旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 中野サンプラザで角松敏生コンサートを聴く

<<   作成日時 : 2017/12/10 23:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 0

画像
中野サンプラザホールで角松敏生の定期演奏会(コンサート/今回はあえてこのように書く)を見てきた。12月の中野に参戦するのは2015年以来2年ぶり。去年は海外出張の帰国日と重なったため、参加できなかった。それでも、2012年に年末の定演が中野で行われるようになって以来、その1回を除いてずっと聴きに来ている。5年に1度の横浜アリーナと同じく、聖地巡礼の気分だ。雪による遅延欠航も想定して、札幌から2泊3日の遠征旅に出た。アーティスト角松敏生が現在形で活動を続けていること、中野サンプラザを満員にできるほどの集客力を保っていること、そして私自身がこんな道楽が許される状況にあることを、まずは感謝しよう。

 感動と興奮の2時間30分、素晴らしい演奏とパフォーマンスに魅了された・・・と言いたいところ、いや、実際にその通りなのだが、なぜだろう、いつにも増して「言いたいこと」が後に残る演奏会だった。いくつか、具体的に書いてみる。

1. 2時間半は短い
 角松敏生のライブ演奏会と言えば、20数曲の演目と3時間コースがデフォルトだ。ところが今回は、18曲(15分のゴスペル組曲を含む)で2時間半だった。30年近い演奏会通いの中で、2時間半前後で終わったのは、奈良の春日大社を除いて、ちょっと記憶にない(もちろん、すべてのライブを見ているわけではないし、あくまで私が見た中では)。どんな理由があるにせよ、物足りなさが残ったというのが、正直なところだ。8月に山下達郎の3時間半のライブを見ているので、なおのことそのように思う。そのとき山下はこんなことを言っていた。「64歳ともなると3時間を超える演奏は正直キツイ。でも、今の自分が持っていること、自分の伝えたいことを組み立てて構成して行くと、3時間はどうしても超えてしまう。だから、体力が続く限り、今の規模は変えないでやる」。今の角松敏生には、伝えたいこと、ファンに提示したいことが2時間半分しかないのか、と思った。

2. 寂しいグッズ売り場
 2018年版の卓上カレンダーいがいは、夏のコンサートツアーの在庫一掃セールのような状態だったのが、ひどく気になった。やる気あんのか? である。私自身はグッズをあまり積極的に買い求める方ではないのだが、毎回楽しみにしているファンの友人たちは多いし、グッズの売上は主催者(アーティスト自身)の貴重な収益源でもある。CDが売れないからこそ、コンサートで儲け、グッズでさらに儲ける。収益がなければアーティストは活動を継続できないのだから、儲けること自体は否定しない。むしろ、どんどん儲けて、それを原資に新作をたっぷり制作費をかけて作ってほしいと思う。そういう姿勢が感じられないグッズ売場に、どうしちゃったの? と思ったのが正直なところ。

3. 同期演奏に頼り過ぎ
 これは今回のライブに限ったことではないのだが、角松敏生のライブは同期演奏が前に出過ぎているのが、前から気になっている。同期というのは事前収録したりデータ入力した演奏パートをコンピューターで出し、実際のミュージシャンの演奏と合奏して演奏全体を構成すること。「テープ」とか「打ち込み」という言い方もする。コンピューターが人間の演奏にあわせることはできないから、ステージ上のミュージシャンはコンピューターが出す拍子音(クリックと呼ばれる)に合わせて演奏する。「角松敏生君のライブはクリックに支配されている」と、キーボードの小林慎吾さんが話していたことがある。

 このご時世、歌モノで同期を使わないライブ演奏なぞ滅多にない、というのは承知の上だが、年々私はこの同期というヤツが腹立たしく思えるようになってきた。ステージ上で、その場にいるミュージシャンが奏でる以外の音が出ていることが。そして、手練れの実力派ミュージシャンたちが、人間どうしのあうんの呼吸ではなく、コンピューターの出すクリックに合わせて演奏しているという事実が。

 もちろん、同期を多用する理由も私はよくわかる。レコードの演奏が生では再現できないとか、パーカッションやブラスセクションなど当日の楽器編成では出せない音がある、とか。でも、だからと言って同期に頼っていたんじゃ、ミュージシャンがいる意味がないじゃないか。ステージ上で再現できない音を同期で出すのと、CDのカラオケを持ってきて演奏全てを同期で出しミュージシャンの演奏は不要にするのと、究極的に何が違うのだろう。特に、中盤でトライポッド(キーボード3人)の演奏で歌うコーナーでパーカッションの同期音が入っていたのには、正直興ざめだった。ステージ上には鍵盤奏者しかいないのに、なぜパーカッションが入っているの、と。

 同期を利用して迫力のある音を出したいという気持ちもわからなくはないけど、機械の出す音で迫力と言われても、と思う。あれだけの実力はミュージシャンを揃えているのだから、生演奏だけで勝負をしてほしい。レコードと音数やアレンジが違ってもいい。その点で、ライブはレコードの完全な再現である必要は必ずしも無いと私は思っている。同期ナシのレパートリーもあるにはあるが、少ない。同期を完全に否定するものではないが、せめて半分くらいは同期ナシ、生演奏のみで勝負してほしいものだ。

4. またカバーアルバムかよ
 コンサートの最後に、重大発表があった。来年は、ブラス10人のビッグバンドでツアーをやる、と。そのために「Breath From The Season 2018 Tribute to Tokyo Ensemnle Lab」というアルバムを春に発表する、と。1988年に発表した「Breath From The Season」収録曲のリテイクと、既発表曲をブラスアレンジに変えたもの、そして新曲もいくつかレコーディングする、と。

 ブラスセクションをフューチャーするという新機軸、それもポピュラー音楽では最も金食い虫とさえ言われるブラスセクションでコンサートツアーをするというアイディアは、ファンとしてとても喜ばしい。早く聞きたい。でも一方で、「またカバーアルバムかよ」という気がしたのが正直なところだ。これで2016年から3年連続カバー作品が続くことになる。ちょっと出し過ぎじゃないか。この10年間で見ると、オリジナルアルバムは3枚のみ。他はすべてセルフカバーだ。活動凍結の期間を除けば、オリジナル作品のリリースがこれだけ遠のいた期間はない。大丈夫か? と言いたくなる。

 もちろん、オリジナル作品として力を込めて作った「THE MOMENT」(2013)がセールスとしては振るわなかった一方で、カバー作品である「SEA BLEEZE 2016」「SEA IS A LADY 2017」が好調な売り上げだったことから、レコーディング会社としては「確実に売れる」企画を求めてくるのはしょうがない部分があるのだろう。それでも「Breath From The Season 2018」は、いくらなんでもやりすぎだ。このままじゃ再来年は青木智仁13回忌に合わせて「Double Face 2019」なんて出すんじゃないだろうか。だいいち、1988年発表の「Breath From The Season」は角松敏生プロデュース作品だが、角松敏生名義ではない。当時日本最強のブラスチームと言われた東京アンサンブルラボ(リーダー=数原晋)の作品だ。ブラス主体のジャズ寄りの楽曲を角松敏生のダンス系ビートに融合させた意欲作ではあるが、これをトランペット奏者でもサックス奏者でも無い角松敏生がどうカバーすると言うのだろうか。

 思うようにCDが売れないから、ライブ集客で収益を上げなくてはならないのはわかる。でも、新作を出していないのに全国ツアーをやっても、客は入らない。だから作品は出す。それも、オリジナルよりもカバーのほうが売りやすいから、今年は「ブラス」で打ち出す。そういう数字先行で立てられた企画のように思えてならない。もちろん、角松敏生の楽曲がブラス主体の編曲でどう生まれ変わるかはぜひとも聞いてみたいものではあるけれども、オリジナル作品のリリースからこれほど遠ざかって本当に良いのか、不安は拭えない。

 ・・・と、憎まれ口のようなことばかり書いてきたけれども、ここまで色々なことを言いたくなるのは、結局は角松敏生の音楽が好きだから、なのだ。数えて見たら、角松敏生のライブ演奏会に出かけるのは、1990年3月以来、28回目。我ながら、よく続くと思う。もちろん、1回のツアーで複数会場に足を運ぶ人や、2DAYS公演は必ず2日通しで行くような「筋金入り」のファンに比べたら足元にも及ばないが、ずっと聞き続けたい、ライブに通い続けたい、そういう気持ちは多くのファンと共通しているだろう。だからこそ、定期演奏会で見えたちょっとの異変にもあれこれと言いたい気持ちを抑えられないのだ。

 カバーとは言え、来年も新作を出して全国ツアーをやる。それは、何よりの嬉しいニュースだ。頑張れカドマツ、ずっと応援しているぞ。

【SET LIST(初出音源/発表年)】
客電消灯・開演 16:35
1. Yokohama Twilight Time  (Sea Bleeze/1981)
2. Take It Way          (Touch And Go /1986)
3. I’ll Never Let You Go    (Weekend Fly To The Sun /1982)
MC
4. P.C.H              (Mican /2002 ※小林信吾作曲)
5. 氷の妖精             (The Past And Then /2005)
6. You’re My Only Shinin’ Star  (The Gentle Sex /2000)
7. Izumo                (Incarnatio /2002)
MC
8. かくれんぼ             (未発表曲)
MC
9. See You Again           (City Lights Dandy /2010)
10. Get Back To The Love     (The Moment /2014)
11. Sea Line              (Sea Is A Lady /1987)
12. Mid Summer Drivin’       (Sea Is A Lady /1987)
13. Airport Lady            (After 5 Clash /1984)
14. SHIBUYA              (Time Tunnel /1999)
15. 浜辺の歌              (存在の証明 /2000)
Encore
16. WAになって踊ろう         (WAになって踊ろう/1997)
17. Take You To The Sky High   (On The CIty Shore /1983)

More Encore
18. 花瓶 (The Gentle Sex /2000)

終演アナウンス 19:06 (開演時間 2時間31分)

【Ocean Radio@2017】








Breath from the Season
BMGビクター
1988-07-21
Tokyo Ensemble Lab

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Breath from the Season の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



DOUBLE FACE
BMGビクター
1989-07-05
青木智仁

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by DOUBLE FACE の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
角松敏生・12月9日中野サンプラザ公演について再び
 カドマツ話がやめられない。先週土曜日(12月9日)の中野サンプラザでの定期演奏会の感想を書いた後で、音楽ライター・金澤寿和氏のブログを読んだら、私の感想に近い内容が書かれていた。来春に東京アンサンブルアルバムのトリビュート作品(カバーアルバム)「Breath From The Season 2018」を出し、ブラス10人のビッグバンドでツアーを回る、という発表があったことについて。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2017/12/14 08:37
角松敏生・・・今年は札幌公演ナシか?
 角松敏生の夏のコンサートツアーのスケジュールが発表されたのだが、札幌ナシ。ショック! しかもチケット代9800円。高い! ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2018/01/22 20:49
角松敏生・・・この秋は”カラオケ”ツアー
 角松敏生の秋のコンサートツアー日程が発表された。札幌・岩見沢を含む全国18か所を回るのだそうだ。 ...続きを見る
旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記
2018/05/31 09:02

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
中野サンプラザで角松敏生コンサートを聴く 旅するデジカメ〜札幌発東京定住日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる