民が天皇を「崇め奉る」状況にしたい。だとすれば、あまり老いぼれだと良くない。病気がちで御所に引きこもるのは論外だ。昭和天皇のときのように自粛ムードなんて広がってしまうと、消費は停滞して財界からクレームが来るから、それも困る。崩御・即位のタイミングは予想が付かないから、政治日程も不安定化する。であれば、何年も前から計画できる生前退位が最も都合が良い、そう考えてのことではないだろうか。

 あくまで天皇自身の「ご意向」という形で情報を出し、それを受けて検討したことにすれば、「天皇の老衰を前提とした検討なんて不敬だ!」なんて批判を受ける心配もない。そこまで考えると、今回出てきた生前退位の話も、「全国各地を訪問し国民に寄り添いたい」と伝えられる皇室の考えも、今上天皇明仁氏が本当に言っていることなのかどうかさえ、極めて疑わしいのではないかと思ってしまう。

 もしかすると、これを機に憲法1~8条をいじり、生前退位や皇位継承、改元に関する条項を盛り込む改憲をやってしまえ、そこまでの考えがあるのではないか。「お試し改憲」としては、これが一番。衆参両院で2/3があるし、野党も批判しづらい。何より、「陛下の意向身上を案じて」の改憲なら、国民投票は絶対に通る。有識者会議を立ち上げ、メンバーは政府が選び、「生前即位のためには改憲が必須」と答申させれば、それで済む。ついでに、憲法条文の「個人」を「人」に替えるとか、「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に言い換えるとか、実態上はわかりづらい条文改憲をセットにして盛り込んでおく。何が何でも憲法を変えたい安倍晋三は、そこまで考えているのではないか。

 キナ臭い話になりそうな気配を、感じるぞ。

【Ocean Radio@2016】





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  • 天皇”生前退位”の「お気持ち」について

    Excerpt:  前にも書いたが、この生前退位という話は、天皇の権威強化を狙う別筋の「ご意向」が背後にあるように思えてならない。キナ臭い話だ。 Weblog: 旅するデジカメ~札幌発東京定住日記 racked: 2016-07-31 09:49